Body and Soul コード解析&セッションガイド

S019 eyecatch スタンダード解析
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Body and Soul コード進行 解析&セッションガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士〜!セッションで「バラードやろう」って言われて、Body and Soulどう?って聞かれたんだけど…

ぽん太博士
ぽん太博士

おお、Body and Soulか!ジャズバラードの最高峰と言われる曲じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

なんかコード進行が難しいって聞いたんだけど…

ぽん太博士
ぽん太博士

Aセクションは実はII-V中心でそこまで複雑じゃないんじゃが、Bセクションの転調がこの曲の山場でのう。順番に見ていこうかい

Body and Soul の基本データ

項目 内容
曲名 Body and Soul(ボディ・アンド・ソウル)
作曲 Johnny Green (1930)
キー Db
フォーム AABA / 32小節
テンポ ♩=55–75
フィール Ballad
セッション頻出度 ★★★★☆
難易度 ★★★☆☆
ぽん太博士
ぽん太博士

1930年にJohnny Greenがロンドンで書いた曲でのう。Paul Whitemanのオーケストラの録音が大ヒットして、1930年のチャートで6週連続1位を記録したのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

1930年って、ほぼ100年前の曲なんだ…

ぽん太博士
ぽん太博士

それだけ長く演奏され続けているということじゃぞい。特にColeman Hawkinsが1939年に録音したテナーサックスのバージョンは、ジャズ史上最も重要な録音の一つと言われておるのじゃ。1973年にはグラミー殿堂入りもしておるぞい


Body and Soul のコード進行と分析

Body and Soul コード進行表
Body and Soul コード進行表
  1. Aセクションの骨格はDbメジャーのII-Vです。冒頭のEbm7→Ab7→Dbmaj7がDbキーのII-V-Iです。1小節目のBb7(b13)はV7/VIでEbm7の前に経由する形です。最初は「Ebm7→Ab7→Dbmaj7」だけ意識すれば十分です。

  2. 4小節目のFm7→Edim7が独特の響きを作ります。Fm7(IIIm7)からEdim7(パッシングディミニッシュ)を経てEbm7へ進みます。ベースラインがF→E→Ebと半音下降し、ディミニッシュが「接着剤」として機能します

ぴょん吉
ぴょん吉

ディミニッシュってよくわからないんだけど…

ぽん太博士
ぽん太博士

深く考えなくていいぞい。ルートが半音で動いているだけじゃからのう。Fm7の次にEdim7を通ってEbm7に行く。ベースラインを「F→E→Eb」と覚えれば、あとは体が勝手についてくるぞい

  1. 6小節目のCm7(b5)→F7(b9)はBbマイナーへのII-Vです。DbキーにBbマイナーのサウンドが一瞬顔を出し、7小節目のBbm7に解決した後、すぐEbm7→Ab7でDbキーのII-Vに戻ります。

  2. 8小節目のEm7→A7がBセクションへの橋渡しですDbから半音上のDメジャーへの転調をII-V(Em7→A7→Dmaj7)で準備するため、耳にはスムーズに聞こえます

ぽん太博士
ぽん太博士

Aセクション全体を一言でまとめると「DbキーのII-V-Iが基本で、途中にBbマイナーのII-Vが挟まる」。それだけの話なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

そう聞くとAセクションはそこまで怖くないかも

ぽん太博士
ぽん太博士

問題はBセクションじゃぞい…

  1. Bセクション(17〜24小節)でDメジャーに転調します。Body and Soul最大の仕掛けです。理論的には「遠い調」ですが、直前のEm7→A7(DキーのII-V)がクッションとなりスムーズに聞こえます。

  2. Bセクション前半(17〜20小節)はDメジャーの世界です。Dmaj7→Em7→Dmaj7/F#と進み、19小節目のF#m7→Bm7→Em7→A7はDキーの逆循環(III→VI→II→V)です。コードが多いですが全てDメジャースケール内に収まっています。

ぴょん吉
ぴょん吉

19小節目、1小節にコード4つもあるの!?

