Recorda Me コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!セッションでラテンっぽい曲やりたくて、Blue Bossaの次に何がいいかな?

それならRecorda Meはどうじゃ?Joe Hendersonが書いたボサノバで、Blue Bossaの次のステップにちょうどいいぞい

コード進行はどんな感じ?

マイナーキーの曲なんじゃが、キーセンターが移り変わっていく「モーダル」な雰囲気が独特でのう。面白い曲じゃぞい
Recorda Me の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Recorda Me(リコーダ・ミー) |
| 作曲 | Joe Henderson (1963) |
| キー | Am |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=130–170 |
| フィール | Latin / Bossa Nova |
| セッション頻出度 | ★★★★☆ |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |

Joe Hendersonが1963年のデビューアルバム『Page One』で発表した曲じゃぞい。ちなみにBlue Bossaも同じアルバムに入っておるのう

えっ、Blue Bossaと同じアルバム!?

そうなのじゃ。どちらもボサノバ調で、セッション定番になっている。Hendersonは名プレイヤーだけでなく、名作曲家でもあったということじゃぞい。イントロの独特なリズミックヒットも含めて曲を覚えるのが大事でのう
Recorda Me のコード進行と分析

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Aセクション冒頭のAm7が2小節です。ここがこの曲のホームベースです。
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3〜4小節目でCm7に移行します(短3度上への平行移動)。II-Vで準備する古典的転調ではなく、キーセンターが唐突にスライドするモーダルな動きです。

転調って言っていいの?

厳密にはII-Vで準備する「古典的な転調」ではないんじゃのう。キーセンターが唐突に移動する「直接転調」に近い。理屈より耳で「色が変わった」と感じる方が大事じゃぞい
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5〜6小節目でBm7に移行します。Am→Cm(短3度上)→Bm(元のAmから全音上)という非機能的な動きが、この曲独特の浮遊感を生んでいます。
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7〜8小節目のBbm7→Eb7→Abmaj7がAセクション唯一の明確なII-V-Iです(Abキー)。マイナーの浮遊感からメジャーに解決する瞬間が、Aセクションで最も色彩が変わるポイントです。

Aセクションをまとめると「Am(2小節) → Cm(2小節) → Bm(2小節) → Abmaj7(2小節)」。キーセンターが2小節ずつ変わっていく、モーダルな構造なのじゃ

2小節ずつ景色が変わるんだ!

そうじゃぞい。この「平行移動」の感覚を掴めば、この曲は攻略したも同然なのじゃ
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Bセクション前半(17〜20小節)はCm7が4小節です。Aセクションで2小節だったCm7がブリッジでは4小節に拡大します。
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Bセクション後半(21〜24小節)はBm7→E7→Am7(AmキーのII-V-I)です。Cm7からBm7→E7でホームベースに戻る明確な「帰還」の合図です。

BセクションからAセクションに戻るのは自然に聞こえそう

最後のAm7でちゃんとホームに着地するからのう。Bセクションの役割は「一旦Cmで広がってから、II-VでAmに帰ってくる」という橋渡しなのじゃ
Recorda Me のスケールガイド

博士、この曲のスケールはどうすればいいの?キーセンターが2小節ずつ変わるんでしょ?

変わるんじゃが、使うスケールは全部ドリアンなのじゃ。だから実は楽なんじゃぞい

全部ドリアン!?

うむ。この曲がモーダルな曲たる所以じゃのう
まずはこれだけ覚える

Am7のところはAドリアン。Cm7のところはCドリアン。Bm7のところはBドリアン。全部「ドリアンを平行移動」するだけなのじゃ

ドリアンのポジションをずらすだけでいいの!?

そうじゃぞい。ギターなら同じフレットパターンをスライドするだけじゃし、管楽器でも「ドリアンの響き」が体に入っていれば、ルートを変えるだけで対応できるのじゃ

Bbm7→Eb7→Abmaj7のところは?

ここはAbメジャースケール1発で乗り切れるぞい。Bbドリアン→Ebミクソリディアン→Abイオニアンと書くと3つに見えるが、全部Abメジャーの音なのじゃ

じゃあ結局「ドリアン3つ + Abメジャー1つ」で全部弾けるんだ!

その通りじゃぞい。しかもBセクションのCm7もCドリアン、Bm7→E7もAmに戻るためのII-Vじゃから、基本的にドリアンの世界の中でずっと弾いていることになるのじゃ
余裕が出たらコードごとに

ドリアンで弾けるようになったら、次は何を意識すればいい?

