Satin Doll コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!Satin Dollっていう曲、セッションでよく聞くんだけど、どんな曲なの?

おお、Satin Dollか。エリントンの代表曲の一つで、セッションでは超定番じゃぞい

難しいの?

いやいや、構造がシンプルでII-Vの練習台としてこれ以上ない曲なのじゃ。一緒に見ていこうかのう
Satin Doll の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Satin Doll(サテン・ドール) |
| 作曲 | Duke Ellington / Billy Strayhorn (1953) |
| 作詞 | Johnny Mercer |
| キー | C |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=120–160 |
| フィール | Medium Swing |
| セッション頻出度 | ★★★★★ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |

Duke EllingtonとBilly Strayhornの共作でのう。1953年にキャピトル・レコードから出した曲なのじゃ。歌詞はJohnny Mercerが後から付けたんじゃぞい

EllingtonとStrayhorn、名コンビだね!

うむ。この曲はEllingtonのライブで必ずラストに演奏されるくらい、本人にとっても特別な曲だったらしいのう。全編II-Vで出来ている、ある意味ジャズの教科書みたいな曲なのじゃ
Satin Doll のコード進行と分析

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Aセクション(1〜8小節)はII-V連鎖の見本市。1〜2小節がDm7→G7(CキーのII-V)、3〜4小節がEm7→A7(DキーのII-V)。解決しないまま次のII-Vに進むのがこの曲最大の特徴で、メロディの推進力が不安定さを打ち消しています。
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5小節目のAm7→D7はGキーのII-Vで、やはり解決しません。6小節目のAbm7→Db7は半音下のクロマティックII-Vで、CキーのサブV(裏ドミナント)としても機能。この半音下降がSatin Dollのおしゃれなサウンドの正体です。

解決しないII-Vが連続するって、なんかモヤモヤしない?

そこが面白いところでのう。解決しないからこそ、ずっとふわっとした浮遊感があるんじゃぞい。エリントンの曲はこういう仕掛けが多いんじゃ
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7〜8小節目がターンアラウンド。Cmaj7→F7でトニックに着地し、1カッコはEm7→A7で頭に戻し、2カッコはCmaj7で落ち着きます。
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Bセクション(17〜24小節)はFメジャーの世界。Gm7→C7→Fmaj7でようやくII-Vが素直にI度へ解決し、Aセクションの浮遊感との対比を生む。21〜22小節のAm7→D7(GキーのII-V)から、G7(CキーのV7)を経由してAセクションに戻ります。

BセクションでII-Vがちゃんと解決するのは、Aセクションのフラストレーションを解消する効果があるんじゃのう

なるほど、溜めて溜めて、Bで一回スッキリするわけだ!

その通りじゃぞい。AABA形式の「B」にコントラストを持たせるのはスタンダードの常套手段なのじゃ
Satin Doll のスケールガイド

博士、コード進行はわかった!で、アドリブはどうすればいいの?

ふむ。この曲はII-Vの連続じゃから、スケールの考え方もシンプルなんじゃぞい

シンプルって言われると安心する!

まずは一番楽なアプローチから教えてやるのう
まずはこれだけ覚える

AセクションはCメジャースケール1発でほぼいけるぞい。Dm7→G7もEm7→A7も、Cメジャーの構成音でカバーできるんじゃ

え、全部Cメジャー?Em7→A7はDキーのII-Vなのに?

厳密に言えばそうなんじゃが、Em7→A7が解決しない以上、Cメジャーで弾いても違和感がほとんどないんじゃぞい。A7の上でC#が入れば「おっ」となるが、最初は無理しなくていいのじゃ

じゃあBセクションは?

BセクションはFメジャースケールに切り替えるんじゃ。Gm7→C7→Fmaj7はFキーのII-V-Iじゃからのう。21小節目からはGメジャースケールに戻して、23小節目のG7でCメジャーに帰る準備をするぞい

AはCメジャー、BはFメジャー→Gメジャー、って感じか!

うむ、ざっくりそれで通せるぞい。まずは3スケールで全体を回す感覚を掴むのが先じゃぞい
余裕が出たらコードごとに

3スケールで弾けるようになったら、次はどうする?

II-Vごとにスケールを切り替えると、もっとジャズっぽくなるんじゃのう。ここからが面白いところじゃぞい
Aセクション(1〜8小節):CキーのII-V連鎖


まず1〜2小節のDm7→G7。Dm7はDドリアン、G7はGミクソリディアン。この2つはCメジャースケールの構成音が同じじゃから、実質Cメジャーで弾いているのと同じなんじゃ

やっぱりCメジャーじゃん!

ここはそうなのじゃ。差が出るのは3〜4小節のEm7→A7でのう。Em7はEドリアン、A7はAミクソリディアン。ポイントはC#の音じゃぞい

C#?

Aミクソリディアンの3度がC#なんじゃ。A7の上でC#を入れるとDキーの色が出て、フレーズがグッと引き締まるぞい。逆にCナチュラルのままだと少しぼやけるんじゃのう

C#を意識するだけで変わるんだ!

5小節目のAm7→D7はAドリアン→Dミクソリディアン。これはGメジャースケールの構成音じゃのう。F#がポイントになるぞい

6小節目のAbm7→Db7は?