ぽん太博士
ぽん太博士

バラードだからテンポが遅いんで、実際にはそこまで忙しくないぞい。それに全部Dメジャーの中の動きじゃから、Dメジャースケールを弾いていれば音は外れないのじゃ

  1. Bセクション後半(21〜24小節)でDbに戻る準備が始まります。Dm7→G7はCキーのII-Vです。24小節目のC7→B7→Bb7は半音下降のドミナントチェーンで、Bb7(V7/VI)がAセクション冒頭のEbm7に自然に接続します
ぴょん吉
ぴょん吉

C7→B7→Bb7って、半音ずつ下がるの?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。この半音下降のドミナントチェーンが「Dの世界からDbの世界に帰ってくる」合図なのじゃ。耳で聴くと「あ、戻ってきた」とはっきりわかるぞい


Body and Soul のスケールガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士、コード多すぎてスケールが全然わからない…

ぽん太博士
ぽん太博士

バラードだからテンポが遅い分、一つ一つのコードを味わう時間があるんじゃが…最初から全部やろうとすると挫折するぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

じゃあどうすればいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

まずは3つのキーセンターだけ覚えるのじゃ

まずはこれだけ覚える

ぽん太博士
ぽん太博士

Aセクション(1〜8小節、25〜32小節)はDbメジャースケール1発。Bセクションの前半(17〜20小節)はDメジャースケール1発。Bセクション後半(21〜24小節)はCメジャースケールからDbメジャーに戻る。この3つで全体の骨格はカバーできるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

え、3つだけでいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

バラードだからテンポが遅くて、スケール1発でもフレーズを丁寧に歌えばかなりサマになるのじゃ。むしろバラードは「何を弾くか」より「どう弾くか」の方が大事でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

Bセクションの転調が一番怖いんだけど…

ぽん太博士
ぽん太博士

Dメジャーペンタトニックで乗り切るのも手じゃぞい。ペンタなら外れる音がないから安全でのう。バラードのテンポなら、転調ポイントで一度フレーズを切って仕切り直す余裕もあるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

バラードだと切っても不自然にならないもんね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。むしろ音を詰め込みすぎる方がバラードでは禁物なのじゃ

余裕が出たらコードごとに

ぴょん吉
ぴょん吉

3スケールで弾けるようになったら、次は何を意識すればいい?

ぽん太博士
ぽん太博士

よし、セクションごとに見ていこうかのう

Aセクション(1〜8小節):Dbキー

Aセクションのコード進行
Aセクションのコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

Ebm7はEbドリアンが基本じゃのう。Dbメジャースケールと構成音はほぼ同じじゃから、切り替えの負担は少ないぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

1小節目のBb7(b13)は?

ぽん太博士
ぽん太博士

BbオルタードかBbコンディミじゃのう。b13のGb音を意識すると、Ebm7への解決感が出るぞい。ただし最初のうちは無視してEbドリアンで通しても問題ないぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Dbmaj7のところは?

ぽん太博士
ぽん太博士

Dbイオニアンが基本じゃが、リディアン(G音をナチュラルにする)も使えるぞい。3小節目のGb7はGbミクソリディアンじゃが、ここもDbメジャーの音でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

6小節目のCm7(b5)→F7(b9)は?

ぽん太博士
ぽん太博士

ここはBbマイナーのII-Vじゃのう。Cm7(b5)はCロクリアン、F7(b9)はFオルタード。バラードだからここを丁寧に弾くと表情が出るぞい。F7でb9のGb音やb13のDb音を使うとBbm7への解決感がぐっと強まるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

7小節目のBbm7→Ebm7→Ab7は?

ぽん太博士
ぽん太博士

BbエオリアンからEbドリアン→Abミクソリディアン。ここは全部Dbメジャーの音でのう。6小節目だけBbマイナーの色が出て、7小節目ですぐDbの世界に戻る。その「一瞬の陰り」がこの曲の美しさなのじゃ

Bセクション(17〜24小節):Dメジャーへの転調

Bセクションのコード進行
Bセクションのコード進行
ぴょん吉
ぴょん吉

転調セクションのDmaj7、Em7は?

ぽん太博士
ぽん太博士

ここはシンプルじゃぞい。Dmaj7はDイオニアン、Em7はEドリアン。全部Dメジャースケールの音でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

18小節目のGm7→C7って、Dメジャーにない音が入らない?

ぽん太博士
ぽん太博士

いいところに気づいたのう。Gm7のBb音はDメジャーにはないんじゃが、ここは一瞬Fメジャー方面に寄り道するイメージじゃぞい。C7はCミクソリディアンで、Fキーに向かうV7。ただ実際にはFに解決せずF#m7に行くから、一種のフェイントなのじゃ。最初はDメジャースケールで通して、ここだけBb音を入れる、くらいの意識で十分じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

21小節目のDm7→G7は?

