Body and Soul コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!セッションで「バラードやろう」って言われて、Body and Soulどう?って聞かれたんだけど…

おお、Body and Soulか!ジャズバラードの最高峰と言われる曲じゃぞい

なんかコード進行が難しいって聞いたんだけど…

Aセクションは実はII-V中心でそこまで複雑じゃないんじゃが、Bセクションの転調がこの曲の山場でのう。順番に見ていこうかい
Body and Soul の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Body and Soul(ボディ・アンド・ソウル) |
| 作曲 | Johnny Green (1930) |
| キー | Db |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=55–75 |
| フィール | Ballad |
| セッション頻出度 | ★★★★☆ |
| 難易度 | ★★★☆☆ |

1930年にJohnny Greenがロンドンで書いた曲でのう。Paul Whitemanのオーケストラの録音が大ヒットして、1930年のチャートで6週連続1位を記録したのじゃ

1930年って、ほぼ100年前の曲なんだ…

それだけ長く演奏され続けているということじゃぞい。特にColeman Hawkinsが1939年に録音したテナーサックスのバージョンは、ジャズ史上最も重要な録音の一つと言われておるのじゃ。1973年にはグラミー殿堂入りもしておるぞい
Body and Soul のコード進行と分析

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Aセクションの骨格はDbメジャーのII-Vです。冒頭のEbm7→Ab7→Dbmaj7がDbキーのII-V-Iです。1小節目のBb7(b13)はV7/VIでEbm7の前に経由する形です。最初は「Ebm7→Ab7→Dbmaj7」だけ意識すれば十分です。
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4小節目のFm7→Edim7が独特の響きを作ります。Fm7(IIIm7)からEdim7(パッシングディミニッシュ)を経てEbm7へ進みます。ベースラインがF→E→Ebと半音下降し、ディミニッシュが「接着剤」として機能します。

ディミニッシュってよくわからないんだけど…

深く考えなくていいぞい。ルートが半音で動いているだけじゃからのう。Fm7の次にEdim7を通ってEbm7に行く。ベースラインを「F→E→Eb」と覚えれば、あとは体が勝手についてくるぞい
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6小節目のCm7(b5)→F7(b9)はBbマイナーへのII-Vです。DbキーにBbマイナーのサウンドが一瞬顔を出し、7小節目のBbm7に解決した後、すぐEbm7→Ab7でDbキーのII-Vに戻ります。
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8小節目のEm7→A7がBセクションへの橋渡しです。Dbから半音上のDメジャーへの転調をII-V(Em7→A7→Dmaj7)で準備するため、耳にはスムーズに聞こえます。

Aセクション全体を一言でまとめると「DbキーのII-V-Iが基本で、途中にBbマイナーのII-Vが挟まる」。それだけの話なのじゃ

そう聞くとAセクションはそこまで怖くないかも

問題はBセクションじゃぞい…
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Bセクション(17〜24小節)でDメジャーに転調します。Body and Soul最大の仕掛けです。理論的には「遠い調」ですが、直前のEm7→A7(DキーのII-V)がクッションとなりスムーズに聞こえます。
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Bセクション前半(17〜20小節)はDメジャーの世界です。Dmaj7→Em7→Dmaj7/F#と進み、19小節目のF#m7→Bm7→Em7→A7はDキーの逆循環(III→VI→II→V)です。コードが多いですが全てDメジャースケール内に収まっています。

19小節目、1小節にコード4つもあるの!?

バラードだからテンポが遅いんで、実際にはそこまで忙しくないぞい。それに全部Dメジャーの中の動きじゃから、Dメジャースケールを弾いていれば音は外れないのじゃ
- Bセクション後半(21〜24小節)でDbに戻る準備が始まります。Dm7→G7はCキーのII-Vです。24小節目のC7→B7→Bb7は半音下降のドミナントチェーンで、Bb7(V7/VI)がAセクション冒頭のEbm7に自然に接続します。

C7→B7→Bb7って、半音ずつ下がるの?

