Autumn Leaves(枯葉)コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!今日はAutumn Leavesだね。セッションで一番よく呼ばれる曲ってイメージあるけど、実際どうなの?

その通りじゃ、お前さん。枯葉はジャズセッションの入口みたいな曲でな。初心者からベテランまで、誰もが一度は通る道なのじゃ

よし、じゃあ今日はこの曲をしっかり掘り下げていこう!
曲の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作曲 | Joseph Kosma(1945) |
| キー | Gm(Emも使われます) |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=140〜180 Medium Swing |
| セッション頻出度 | ★★★★★ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |

もともとシャンソンなんだ!ジャズのイメージしかなかったよ

Johnny Mercerが英語の歌詞をつけてからジャズの世界に広まったのじゃ。II-V-Iの練習曲と言われがちじゃが、掘ってみると意外と奥が深い曲じゃぞい
もとはシャンソン。Johnny Mercerの英詞でジャズに広まりました。II-V-Iの練習曲と言われますが、意外と奥が深い曲です。All The Things You Areと並んで、セッションで最も呼ばれる曲の一つです。
Autumn Leavesのコード進行と分析

BbメジャーのII-V-IとGマイナーのII-V-Iが交互に出てくる構造です。ジャズで最も重要なII-V-Iの連鎖を、メジャーとマイナーの両方で練習できる、なかなかない教材です。
-
Aセクション前半はBbメジャーのII-V-I-IV。Cm7→F7→Bbmaj7→Ebmaj7。Cm7(IIm7)→F7(V7)→Bbmaj7(Imaj7)でBbメジャーに解決し、Ebmaj7(IVmaj7)がサブドミナントとして次のマイナーII-V-Iへの橋渡しをします。この曲全体がBbメジャーとGマイナーという平行調の行き来で成り立っていることを意識すると、構造が一気に見通せます。
-
Aセクション後半はGマイナーのII-V-I。Am7(b5)→D7(b13)→Gm6。Ebmaj7はGマイナーから見るとbVImaj7で、ここからマイナーII-Vへの移行は非常にスムーズです。Gm6の「6」はE音(ドリアンの長6度)で、メロディックマイナーのキャラクターを作っています。

メジャーII-V-Iの後にマイナーII-V-Iが来るってことは、1コーラスで両方練習できるってこと?

そういうことじゃ。しかもAセクションの8小節にメジャーとマイナーが両方入っておるから、曲を1回通すだけで何度も繰り返せるのじゃ。これが入門に最適と言われる理由じゃのう
-
BセクションはAセクションの逆順。Am7(b5)→D7(b13)→Gm6で始まり、Cm7→F7→Bbmaj7→Ebmaj7で終わります。Aセクションを覚えていればBは自動的に弾けるので、暗記の負担は実質半分です。
-
ラストA’(Cセクション)の半音下行ラインが最大の山場。Am7(b5)→D7(b13)でGmに向かった後、Gm7→Gb7→Fm7→E7という半音ずつ下がるクロマチックラインが出現します。Gb7はCm7(IVm7)への裏コード(subV7/IV)、E7はBbmaj7への裏コード(subV7/bIII)として機能しているため、単なる半音下行ではなく和声的な根拠があります。ただし、セッションではこの部分をAと同じに弾く人も多いので、周りに合わせてOKです。
-
ラスト4小節がターンアラウンド。Am7(b5)→D7(b13)→Gm6→Gm6で頭に戻ります。この4小節はそのままイントロにも使われる定番の進行です。ソロの最終コーラスでは最後のGm6をGm(maj7)に変えてエンディングにすることもあります。

要するにBbメジャーとGマイナーの行き来なのじゃ。これが見えれば全体が整理できるぞい

平行調の行き来って考えると、コード進行がすごくシンプルに見えてくるね
Autumn Leavesのスケールガイド

博士〜!コードいっぱいあるけど、スケール全部覚えなきゃダメ?

落ち着くのじゃ、お前さん。この曲はBbメジャーとGドリアン、たった2つで全部弾けるんじゃぞい
まずはこれだけ覚える

え、2つだけ?コード8個くらいあるのに?

BbメジャースケールとGドリアンはな、構成音がまったく同じなのじゃ。Bb, C, D, Eb, F, G, A。つまり実質1スケールで弾き通せるということじゃぞい

まじで!?じゃあBbメジャースケールさえ知ってれば全部いけちゃうってこと?

