Softly As In A Morning Sunrise コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!この前セッション行ったら「Softlyやろう」って言われて、全然ついていけなかったんだよね…

おお、Softly As In A Morning Sunriseか。マイナースウィングの定番中の定番じゃぞい

マイナーの曲って苦手意識あるんだけど、難しいの?

いやいや、構造はシンプルなんじゃよ。Aセクションはほぼマイナーのii-V-iの繰り返しでのう。ブリッジさえ押さえれば怖くないぞい
曲の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Softly As In A Morning Sunrise(ソフトリー・アズ・イン・ア・モーニング・サンライズ) |
| 作曲 | Sigmund Romberg(1928) |
| 作詞 | Oscar Hammerstein II |
| キー | Cm |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=140〜220 |
| フィール | Medium-Up Swing |
| セッション頻出度 | ★★★★☆ |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
1928年のミュージカル『The New Moon』のために書かれた曲です。元々はオペレッタ調の楽曲でしたが、ジャズミュージシャンたちに取り上げられてマイナースウィングの定番になりました。セッションでコールされる頻度は高く、Blue Bossaと並んでマイナーキーの入門曲として知られています。

1928年ってめちゃくちゃ古いね!

もうすぐ100年じゃのう。それだけ長く演奏され続けておるということは、曲の構造がそれだけ優れておるということなのじゃ
Softly As In A Morning Sunrise のコード進行と分析

AABA・32小節のフォームです。Aセクションが3回、ブリッジのBセクションが1回。
- Aセクションはマイナーii-V-iの基本形。Cm7が4小節続き、Dm7(b5)→G7(b9)でCm7に解決する8小節。これが3回繰り返されます。コード数が少ないぶん、ソロの内容がそのまま問われるシビアな構造です。

Aセクションってこれだけ?

そうなのじゃ。シンプルだからこそ、フレーズのクオリティで差がつく曲なんじゃよ
- ブリッジ(9〜16小節)はクロマチック上昇。Ebmaj7→Edim7→Fm7→Gbdim7→G7と、ベースラインがEb→E→F→Gb→Gと半音ずつ上がっていきます。Edim7とGbdim7は経過的なディミニッシュコードで、次のコードへの「半音の踏み石」です。

ディミニッシュが2つも出てくるけど、半音で上がっていくだけって考えればいいんだね

その通りじゃぞい。流れで覚えてしまえば難しくないのじゃ
- リハモが2パターンある。Aセクションではトライトーン代理でAb7→G7→Cm7と弾くプレイヤーも多いです。ブリッジではディミニッシュをii-Vに置き換えて、Ebmaj7→Gm7(b5) C7→Fm7→Am7(b5) D7→G7とするパターンもあります。ホストによって変わるので、両方のサウンドに慣れておくのがおすすめです。
Softly As In A Morning Sunrise のスケールガイド

博士、コード進行はわかった!で、何のスケール弾けばいいの?

まずは1つだけ覚えれば十分なのじゃ

1つ!?

この曲はマイナーキー1発ものに近いからのう。まずはそこから始めるぞい
まずはこれだけ覚える

AセクションはCドリアン1発で乗り切れるぞい。Cm7の上でもDm7(b5)→G7(b9)の上でも、Cドリアンの音で大きく外れることはないのじゃ

ブリッジは?

ブリッジもEbメジャースケールで考えると楽じゃぞい。EbmajもFmもCmの平行調Ebの音階上にあるからのう。最後のG7だけCmに解決する準備としてGコンディミやGオルタードを入れると、Aセクションへの戻りがスムーズになるぞい

じゃあ実質Cドリアン+ブリッジ後半のG7だけ気をつければいいんだね!

その認識で8割は正解じゃぞい。まずはその2つで1コーラス通せるようになることが先じゃのう
余裕が出たらコードごとに

もう少し細かく使い分けたいときは?

よし、セクションごとに見ていくかのう
Aセクション:Cmキー


Cm7の上ではCドリアンが基本じゃぞい。Cナチュラルマイナー(エオリアン)との違いはA音かAb音かだけじゃが、ドリアンのA音の方がスウィング感が出るのじゃ

Dm7(b5)のところは?

Dm7(b5)はDロクリアンが教科書的な答えじゃが、実際にはCドリアンのままフレーズを繋げて問題ないぞい。ただしDm7(b5)のルートDの半音上のEb(b9)を長く伸ばすと不協和が目立つから、経過音として使うのがコツなのじゃ

G7(b9)は?

Gコンビネーション・オブ・ディミニッシュ(コンディミ)が鉄板じゃぞい。半音-全音の繰り返しで、b9のAbとb13のEbが入るからCmへの解決感が強いのじゃ。Gオルタードスケールも定番で、こちらはよりモダンな響きになるぞい。最初はどちらか片方で十分じゃのう
Bセクション:ブリッジ


Ebmaj7はEbイオニアン、つまりEbメジャースケールそのものじゃぞい。Cm7の平行調だから、Aセクションのドリアンと指の位置がほぼ同じでのう

ディミニッシュコードのところは何弾けばいいの?

Edim7とGbdim7は経過的なコードだから、前後のコードのスケールを繋げるように弾くのが実践的じゃぞい。理論的にはディミニッシュスケール(全音-半音)を当てることもできるが、1〜2小節しかない経過コードにスケールを切り替えるのは初心者には忙しすぎるのじゃ

じゃあクロマチックに繋げるイメージ?