そうじゃぞい。この半音下降のドミナントチェーンが「Dの世界からDbの世界に帰ってくる」合図なのじゃ。耳で聴くと「あ、戻ってきた」とはっきりわかるぞい
Body and Soul のスケールガイド

博士、コード多すぎてスケールが全然わからない…

バラードだからテンポが遅い分、一つ一つのコードを味わう時間があるんじゃが…最初から全部やろうとすると挫折するぞい

じゃあどうすればいいの?

まずは3つのキーセンターだけ覚えるのじゃ
まずはこれだけ覚える

Aセクション(1〜8小節、25〜32小節)はDbメジャースケール1発。Bセクションの前半(17〜20小節)はDメジャースケール1発。Bセクション後半(21〜24小節)はCメジャースケールからDbメジャーに戻る。この3つで全体の骨格はカバーできるぞい

え、3つだけでいいの?

バラードだからテンポが遅くて、スケール1発でもフレーズを丁寧に歌えばかなりサマになるのじゃ。むしろバラードは「何を弾くか」より「どう弾くか」の方が大事でのう

Bセクションの転調が一番怖いんだけど…

Dメジャーペンタトニックで乗り切るのも手じゃぞい。ペンタなら外れる音がないから安全でのう。バラードのテンポなら、転調ポイントで一度フレーズを切って仕切り直す余裕もあるぞい

バラードだと切っても不自然にならないもんね

そうじゃぞい。むしろ音を詰め込みすぎる方がバラードでは禁物なのじゃ
余裕が出たらコードごとに

3スケールで弾けるようになったら、次は何を意識すればいい?

よし、セクションごとに見ていこうかのう
Aセクション(1〜8小節):Dbキー


Ebm7はEbドリアンが基本じゃのう。Dbメジャースケールと構成音はほぼ同じじゃから、切り替えの負担は少ないぞい

1小節目のBb7(b13)は?

BbオルタードかBbコンディミじゃのう。b13のGb音を意識すると、Ebm7への解決感が出るぞい。ただし最初のうちは無視してEbドリアンで通しても問題ないぞい

Dbmaj7のところは?

Dbイオニアンが基本じゃが、リディアン(G音をナチュラルにする)も使えるぞい。3小節目のGb7はGbミクソリディアンじゃが、ここもDbメジャーの音でのう

6小節目のCm7(b5)→F7(b9)は?

ここはBbマイナーのII-Vじゃのう。Cm7(b5)はCロクリアン、F7(b9)はFオルタード。バラードだからここを丁寧に弾くと表情が出るぞい。F7でb9のGb音やb13のDb音を使うとBbm7への解決感がぐっと強まるのじゃ

7小節目のBbm7→Ebm7→Ab7は?

BbエオリアンからEbドリアン→Abミクソリディアン。ここは全部Dbメジャーの音でのう。6小節目だけBbマイナーの色が出て、7小節目ですぐDbの世界に戻る。その「一瞬の陰り」がこの曲の美しさなのじゃ
Bセクション(17〜24小節):Dメジャーへの転調


転調セクションのDmaj7、Em7は?

ここはシンプルじゃぞい。Dmaj7はDイオニアン、Em7はEドリアン。全部Dメジャースケールの音でのう

18小節目のGm7→C7って、Dメジャーにない音が入らない?

いいところに気づいたのう。Gm7のBb音はDメジャーにはないんじゃが、ここは一瞬Fメジャー方面に寄り道するイメージじゃぞい。C7はCミクソリディアンで、Fキーに向かうV7。ただ実際にはFに解決せずF#m7に行くから、一種のフェイントなのじゃ。最初はDメジャースケールで通して、ここだけBb音を入れる、くらいの意識で十分じゃぞい

21小節目のDm7→G7は?

CキーのII-Vじゃのう。Dドリアン→Gミクソリディアン。Dメジャーとの違いはF#がFナチュラルになるだけじゃから、切り替えは意外と楽じゃぞい

24小節目のC7→B7→Bb7は?

