iReal Proの使い方 ― セッション前の練習が変わるアプリ活用術

c005-eyecatch セッションコラム
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ぴょん吉
ぴょん吉

ぽん太博士、セッションの曲を練習したいんだけど、一人で練習するときってどうしてるの?

ぽん太博士
ぽん太博士

iReal Proは使っておるかの?

ぴょん吉
ぴょん吉

名前は聞いたことあるけど、まだ入れてない。YouTubeでバッキングトラック探して練習してるよ

ぽん太博士
ぽん太博士

ワシも昔はそうじゃった。でもYouTubeだとテンポ変えられんし、キーも固定じゃろ。iReal Proを使い始めたら練習の効率がまるで変わるぞい

自分がセッションの練習を始めたころ、YouTubeで「Autumn Leaves backing track」と検索してヒットした動画に合わせて弾く、というのをずっとやっていました。これはこれで楽しいんですが、テンポが速すぎてついていけなかったり、キーが合わなかったりして、かなり不便だった記憶があります。「もうちょっとゆっくりのバッキングないかな……」と毎回探し回っていました。

そんなときに、セッション仲間から「iReal Pro使ってないの?」と言われて導入したのがきっかけです。正直、もっと早く知りたかった。今ではセッション前の練習で毎回使っています。

iReal Proとは

iReal Proは、iOS/Android対応の有料アプリ(買い切り)です。ざっくり言うと「自分専用のバッキングバンドを呼び出せるアプリ」。コード譜を表示して、そのコード進行に合わせたベース・ドラム・ピアノのバッキングを自動生成して鳴らしてくれます。

何がすごいかというと、テンポもキーも自由に変えられて、1300曲以上のジャズスタンダードのコード譜がコミュニティから無料でダウンロードできるということ。セッションで出てくるような定番曲はほぼ網羅されています。

実際、セッション現場でスマホにiReal Proを入れていて、知らない曲が来たらサッと検索してコード譜を表示している人もけっこういます。リアルブック(紙の楽譜集)を持ち歩かなくて済むのも地味に助かるポイントです。

ぴょん吉
ぴょん吉

1300曲!? そんなにあるの?

ぽん太博士
ぽん太博士

コミュニティで作られたプレイリストをダウンロードできるんじゃ。最初にJazz 1300パックを入れておけば、当面困ることはないぞい

最初にやるべき設定

アプリをインストールしたら、まず最初にやっておくべきことが3つあります。

1. Jazz 1300パックのダウンロード

アプリを開いたら「Forum」(フォーラム)のセクションに行って、「Jazz 1300」というプレイリストを検索してダウンロードします。これでセッション定番曲のコード譜が一括で手に入ります。この手順を飛ばすと曲が入っていない状態なので、最初にやっておくのが大事です。

2. テンポの変え方を覚える

画面下部にテンポ表示があって、タップすると数値を変更できます。練習のコツは、まず♩=100〜120くらいのゆっくりしたテンポから始めて、慣れてきたら10BPMずつ上げていくこと。いきなり本番テンポで練習すると、コードチェンジを追えなくてストレスになります。

3. スタイルの選択

バッキングのスタイルをSwing、Bossa Nova、Ballad、Latin……と切り替えられます。曲に合ったスタイルを選ぶと、実際のセッションに近い雰囲気で練習できます。たとえばBlue BossaならBossa Novaを、Autumn LeavesならSwingを選ぶ、という感じです。

移調楽器(テナーサックスやトランペットなど)のプレイヤーは、トランスポーズ機能も確認しておくといいです。画面上部の曲名付近にキー表示があって、そこからワンタップでキーを変更できます。Bbの楽器なら全音上に移調すればOKです。

ぴょん吉
ぴょん吉

スタイルを変えるとけっこう雰囲気変わるの?

