Perdido コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!セッションで速いテンポの曲がコールされて全然ついていけなかったんだけど…

なんの曲じゃった?

Perdidoって曲。コード自体は簡単そうだったのに、テンポに振り落とされた…

Perdidoはコード進行がシンプルだからこそ、テンポとリズムで楽しむ曲なのじゃ。構造を理解すればテンポが速くても怖くなくなるぞい
Perdido の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Perdido(パーディド) |
| 作曲 | Juan Tizol (1941) |
| キー | Bb |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=160–240 |
| フィール | Medium-Up Swing |
| セッション頻出度 | ★★★★☆ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |

1941年にDuke Ellington楽団のトロンボーン奏者Juan Tizolが書いた曲でのう。1942年にEllington楽団が録音して、1943年にポップチャートにも入った人気曲じゃぞい

Tizolって、Caravanを書いた人?

おお、よく知っておるのう!その通りじゃ。プエルトリコ出身のTizolはCaravanとPerdidという2大セッション定番を書いた人物でのう。1957年にはElla Fitzgeraldが『Ella Fitzgerald Sings the Duke Ellington Songbook』で歌っておるぞい
Perdido のコード進行と分析

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Aセクションの骨格はCm7→F7→Bb6のII-V-Iです。ジャズスタンダード中トップクラスにシンプルなAセクションです。
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4小節目のDm7→G7はCm7へのセカンダリードミナント(V7/II)です。I Got Rhythmのチェンジと構造が似ています。

I Got Rhythmに似てるの?

そうじゃぞい。BbキーのII-V-Iが基本で、ブリッジにドミナント7thの連鎖がある。いわゆる「リズムチェンジ」の派生形と言ってもいいのじゃ。PerdidoができたらI Got Rhythmも取り組みやすくなるぞい
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2回目のAの7-8小節目はBb6が2小節です。1回目のAにあったDm7→G7のターンバックがなく、Bb6で止まってBセクションに接続します。
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Bセクションはドミナント7thの連鎖:D7(2)→G7(2)→C7(2)→F7(2)です。5度下降のサイクル・オブ・フィフスで、最終的にBbキーのV7(F7)に着地して最後のAに戻ります。

ブリッジが全部ドミナント7th!?

そうなのじゃ。D7がGに解決する代わりにG7に行き、G7がCに解決する代わりにC7に行き…という「偽終止の連鎖」とも言えるのう。ドミナント7thの響きが延々と続く、推進力のあるセクションなのじゃ
- 最後のAは1回目と同構造です。ラスト8小節目にCm7→F7のターンバックで冒頭に戻し、テーマ終わりはBb6で止めます。

まとめるとPerdidoは「II-V-Iが3回 + ドミナント7thのサイクル」じゃぞい。理論的にはジャズで最もシンプルな部類の曲なのじゃ

じゃあなんで難しく感じたの…

テンポじゃぞい。この曲は♩=200超えで演奏されることも多いからのう。コード進行はシンプルだが、それを高速テンポの中でグルーヴさせるのが腕の見せ所なのじゃ
Perdido のスケールガイド

博士、スケールは何を使えばいいの?

この曲はスケール選びが一番簡単な曲の一つじゃぞい

え、ほんと?

まずは1つだけ覚えればいいのじゃ
まずはこれだけ覚える

AセクションはBbメジャースケール1発。Cm7もF7もBb6も全部Bbメジャーの音。これだけで8小節いけるぞい

1スケールでAセクション全部!?

そうじゃぞい。BセクションのD7→G7→C7→F7も、各コードにミクソリディアンを当てるのが基本じゃが、最初のうちはBbメジャーペンタトニック+ブルーノートで通しても十分いけるぞい

ペンタで通せるの!?

もちろん完璧ではないが、テンポが速い曲ではペンタの安定感が活きるのじゃ。外れる音がないから、テンポに振り落とされる心配なく吹ける。まずは「テンポについていく」ことが最優先じゃからのう

たしかに、アウトよりついていけないほうがマズいもんね
余裕が出たらコードごとに

テンポについていけるようになったら、次は何を意識すればいい?

Bセクションのドミナント7th連鎖にミクソリディアンを当てるところからじゃのう
Aセクション(1〜8小節):Bb


Cm7はCドリアン、F7はFミクソリディアン、Bb6はBbイオニアン。全部Bbメジャーの音じゃから、Aセクションでスケールを切り替える必要はないぞい

Dm7→G7のターンバックは?