ここは各コードにミクソリディアンを当てるのが基本じゃが、半音下降のラインが大事なのでコードトーンのルートを追いかけるだけでも十分じゃぞい。C→B→Bbとルートを半音で下げていけば、自然にDbのAセクションに着地するのじゃ
演奏時のポイント
イントロ: ラスト4小節(Bbm7→Ebm7→Ab7→Dbmaj7)をイントロにするか、ピアノがDbmaj7をルバートで2〜4小節弾いてテーマに入るのが一般的です。

ルバートって、自由にやっていいってこと?

そうなんじゃが、「自由すぎて何していいかわからない」のが初心者の壁でのう。最初はII-V-Iのイントロを決めテンポで弾く方が安全じゃぞい
テンポとフィール: ♩=60前後のスローバラードが多く、ドラムはブラシが基本です。音と音の間の空白がバラードの命です。
アウトロ: Dbmaj7でリタルダンドして終わるのが最多です。Dbmaj9やDb6/9で止めると余韻が残ります。
実践で使えるTips
ソロの回し方: ソロは1〜2コーラスが標準です。テンポが遅いため少ないフレーズでも歌心があれば聴かせられる反面、音を詰め込みすぎるとバラードの雰囲気を壊します。
Bセクションの転調で迷子にならないために: Em7→A7が聞こえたら「次はD」、C7→B7→Bb7の半音下降が聞こえたら「Dbに戻る」。この2つの目印を体に覚えさせれば転調は怖くありません。バラードのテンポなら転調点で一度フレーズを切る余裕がありますし、堂々と間を空けた方が音楽的です。

バラードだから間を空けてもいいんだね

バラードではむしろ「間」こそが一番の表現なのじゃ。Miles Davisがこの曲を演奏するとき、ほとんど音を弾いていない瞬間がある。でもそこに感情が詰まっているぞい
コール方法: 「Body and Soul」で通じます。キーはほぼ100% Dbです。「演奏力が問われる曲」という印象があるので、Mistyでバラードに慣れてから挑戦するのがおすすめです。自分からコールするより「バラードやりたい人?」の流れで演奏することが多い曲です。
名演・参考音源

最後に参考音源を紹介するぞい。バラードは耳で覚えることが特に大事じゃからのう
Coleman Hawkins — Body and Soul (1939)
ジャズ史上最も重要な録音の一つです。テーマをほぼ崩して即興的に演奏するスタイルは当時革命的で、1973年グラミー殿堂入りを果たしています。まずはこれから聴いてみてください。
John Coltrane — Coltrane’s Sound (1960)
Hawkinsとは全く違うアプローチで、シーツ・オブ・サウンドがバラードの枠を超えていきます。上級者向けです。
Dexter Gordon — Ballads (1961)
Dexterのレイドバックしたテナーが聴けます。フレーズの間の取り方が絶妙で、バラードの「歌い方」を学ぶなら最適です。初心者のコピー素材としても一番取り組みやすい録音です。

まずColemanHawkinsのオリジナルから聴いてみる!

うむ。1939年の録音じゃから音質は古いが、テナーの音色と歌心は今聴いても鳥肌ものじゃぞい。何度も聴いて、フレーズの「間」を体に染み込ませるんじゃ
関連曲ガイド
- Misty コード解析&セッションガイド — バラード入門に最適です。Ebキーで、Body and Soulよりコード進行がシンプルです。
- Stella by Starlight コード解析&セッションガイド — II-V連鎖と転調が多い32小節の曲です。Body and Soulで鍛えた転調への対応力がそのまま活きます。
まとめ

AセクションはDbメジャーのII-V中心、BセクションでDメジャーに転調して、半音下降で戻ってくる…覚えた!

そうじゃぞい。「Db→D→Db」という半音の転調が、この曲の美しさの核なのじゃ

まずはDbメジャーとDメジャーの2スケールで通してみるよ!

うむ、バラードは焦らんことじゃ。音数を減らして、一音一音に気持ちを込めるんじゃぞい。…あとのう、この曲はテーマのメロディがとにかく美しいから、まずテーマを何度も歌ってからソロに取り組むのがいいぞい

歌う!了解!

メロディを知らずにソロを弾いても、曲の表情は出ないからのう。特にバラードではそれが顕著じゃぞい


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