ぽん太博士
ぽん太博士

CキーのII-Vじゃのう。Dドリアン→Gミクソリディアン。Dメジャーとの違いはF#がFナチュラルになるだけじゃから、切り替えは意外と楽じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

24小節目のC7→B7→Bb7は?

ぽん太博士
ぽん太博士

ここは各コードにミクソリディアンを当てるのが基本じゃが、半音下降のラインが大事なのでコードトーンのルートを追いかけるだけでも十分じゃぞい。C→B→Bbとルートを半音で下げていけば、自然にDbのAセクションに着地するのじゃ


演奏時のポイント

イントロ: ラスト4小節(Bbm7→Ebm7→Ab7→Dbmaj7)をイントロにするか、ピアノがDbmaj7をルバートで2〜4小節弾いてテーマに入るのが一般的です。

ぴょん吉
ぴょん吉

ルバートって、自由にやっていいってこと?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなんじゃが、「自由すぎて何していいかわからない」のが初心者の壁でのう。最初はII-V-Iのイントロを決めテンポで弾く方が安全じゃぞい

テンポとフィール: ♩=60前後のスローバラードが多く、ドラムはブラシが基本です。音と音の間の空白がバラードの命です。

アウトロ: Dbmaj7でリタルダンドして終わるのが最多です。Dbmaj9やDb6/9で止めると余韻が残ります。


実践で使えるTips

ソロの回し方: ソロは1〜2コーラスが標準です。テンポが遅いため少ないフレーズでも歌心があれば聴かせられる反面、音を詰め込みすぎるとバラードの雰囲気を壊します。

Bセクションの転調で迷子にならないために: Em7→A7が聞こえたら「次はD」、C7→B7→Bb7の半音下降が聞こえたら「Dbに戻る」。この2つの目印を体に覚えさせれば転調は怖くありません。バラードのテンポなら転調点で一度フレーズを切る余裕がありますし、堂々と間を空けた方が音楽的です。

ぴょん吉
ぴょん吉

バラードだから間を空けてもいいんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

バラードではむしろ「間」こそが一番の表現なのじゃ。Miles Davisがこの曲を演奏するとき、ほとんど音を弾いていない瞬間がある。でもそこに感情が詰まっているぞい

コール方法: 「Body and Soul」で通じます。キーはほぼ100% Dbです。「演奏力が問われる曲」という印象があるので、Mistyでバラードに慣れてから挑戦するのがおすすめです。自分からコールするより「バラードやりたい人?」の流れで演奏することが多い曲です。


名演・参考音源

ぽん太博士
ぽん太博士

最後に参考音源を紹介するぞい。バラードは耳で覚えることが特に大事じゃからのう

Coleman Hawkins — Body and Soul (1939)

ジャズ史上最も重要な録音の一つです。テーマをほぼ崩して即興的に演奏するスタイルは当時革命的で、1973年グラミー殿堂入りを果たしています。まずはこれから聴いてみてください。

John Coltrane — Coltrane’s Sound (1960)

Hawkinsとは全く違うアプローチで、シーツ・オブ・サウンドがバラードの枠を超えていきます。上級者向けです。

Dexter Gordon — Ballads (1961)

Dexterのレイドバックしたテナーが聴けます。フレーズの間の取り方が絶妙で、バラードの「歌い方」を学ぶなら最適です。初心者のコピー素材としても一番取り組みやすい録音です。

ぴょん吉
ぴょん吉

まずColemanHawkinsのオリジナルから聴いてみる!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。1939年の録音じゃから音質は古いが、テナーの音色と歌心は今聴いても鳥肌ものじゃぞい。何度も聴いて、フレーズの「間」を体に染み込ませるんじゃ


関連曲ガイド


まとめ

ぴょん吉
ぴょん吉

AセクションはDbメジャーのII-V中心、BセクションでDメジャーに転調して、半音下降で戻ってくる…覚えた!

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。「Db→D→Db」という半音の転調が、この曲の美しさの核なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

まずはDbメジャーとDメジャーの2スケールで通してみるよ!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ、バラードは焦らんことじゃ。音数を減らして、一音一音に気持ちを込めるんじゃぞい。…あとのう、この曲はテーマのメロディがとにかく美しいから、まずテーマを何度も歌ってからソロに取り組むのがいいぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

歌う!了解!

ぽん太博士
ぽん太博士

メロディを知らずにソロを弾いても、曲の表情は出ないからのう。特にバラードではそれが顕著じゃぞい

コメント

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