Perdido コード解析&セッションガイド

S038 eyecatch スタンダード解析
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Perdido コード進行 解析&セッションガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士〜!セッションで速いテンポの曲がコールされて全然ついていけなかったんだけど…

ぽん太博士
ぽん太博士

なんの曲じゃった?

ぴょん吉
ぴょん吉

Perdidoって曲。コード自体は簡単そうだったのに、テンポに振り落とされた…

ぽん太博士
ぽん太博士

Perdidoはコード進行がシンプルだからこそ、テンポとリズムで楽しむ曲なのじゃ。構造を理解すればテンポが速くても怖くなくなるぞい

Perdido の基本データ

項目 内容
曲名 Perdido(パーディド)
作曲 Juan Tizol (1941)
キー Bb
フォーム AABA / 32小節
テンポ ♩=160–240
フィール Medium-Up Swing
セッション頻出度 ★★★★☆
難易度 ★☆☆☆☆
ぽん太博士
ぽん太博士

1941年にDuke Ellington楽団のトロンボーン奏者Juan Tizolが書いた曲でのう。1942年にEllington楽団が録音して、1943年にポップチャートにも入った人気曲じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Tizolって、Caravanを書いた人?

ぽん太博士
ぽん太博士

おお、よく知っておるのう!その通りじゃ。プエルトリコ出身のTizolはCaravanとPerdidという2大セッション定番を書いた人物でのう。1957年にはElla Fitzgeraldが『Ella Fitzgerald Sings the Duke Ellington Songbook』で歌っておるぞい


Perdido のコード進行と分析

Perdido コード進行表
Perdido コード進行表
  1. Aセクションの骨格はCm7→F7→Bb6のII-V-Iです。ジャズスタンダード中トップクラスにシンプルなAセクションです。

  2. 4小節目のDm7→G7はCm7へのセカンダリードミナント(V7/II)です。I Got Rhythmのチェンジと構造が似ています。

ぴょん吉
ぴょん吉

I Got Rhythmに似てるの?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。BbキーのII-V-Iが基本で、ブリッジにドミナント7thの連鎖がある。いわゆる「リズムチェンジ」の派生形と言ってもいいのじゃ。PerdidoができたらI Got Rhythmも取り組みやすくなるぞい

  1. 2回目のAの7-8小節目はBb6が2小節です。1回目のAにあったDm7→G7のターンバックがなく、Bb6で止まってBセクションに接続します。

  2. Bセクションはドミナント7thの連鎖:D7(2)→G7(2)→C7(2)→F7(2)です。5度下降のサイクル・オブ・フィフスで、最終的にBbキーのV7(F7)に着地して最後のAに戻ります。

ぴょん吉
ぴょん吉

ブリッジが全部ドミナント7th!?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。D7がGに解決する代わりにG7に行き、G7がCに解決する代わりにC7に行き…という「偽終止の連鎖」とも言えるのう。ドミナント7thの響きが延々と続く、推進力のあるセクションなのじゃ

  1. 最後のAは1回目と同構造です。ラスト8小節目にCm7→F7のターンバックで冒頭に戻し、テーマ終わりはBb6で止めます。
ぽん太博士
ぽん太博士

まとめるとPerdidoは「II-V-Iが3回 + ドミナント7thのサイクル」じゃぞい。理論的にはジャズで最もシンプルな部類の曲なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

じゃあなんで難しく感じたの…

ぽん太博士
ぽん太博士

テンポじゃぞい。この曲は♩=200超えで演奏されることも多いからのう。コード進行はシンプルだが、それを高速テンポの中でグルーヴさせるのが腕の見せ所なのじゃ


Perdido のスケールガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士、スケールは何を使えばいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

この曲はスケール選びが一番簡単な曲の一つじゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

え、ほんと?

ぽん太博士
ぽん太博士

まずは1つだけ覚えればいいのじゃ

まずはこれだけ覚える

ぽん太博士
ぽん太博士

AセクションはBbメジャースケール1発。Cm7もF7もBb6も全部Bbメジャーの音。これだけで8小節いけるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

1スケールでAセクション全部!?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。BセクションのD7→G7→C7→F7も、各コードにミクソリディアンを当てるのが基本じゃが、最初のうちはBbメジャーペンタトニック+ブルーノートで通しても十分いけるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

ペンタで通せるの!?

ぽん太博士
ぽん太博士

もちろん完璧ではないが、テンポが速い曲ではペンタの安定感が活きるのじゃ。外れる音がないから、テンポに振り落とされる心配なく吹ける。まずは「テンポについていく」ことが最優先じゃからのう

ぴょん吉
ぴょん吉

たしかに、アウトよりついていけないほうがマズいもんね

余裕が出たらコードごとに

ぴょん吉
ぴょん吉

テンポについていけるようになったら、次は何を意識すればいい?

ぽん太博士
ぽん太博士

Bセクションのドミナント7th連鎖にミクソリディアンを当てるところからじゃのう

Aセクション(1〜8小節):Bb

Aセクションのコード進行
Aセクションのコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

Cm7はCドリアン、F7はFミクソリディアン、Bb6はBbイオニアン。全部Bbメジャーの音じゃから、Aセクションでスケールを切り替える必要はないぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Dm7→G7のターンバックは?