ここが一番クセのあるところじゃぞい。Abドリアン→Dbリディアンb7、あるいはDbオルタードで処理する方法もあるのう。最初はAbマイナーペンタトニックで乗り切るのが一番安全じゃぞい

ペンタなら手に馴染んでるから助かる!

7小節目のCmaj7はCイオニアンかCリディアン。F7はFミクソリディアンじゃが、ここはほぼ経過的にサッと通り過ぎるから、あまり考え込まなくていいぞい
Bセクション(17〜24小節):Fメジャーへ


Bセクションのスケールは?

Gm7→C7→Fmaj7は全部Fメジャーの音で弾けるぞい。Gm7はGドリアン、C7はCミクソリディアン、Fmaj7はFリディアンかFイオニアン。全部Fメジャースケールの構成音なのじゃ

Aセクションと同じ考え方だね。II-V-Iのキーのメジャースケールで弾けばいいと

その通りじゃぞい。21〜22小節のAm7→D7はGキーのII-Vじゃから、Gメジャースケールに切り替えるのう

23〜24小節のG7は?

ここはCキーのドミナントじゃから、Gミクソリディアンが基本じゃのう。余裕があればGオルタードやGコンディミを使うと、Aセクションへの解決感が増すぞい。ただ最初はミクソリディアンで十分じゃぞい
ラストAセクション(25〜32小節)


ラストAは最初のAとほぼ同じじゃぞい。ソロの最終コーラスだと7〜8小節目のターンアラウンドを省略してCmaj7で止めることもあるのう

繰り返しなら覚えやすいね!

うむ。AABAの曲はAを覚えれば全体の75%終わりじゃからのう。Satin Dollの場合、Aセクションの8小節をしっかり身体に入れることが一番大事じゃぞい
演奏時のポイント
イントロ: Aセクション冒頭のDm7→G7 | Em7→A7を4小節ほどヴァンプしてからテーマに入るのが定番。カウントから直接テーマに入ることもあります。

イントロ、Dm7→G7のヴァンプでいいんだ!

シンプルが一番じゃぞい。リズムセクションがスウィングの感じを提示して、テーマ奏者が入りやすくしてやるのが大事なのじゃ
テンポとフィール: セッションでは♩=130〜140が多く、ミディアム・スウィングが基本。4ビートで、テーマのバッキングを2フィール気味に弾くピアニストも多いです。
アウトロ: テーマ最後のCmaj7で止めるのが一般的。Dm7→G7→Cmaj7をrit.で弾くか、Cmaj7をフェルマータで伸ばすかの二択が多いです。
実践で使えるTips
ソロの回し方: 32小節でII-Vの繰り返しが多いためソロは組み立てやすく、2〜3コーラスが標準。Bセクション直前でフレーズの雰囲気を変えると、フォームを追っている感がバンドにも伝わります。
II-Vリックの使い回し: Dm7→G7で弾いたフレーズを全音上げてEm7→A7にトランスポーズする練習に最適な曲。最初は1つのリックを全II-Vに当てはめるだけでも十分サマになります。

同じリックを移調して使い回していいの?

むしろそれがこの曲の正しい練習法じゃぞい。プロだってやっておるのう。まずは1フレーズを全キーで弾けるようにしてから、バリエーションを増やせばいいのじゃ
コール方法: 「Satin Doll」で100%通じます。キーはほぼCで固定。ボーカルセッションではキーが変わることもあるので確認を。Take The A Trainと同じくエリントン・ナンバーの超定番で、セッション1回目から安心してコールできます。
名演・参考音源

最後に参考になる音源を紹介しておくぞい。この曲はいろんなスタイルの演奏があるから、複数聴き比べると面白いのじゃ
Duke Ellington — Satin Doll (1953)
本家本元のEllington楽団オリジナル録音。スウィング・ビッグバンドのゴージャスなサウンドで、テーマのメロディとコード進行を耳で覚えるなら最初に聴くべき1曲です。
Wes Montgomery — Satin Doll
ギターで聴くならWes Montgomery。オクターブ奏法が美しく、テンポも落ち着いていてコード進行を追いながら聴くのにちょうどいい演奏です。
Ella Fitzgerald & Duke Ellington — Satin Doll
ボーカル入りならこれ。Ellaのスキャットとエリントン楽団のコンビネーションが絶品。歌モノセッションの雰囲気を掴むのに最適です。

まずEllingtonのオリジナルから聴いてみる!

うむ、何回も聴いてII-Vの響きを体に染み込ませるんじゃぞい
関連曲ガイド
Satin Dollを練習したら、次の曲もチェックしてみてください。
- Fly Me To The Moon コード解析&セッションガイド — 同じくII-V-I中心の構造。覚えたII-Vリックをそのまま活かせます。
- Take The A Train コード解析&セッションガイド — 同じエリントン・ナンバーの超定番。セットで覚えるとセッションの引き出しが増えます。
まとめ

II-Vの連続って聞くと構えちゃったけど、同じパターンの繰り返しだからむしろ覚えやすいんだね

そうじゃろう。1つのII-Vリックを全キーで回す練習をしておけば、この曲は怖くないぞい

よし、まずDm7→G7のリックを1個しっかり覚えて、それを移調する練習からやってみる!

うむ、いい作戦じゃのう。6小節目のAbm7→Db7だけちょっと手強いから、そこだけ重点的にさらうんじゃぞい

了解!セッション行ってくる!

…Em7→A7のC#、忘れるなよ

あっ、メモメモ…!


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