ぽん太博士
ぽん太博士

まったく別物になるぞい。同じ曲でもSwingとBossaではドラムもベースラインも違うからの。曲のフィールに合ったスタイルで練習する癖をつけるとよいぞ

セッション前の練習法

iReal Proがあると、セッション前の練習に「手順」が作れます。自分がやっている流れを書いてみます。

ステップ1: コード譜を見ながら通す

テンポを落として(♩=100くらい)、コード譜を目で追いながらバッキングを流します。楽器は弾かなくてもOK。コードが切り替わるタイミングを体に入れるのが目的です。

ステップ2: テーマ(メロディ)を弾く

バッキングに合わせてテーマのメロディを弾いてみます。リアルブックやネット上の譜面を見ながらでOK。コード譜だけだとメロディがわからないので、別途メロディの譜面は必要です。テンポは引き続きゆっくりで。

ステップ3: ソロの練習

ここが一番長く時間を使うところです。最初からかっこいいフレーズを弾こうとしなくて大丈夫。コードトーン(ルート・3rd・5th・7th)をコードチェンジに合わせて弾くだけでも、立派なソロ練習になります。コードトーンに慣れたら、ペンタトニックスケールやドリアンスケールを混ぜていく、という段階的な進め方がおすすめです。

ぴょん吉
ぴょん吉

コードトーンだけで弾いてもソロっぽくならないんだけど……

ぽん太博士
ぽん太博士

リズムを変えるだけでもだいぶ印象が変わるぞい。全音符でベターっと弾くんじゃなくて、休符を入れたり、裏拍で入ったり。音の選び方よりリズムのほうが最初は効くんじゃ

ステップ4: テンポを上げる

ステップ1〜3がこなせるようになったら、10BPMずつテンポを上げます。セッション本番のテンポまで持っていくのが目標。自分の場合、1回の練習で上げるのは20〜30BPMが限界でした。

ステップ5: 暗記テスト

最後に、iReal Proの画面を隠して弾けるか試します。セッション本番ではコード譜を見ずに弾けるのが理想です。全部覚えていなくても、「Aセクションの流れは頭に入ってるけど、ブリッジがちょっと怪しい」くらいまで把握できれば、次の練習で重点的にやるポイントが見えてきます。

ジャムセッション初心者の選曲術で紹介しているような定番曲から始めると、この5ステップが回しやすいです。

セッション現場での活用

練習だけでなく、セッション現場でもiReal Proは使えます。

一番ありがたいのが、知らない曲のコード譜を即座に確認できること。「次、○○やりましょう」と言われて知らない曲でも、サッと検索すればコード進行が出てきます。自分もこれに何度助けられたかわかりません。

歌モノセッションでは、ボーカリストから「キーを変えてほしい」と言われることがあります。そんなときもトランスポーズ機能でワンタップ。原曲キーから半音下げ、全音下げ……と試しながらボーカリストに合ったキーを探せます。

ただし注意点がひとつ。セッション中にiReal Proの画面をガン見するのはあまり歓迎されません。アイコンタクトやソロの受け渡しが見えなくなるからです。スマホスタンドを譜面台の横に置いて、チラッと確認するくらいがちょうどいいと思います。

ぴょん吉
ぴょん吉

セッション中にスマホいじってたら怒られない?

ぽん太博士
ぽん太博士

コード確認してるのはみんなわかっておるから大丈夫じゃ。ただ、ずーっと画面を見て弾いておると「覚えてきてほしいな」と思われることもあるかもしれんぞい。あくまで補助的に使うのがマナーじゃ

まとめ ― まず1曲をiReal Proで仕上げてみる

iReal Proは、セッション前の練習を組み立てるうえで本当に頼りになるアプリです。テンポを自由に変えられるだけでも、YouTubeのバッキングトラックとは練習の質がまったく違います。

おすすめの始め方はシンプルで、Blue Bossaあたりの定番曲を1曲選んで、この記事で書いた5ステップで仕上げてみること。1曲通して弾けるようになったら、「セッション怖い」を克服する3つの方法でも書いたとおり、それだけでセッションに行く自信になります。

ぴょん吉
ぴょん吉

よし、まずはアプリ入れてBlue Bossaから始めてみるよ

ぽん太博士
ぽん太博士

それがいいぞい。テンポはゆっくりからじゃぞ。焦らずやるんじゃ

コメント

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