そうじゃのう。ただし、スケールをダーッと上下に走るだけじゃ音楽にならんぞい。大事なのはコードトーン、つまり1度・3度・5度・7度を狙って弾くことじゃぞい

コードトーンを歌うように弾く、ってよく聞くやつだね

お前さん、よく勉強しておるのう。コードトーンを軸にして、間をスケールの音で埋めていく。それだけでずっと音楽的に聞こえるぞい

じゃあ最初はBbメジャースケール+コードトーン意識でOK?

十分じゃぞい。慣れてきたらD7(b13)のところでDオルタードスケールを混ぜてみるとよい。一気にジャズらしいサウンドになるぞい。ただし、欲張るでないぞい。まず1スケールで1コーラス弾けるようになってからじゃぞい
余裕が出たらコードごとに
Aセクション:メジャーII-V-I(Cm7〜Ebmaj7)


コードごとのスケール、全部バラバラに覚えなきゃいけないの?

いや、グループ分けすると楽じゃぞい。まずメジャー側の4つ、Cm7・F7・Bbmaj7・Ebmaj7。ここは全部Bbメジャースケールの音で弾けるのじゃ

Cm7はドリアン、F7はミクソリディアン、Bbmaj7はイオニアンって書いてあるけど…全部構成音同じってこと?

その通りじゃのう。名前は違うが中身は同じBb, C, D, Eb, F, G, A。モードの名前に惑わされるでないぞい。ただしEbmaj7のところではリディアンの#4、つまりA音を使うとGドリアンの雰囲気も出て自然に馴染むのじゃ

なるほど、ここまではBbメジャーの世界で考えればいいんだね!
Aセクション:マイナーII-V-I(Am7(b5)〜Gm6)


さて、ここからマイナーII-Vに入る。Am7(b5)→D7(b13)→Gm6。ここが一番ジャズっぽい響きになるところなのじゃ

Am7(b5)のロクリアンってちょっと怖い名前だけど…

ロクリアンで気をつけるのはb2、つまりBb音なのじゃ。ルートのA音と半音でぶつかって不協和になるから、長く伸ばさず経過音として扱うのが安全じゃぞい。余裕があればロクリアン#2というスケールを使うと、このぶつかりを避けられるのじゃ

D7(b13)のオルタードは?よく聞くけど難しそう…

Dオルタードはメロディックマイナーの7番目のモードでな、b9・#9・b5・b13を全部含んでおるのじゃ。コンディミという選択肢もあるんじゃが、コンディミだとナチュラル13のB音が入ってしまう。コード指定のb13、つまりBb音と半音でぶつかるから、オルタードの方が安全じゃぞい

オルタード…最初から使わなきゃダメ?

いやいや、最初はGドリアンで通して構わんぞい。オルタードは「ここぞ」という時のスパイスなのじゃ。Gm6のところはGドリアンでE音、つまり長6度を意識して弾けばこの曲のキャラクターが出るぞい
A’セクション:クロマチック下行(Gm7〜E7)


A’セクションのクロマチックで半音ずつ下がるところは?Gm7→Gb7→Fm7→E7ってやつ

そこは裏コードにリディアンb7を使うのが定番じゃが…お前さん、最初は飛ばしてもいいぞい

え、いいの?

Aと同じに弾く人もセッションでは多い。まずはAセクションのメジャーII-VとマイナーII-Vを完璧にするのが先じゃぞい。クロマチック下行は余裕ができてからで十分じゃぞい
演奏時のポイント
イントロ: ラスト4小節(Am7(b5)→D7(b13)→Gm6→Gm6)をそのままイントロに使うのが最も一般的です。ピアノやギターがこの4小節を弾いて、テーマの頭に入ります。Cannonball Adderleyの「Somethin’ Else」ではMiles Davisがミュートトランペットでこのイントロを印象的に吹いており、この曲のアイコン的な始まり方になっています。
Am7(b5)→D7(b13)を2回繰り返す8小節イントロにする場合もあります。
テンポとフィール: セッションでは♩=140〜180あたりのMedium Swingで演奏されることがほとんどです。メロディが歌える速さが目安ですが、速い方がジャムセッション感が出ます。初心者は♩=140程度から始めて、徐々に上げていくのがおすすめです。
基本は4ビートスウィングですが、Aセクションをラテンフィール、BセクションやA’をスウィングに切り替えるアレンジも定番です。
アウトロ: ラスト2小節(Am7(b5)→D7(b13)→Gm6)をリピートしてリタルダンドし、最後はGm(maj7)のフェルマータで締めるのが王道です。Gm(maj7)の響き(G, Bb, D, F#)がGドリアンのキャラクターと重なり、余韻が美しく収まります。