そうじゃのう。コードトーンを狙いつつ、前後の音をクロマチックで繋ぐ。それが一番自然に聞こえるぞい

Fm7はFドリアンが基本じゃが、ここもEbメジャースケールの延長で考えて問題ないぞい。そして最後のG7で先ほど言ったコンディミかオルタードを使ってCmに帰る。これがブリッジの全体像なのじゃ
演奏時のポイント
イントロ: ラスト4小節(Dm7(b5) → G7(b9) → Cm7)をイントロに使うのが最も一般的です。ピアニストがCm7のヴァンプを2〜4小節弾いてからテーマに入るパターンもよくあります。テンポが速い場合はヴァンプの方がバンドが合わせやすいです。

イントロはBlue Bossaと同じ感じ?

考え方は同じじゃのう。ラスト数小節をイントロに転用するのはマイナー曲の定番じゃぞい
テンポとフィール: セッションでは♩=160〜180あたりが多い印象ですが、速い人は200以上で回すこともあります。Sonny Clarkの有名なバージョンはかなり速めで、ミディアムファストからアップテンポまで対応できるようにしておくと安心です。基本はスウィングの4ビート。テンポが上がるとドラムがレガートで流す感じになります。
アウトロ: テーマ最後のDm7(b5) → G7(b9) → Cm7で着地。G7(b9)からCm7に解決して、そのまま余韻を残して終わるのが自然です。リタルダンドをかけてCm(maj7)やCm9で止めると綺麗に収まります。
実践で使えるTips
ソロの組み立て方: Aセクションが3回あるので、コード的にはほぼ同じ景色が続きます。だからこそ「同じコード進行で違うことを弾く」引き出しが重要です。1コーラス目はコードトーン中心、2コーラス目はスケール的に広げる、3コーラス目でリズミックに攻める、のように意識して変化をつけると聴いている人も飽きません。

Aセクション3回って、やること同じで退屈にならない?

そこがこの曲の面白いところでもあり怖いところでもあるのじゃ。コードが少ない分、リズムやダイナミクスで変化をつける力が鍛えられるぞい。逆に言えば、コード追いかけるだけで精一杯にならずに済むから、「歌う」練習にはもってこいなのじゃ
ブリッジで迷子にならないために: ブリッジの入り口はEbmaj7で、サウンドが急に明るくなります。この「ふわっと浮く感じ」を耳で覚えておくと、フォームを見失いにくくなります。そこから半音ずつ上がってG7に到達し、Aセクションに帰る。この流れを体で覚えるまでバッキングトラックで繰り返すのが確実です。
コール方法: 「Softly」だけで通じます。ほぼ100%Cmで演奏されるのでキーの指定は不要ですが、テンポの希望がある場合は「ミディアムで」「アップで」と伝えるといいです。Autumn LeavesやBlue Bossaと並んで、マイナーキーの入門セッション曲として定番です。
名演・参考音源

最後に参考になる音源を紹介しておくぞい。この曲はテンポやアレンジの振れ幅が大きいから、いろんなバージョンを聴いておくと勉強になるのじゃ
Sonny Clark Trio — Sonny Clark Trio (1957)
ピアノトリオの名演として語り継がれているバージョンです。Rudy Van Gelderの録音で、テンポは速め。Sonny Clarkの左手のコンピングとシングルノートのフレージングが教科書的で、ピアニストでなくても参考になります。このバージョンでSoftlyを知ったという人も多いです。
John Coltrane — Live at the Village Vanguard (1961)
Coltraneがこの曲をモーダルに解体したバージョン。テンポもエネルギーも凄まじく、原曲の面影がないくらい自由に展開します。初心者がコピーする対象ではないですが、「マイナー1発ものでここまでいける」という可能性を示してくれる録音です。
Wes Montgomery — Full House (1962)
ギターで聴くならこれ。Wes特有のオクタブ奏法とシングルノートの切り替えが見事で、管楽器奏者もフレージングの参考になります。テンポはミディアムアップで、セッションで実際に弾くテンポ感に近いので実践的です。

Sonny Clarkのやつから聴いてみる!

うむ、まずはピアノトリオ版で曲の骨格を掴むのがいいぞい。フォームが頭に入ったらColtraneも聴いてみるんじゃぞい
関連曲ガイド
Softly As In A Morning Sunriseを練習したら、次はこちらの曲もチェックしてみてください。
- Blue Bossa コード解析&セッションガイド — 同じCmキーのセッション定番。ボサノバのフィールで、マイナーii-V-iの練習になります。
- Autumn Leaves コード解析&セッションガイド — メジャーとマイナーのII-V-Iが交互に出てくる構造。Softlyでマイナーに慣れたら、次はメジャーとの切り替えを学べます。
まとめ

Aセクションはマイナーii-V-iの繰り返し、ブリッジは半音上昇でG7に到達してCmに戻る…思ったよりシンプルだった!

そうじゃろう。コードが少ない曲だからこそ、スケールやフレーズの中身で勝負する曲なのじゃ

まずはCドリアン1発で通してみるよ!

うむ、それでいいぞい。テンポは最初ゆっくりから始めて、余裕が出たら徐々に上げていくんじゃぞい。この曲はテンポが上がると別の景色が見えてくるからのう

速いのも練習しないとだね

まあ焦るな。Sonny Clarkのバージョンを何度も聴いて、フォームが体に染み込んでからで遅くないぞい


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