ドリアンの特徴音である「ナチュラル6th」を意識するのが次のステップじゃぞい
Aセクション(1〜8小節):キーセンターの移動


Aドリアンの特徴音はF#。Cドリアンの特徴音はA。Bドリアンの特徴音はG#。この6th音をフレーズに組み込むと、エオリアン(ナチュラルマイナー)で弾くより明るくモーダルな響きになるぞい

Bbm7→Eb7→Abmaj7のところをもう少し詳しく!

Bbm7はBbドリアンで、Eb7の上ではEbミクソリディアンが基本じゃが、Abに解決するからLydian b7(リディアンb7)も使えるぞい。Abmaj7はAbイオニアン。ただ最初はAbメジャーペンタトニック1発でも十分サマになるぞい
Bセクション(17〜24小節):Cm → Am


Bセクションの前半4小節はCm7だけど、何か変化つけた方がいい?

4小節あるから、Cドリアンの中でフレーズを発展させていくのがいいぞい。最初の2小節はシンプルに、後半の2小節で少しフレーズを広げるとか

Bm7→E7は?

BドリアンからEミクソリディアンで、Am7に解決。E7の上でEオルタードを使うとAmへの解決感が強まるぞい。ただ最初はAマイナーペンタトニックで通しても全然問題ないぞい
演奏時のポイント
イントロ: オリジナル録音のリズミックヒットがそのままイントロの慣例です。Am7の上でキメを合わせてからテーマに入ります。Page Oneの録音を聴いてキメのタイミングを必ず把握しておきましょう。

イントロにキメがあるんだ!

Recorda Meはイントロのキメまで含めて「曲」なのじゃ。知らずにセッションに行くとキメで置いていかれるから、必ず録音を聴いて覚えておくんじゃぞい
テンポとフィール: ♩=140〜160のボサノバ/ラテンが多いです。ソロが盛り上がると4ビートに切り替わることもあります。テーマに戻るときはラテンに戻すのが一般的です。
アウトロ: テーマ最後からイントロのキメに戻って終わるのが定番です。Am7フェードアウトもあります。
実践で使えるTips
ソロの回し方: 32小節AABA、ソロは2〜3コーラスが標準です。ドリアンをキーセンターに合わせてスライドさせるのが基本です。2小節ずつ景色が変わるので、短いフレーズを各キーに合わせる「パッチワーク」的ソロが最初はやりやすいです。
キーセンターの切り替えで迷子にならないために: Am(2) → Cm(2) → Bm(2) → Ab(2)という「地図」を頭に入れておきましょう。各キー2小節と短いので、慣れないうちはキーの切り替わりでブレスを入れるのが安全です。

2小節ごとにブレス入れればいいんだね

そうじゃぞい。慣れてきたら、キーをまたいでフレーズを繋げるとスムーズに聞こえるんじゃが、最初は「2小節区切り」の意識で十分じゃぞい
コール方法: 「Recorda Me」で通じます。ほぼ100%Amです。Blue BossaやBlack Orpheusと合わせて覚えると、ラテン曲の選択肢が広がります。
名演・参考音源

最後に参考音源じゃぞい。この曲はオリジナル録音のイントロを必ず聴いておくのじゃ
Joe Henderson — Page One (1963)
オリジナル録音です。Kenny Dorham(tp)、McCoy Tyner(p)。イントロのキメとテーマの「お手本」です。Blue Bossaと同じアルバムなのでまとめて聴くのがおすすめです。
Pat Martino — Live! (1972)
Pat Martinoの切れ味あるシングルノートがモーダルなコード進行上を自在に走り回ります。ギタリストの教科書的演奏です。
Freddie Hubbard — Hub-Tones (1962)
テンポ速めでアグレッシブなアプローチです。ソロの組み立て方の参考になります。

まずはJoe Hendersonのオリジナルからだね!

イントロのキメ、絶対覚えてから行くんじゃぞい。セッションで「あ、イントロ知らないな」って思われるのはもったいないからのう
関連曲ガイド
- Blue Bossa コード解析&セッションガイド — 同じ『Page One』収録のボサノバです。Cmキーで転調1回のみです。
- Black Orpheus コード解析&セッションガイド — ラテン系マイナーキーの定番です。Recorda Meより伝統的なコード進行で、比較すると面白いです。
まとめ

Am→Cm→Bm→Abの2小節ずつ移動、Bセクションはcm4小節からII-VでAmに帰る…覚えた!

そしてスケールは全部ドリアンの平行移動。シンプルじゃろう?

モーダルな曲って、理屈は簡単だけど弾くと奥が深そう

いいことを言うのう。コードが少ない分、フレーズの引き出しとリズムの質で差がつくのじゃ。まずはドリアンのスライドで1コーラス通して、そこからフレーズを磨いていくんじゃぞい

よし、Page One聴いてくる!


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