イントロのマイナーII-V、最初のセッションで「どうぞ」って振られてめちゃくちゃ焦った記憶がある…

あるあるじゃのう。ラスト4小節をそのまま弾くだけでいいと知っておれば怖くないぞい
実践で使えるTips
ソロの回し方: 32小節のAABA構成なので、1〜2コーラスずつ回すのが一般的です。初心者セッションでは1コーラスで十分。スケールを上下に走り回るより、コードトーンだけで歌うように弾く方がずっと音楽的に聞こえます。フォームが分かりやすい曲なので、ラストAに入ったら音数を減らしていけば、次の人も自然にソロを受け取れます。
ガイドトーン(3度と7度)を意識して弾くと、コード進行が自然と浮かび上がります。Cm7の3度(Eb)→F7の7度(Eb)→Bbmaj7の3度(D)のように、ガイドトーンが半音〜全音でスムーズにつながるのがこの曲の美しさです。

ガイドトーンが半音でつながっていくの、実際弾いてみるとすごく気持ちいいよね

じゃろう?コードを「弾く」のではなく「歌う」感覚で追いかけると、ソロが格段にメロディアスになるぞい
転調ポイント: EmキーでもGmキーでも演奏されるので、コール時にキーを確認すること。ギタリストがいるセッションではEmで演奏されることが多く、管楽器中心のセッションではGmが主流です。EmとGmでは構成音が変わるだけで構造は同じ(メジャーII-V-IとマイナーII-V-Iの連鎖)なので、一度Gmで理解すれば移調は難しくありません。余裕があれば両方のキーをさらっておくと安心です。
There Will Never Be Another Youのようなメジャーキーの曲と組み合わせて練習すると、II-V-Iの感覚がメジャー・マイナー両面で身につきます。
コール方法: 「枯葉、Gマイナーで」と言えばほぼ通じます。英語で「Autumn Leaves in G minor」でもOK。キーを言わずにコールするとGmかEmか混乱するので、必ずキーを添えること。テンポは「ミディアムで」「ちょっと速めで」程度で十分です。ボーカルセッションではキーがさらに異なる場合があるので注意してください。
名演・参考音源
Cannonball Adderley — Somethin’ Else (1958)
ジャズ版の決定版。Milesのミュートによるイントロが有名。
Bill Evans Trio — Portrait in Jazz (1959)
ピアノトリオの名解釈。LaFaroのベースでコード進行が耳で分かります。
Gene Ammons & Sonny Stitt — Boss Tenors (1961)
テナー2本のバトルもの。理論にとらわれないブルージーなソロの見本です。

Somethin’ Elseのイントロ、あのミュートの音聴くだけでもう「枯葉だ」ってわかるの本当にすごいよね
関連曲ガイド
Autumn Leavesを練習したら、次はこちらの曲もチェックしてみてください。
- All The Things You Are コード解析&セッションガイド — 同じくII-V-Iの連鎖で構成されたセッション定番曲。複数のキーを行き来する転調を学べます。
- There Will Never Be Another You コード解析&セッションガイド — メジャーキーのII-V-Iが中心。Autumn Leavesのマイナー感と対比して練習すると理解が深まります。
まとめ

博士、今日の話をまとめると…Autumn Leavesは平行調の行き来でできてて、スケールは実質1つでいけるってことだよね?

よくまとめたのう、お前さん。BbメジャーとGドリアンの2スケールから始めて、慣れたらコードごとのスケールに切り替えていく。この順番が大事じゃぞい

II-V-Iをメジャーとマイナー両方で体験できるから、これ1曲やるだけで他の曲にも応用が利きそうだね

その通りじゃのう。この曲をしっかり理解すれば、他の多くのスタンダードでも同じ構造が見えてくるはずじゃぞい。焦らず、まずは1コーラス弾けるところから始めるのじゃぞい


コメント