G7にGミクソリディアンを使うと、BナチュラルがCm7のBb(b7)と半音でぶつかるんじゃが、テンポが速いので経過音として処理すれば問題ないぞい。Gオルタードを使ってCm7への解決感を出すのもアリじゃが、まずはBbメジャースケールで通して問題なしじゃぞい
Bセクション(17〜24小節):ドミナント連鎖


ブリッジのD7→G7→C7→F7は全部ミクソリディアン?

基本はそうじゃぞい。D7=Dミクソリディアン、G7=Gミクソリディアン、C7=Cミクソリディアン、F7=Fミクソリディアン。2小節ずつミクソリディアンを切り替えるのじゃ

テンポが速いと切り替えが忙しくない?

そこがポイントじゃぞい。テンポが速い場合のコツは、各コードの「3rd(長3度)」だけ意識して、あとはペンタ的に弾くことじゃのう。D7ならF#、G7ならB、C7ならE、F7ならA。この3rdの音がコードの色を決めるから、それだけ押さえればミクソリディアンをフルで弾かなくてもコード感は出るぞい

なるほど、3rdだけ追いかけるのか!

ビバップの基本テクニックじゃぞい。テンポが速い曲ではこの「コードトーンを最低限押さえて、あとは走る」感覚が大事なのじゃ
演奏時のポイント
イントロ: ラスト4小節(Cm7→F7→Bb6→Cm7 F7)か、ドラム4小節カウントが一般的です。速い曲なのでイントロで確実にテンポを提示しましょう。

速い曲はテンポの共有が大事なんだね

その通りじゃぞい。テンポがバラバラだとバンドが崩壊するからのう
テンポとフィール: ♩=180〜220のミディアムアップ〜アップテンポスウィングです。テンポが速い分、4ビートのグルーヴ感が試されます。
アウトロ: Bb6で全体キメか、Bb6→Cm7→Dbdim7→Cm7→F7→Bb6のI-IIキメパターンです。アップテンポの曲は終わり方をバンドで合わせましょう。
実践で使えるTips
ソロの回し方: 32小節AABA、テンポが速いので体感はあっという間です。ソロは2〜4コーラスが標準です。Bセクションのドミナント連鎖の始まり(D7)を体内時計で覚えておくのが重要です。
テンポに振り落とされないために: 休符もリズムの一部です。「全部吹こう」とすると酸欠でバテます。4小節フレーズ→4小節休む、くらいのペースから徐々に密度を上げるのがコツです。

休んでいいんだ!

速い曲で休符を使えるのは「テンポを感じている」証拠じゃぞい。逆に休符が使えないのは、テンポに追いかけられている状態。余裕がある人ほどよく休むものなのじゃ
コール方法: 「Perdido、ミディアムアップで」で通じます。ほぼ100%Bbです。テンポの好みはメンバーに確認しましょう。Take The A TrainやI Got Rhythmとセットで覚えるとレパートリーが広がります。
名演・参考音源

最後に参考音源じゃぞい。この曲はテンポ感を体に入れるのが最優先じゃから、何度も聴いてグルーヴを体感するんじゃぞい
Duke Ellington — Ellington Uptown (1952)
Ellington楽団の代表的な録音です。ビッグバンドのドライブ感が最高です。テンポ感の基準としてまず聴くべき一枚です。
Buddy Rich — Swingin’ New Big Band (1966)
Buddy Richのドラムが炸裂します。テンポ速め、グルーヴが圧巻です。リズムセクション視点でこの曲の醍醐味を体感できます。
Illinois Jacquet — The Complete Illinois Jacquet Sessions (1945)
豪快なテナーのブロウが楽しい演奏です。初期のジャンプ・ブルース的アプローチで、Perdidoのエネルギッシュな一面が際立ちます。

まずEllingtonから聴いてみる!

うむ。ビッグバンドの勢いを体感してから、自分のソロに活かすんじゃぞい。この曲は「ノリ」が全てじゃからのう
関連曲ガイド
- Take The A Train コード解析&セッションガイド — Ellington系の定番スウィングです。コード構造が似ており、セットで覚えると効率的です。
- I Got Rhythm コード解析&セッションガイド — BbキーのII-V-I + ドミナント連鎖という点でPerdidoと共通しています。リズムチェンジ入門です。
まとめ

AセクションはBbのII-V-I、BセクションはD7→G7→C7→F7のドミナント連鎖…シンプル!

理論的にはジャズスタンダードで最もシンプルな部類じゃぞい

でもテンポが…

テンポは慣れじゃ。最初は♩=160くらいのiReal Proで練習して、少しずつ上げていくのがいい。Bbメジャーペンタで通しても恥ずかしくないのがこの曲の懐の深さなのじゃ。休符を恐れず、グルーヴを楽しむんじゃぞい

休符もリズム、覚えた!


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