ぽん太博士
ぽん太博士

G7にGミクソリディアンを使うと、BナチュラルがCm7のBb(b7)と半音でぶつかるんじゃが、テンポが速いので経過音として処理すれば問題ないぞい。Gオルタードを使ってCm7への解決感を出すのもアリじゃが、まずはBbメジャースケールで通して問題なしじゃぞい

Bセクション(17〜24小節):ドミナント連鎖

Bセクションのコード進行
Bセクションのコード進行
ぴょん吉
ぴょん吉

ブリッジのD7→G7→C7→F7は全部ミクソリディアン?

ぽん太博士
ぽん太博士

基本はそうじゃぞい。D7=Dミクソリディアン、G7=Gミクソリディアン、C7=Cミクソリディアン、F7=Fミクソリディアン。2小節ずつミクソリディアンを切り替えるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

テンポが速いと切り替えが忙しくない?

ぽん太博士
ぽん太博士

そこがポイントじゃぞい。テンポが速い場合のコツは、各コードの「3rd(長3度)」だけ意識して、あとはペンタ的に弾くことじゃのう。D7ならF#、G7ならB、C7ならE、F7ならA。この3rdの音がコードの色を決めるから、それだけ押さえればミクソリディアンをフルで弾かなくてもコード感は出るぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

なるほど、3rdだけ追いかけるのか!

ぽん太博士
ぽん太博士

ビバップの基本テクニックじゃぞい。テンポが速い曲ではこの「コードトーンを最低限押さえて、あとは走る」感覚が大事なのじゃ


演奏時のポイント

イントロ: ラスト4小節(Cm7→F7→Bb6→Cm7 F7)か、ドラム4小節カウントが一般的です。速い曲なのでイントロで確実にテンポを提示しましょう。

ぴょん吉
ぴょん吉

速い曲はテンポの共有が大事なんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

その通りじゃぞい。テンポがバラバラだとバンドが崩壊するからのう

テンポとフィール: ♩=180〜220のミディアムアップ〜アップテンポスウィングです。テンポが速い分、4ビートのグルーヴ感が試されます。

アウトロ: Bb6で全体キメか、Bb6→Cm7→Dbdim7→Cm7→F7→Bb6のI-IIキメパターンです。アップテンポの曲は終わり方をバンドで合わせましょう。


実践で使えるTips

ソロの回し方: 32小節AABA、テンポが速いので体感はあっという間です。ソロは2〜4コーラスが標準です。Bセクションのドミナント連鎖の始まり(D7)を体内時計で覚えておくのが重要です。

テンポに振り落とされないために: 休符もリズムの一部です。「全部吹こう」とすると酸欠でバテます。4小節フレーズ→4小節休む、くらいのペースから徐々に密度を上げるのがコツです。

ぴょん吉
ぴょん吉

休んでいいんだ!

ぽん太博士
ぽん太博士

速い曲で休符を使えるのは「テンポを感じている」証拠じゃぞい。逆に休符が使えないのは、テンポに追いかけられている状態。余裕がある人ほどよく休むものなのじゃ

コール方法: 「Perdido、ミディアムアップで」で通じます。ほぼ100%Bbです。テンポの好みはメンバーに確認しましょう。Take The A TrainI Got Rhythmとセットで覚えるとレパートリーが広がります。


名演・参考音源

ぽん太博士
ぽん太博士

最後に参考音源じゃぞい。この曲はテンポ感を体に入れるのが最優先じゃから、何度も聴いてグルーヴを体感するんじゃぞい

Duke Ellington — Ellington Uptown (1952)

Ellington楽団の代表的な録音です。ビッグバンドのドライブ感が最高です。テンポ感の基準としてまず聴くべき一枚です。

Buddy Rich — Swingin’ New Big Band (1966)

Buddy Richのドラムが炸裂します。テンポ速め、グルーヴが圧巻です。リズムセクション視点でこの曲の醍醐味を体感できます。

Illinois Jacquet — The Complete Illinois Jacquet Sessions (1945)

豪快なテナーのブロウが楽しい演奏です。初期のジャンプ・ブルース的アプローチで、Perdidoのエネルギッシュな一面が際立ちます。

ぴょん吉
ぴょん吉

まずEllingtonから聴いてみる!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。ビッグバンドの勢いを体感してから、自分のソロに活かすんじゃぞい。この曲は「ノリ」が全てじゃからのう


関連曲ガイド


まとめ

ぴょん吉
ぴょん吉

AセクションはBbのII-V-I、BセクションはD7→G7→C7→F7のドミナント連鎖…シンプル!

ぽん太博士
ぽん太博士

理論的にはジャズスタンダードで最もシンプルな部類じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

でもテンポが…

ぽん太博士
ぽん太博士

テンポは慣れじゃ。最初は♩=160くらいのiReal Proで練習して、少しずつ上げていくのがいい。Bbメジャーペンタで通しても恥ずかしくないのがこの曲の懐の深さなのじゃ。休符を恐れず、グルーヴを楽しむんじゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

休符もリズム、覚えた!

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