
ぽん太博士、ぼく……セッション行きたい気持ちはあるんだけど、どうしても怖くて

ほう。何が怖いんじゃ?

全部。下手なのバレるし、曲わからないし、場違いだったらどうしようって……

ワシも最初はそうじゃったぞい。お店の前でうろうろして、結局入らずに帰ったこともある

え、博士でも!?

誰でも最初は怖いんじゃ。大事なのは「怖い」の中身をちゃんと見てやることじゃぞい
「ジャムセッションに行ってみたい。でも怖い」――この気持ち、すごくわかります。自分も最初の半年くらいは、お店の前まで行って10分うろうろして、結局入れずに帰る、ということを何回かやりました。ドアの向こうから聴こえてくるガチな演奏に「自分のレベルで入ったら迷惑だろ」と思って引き返す。あの感覚は今でも覚えています。
ただ、振り返ると「怖い」の中身は分解できて、それぞれに対処法があります。精神論で「勇気を出せ」と言うつもりはありません。自分がやってみて「これでハードルが下がった」と感じた方法を3つ書いていきます。
「怖い」の正体を分解してみる
「セッション怖い」と一口に言っても、よく考えるとその中身はバラバラです。自分の場合、最初の「怖い」を分解してみたらだいたいこの4つに行き着きました。
「下手だと思われるのが怖い」
これが一番大きかった気がします。でも実際にセッションに通い始めてわかったのは、常連さんは初心者を見て「下手だな」とは基本的に思っていないということ。むしろ「お、新しい人が来た」くらいの感覚です。上級者も全員かつては初心者だったわけで、自分が思っているほど他人は自分の演奏を気にしていません。
「曲を知らないのが怖い」
これは準備で対処できます。全曲知っている必要はなくて、3曲あれば十分です。選曲の考え方はジャムセッション初心者の選曲術にまとめてあるので、参考にしてみてください。
「ルールがわからなくて怖い」
カウントの出し方、ソロの順番、エンディングの合図……知らないと確かに怖いです。ただ、これも事前に知識として入れておけばだいぶ楽になります。初セッションで恥をかかない暗黙ルールで一通り書いているので、行く前に目を通しておくだけでも違います。
「失敗するのが怖い」
正直に言うと、セッションで失敗しない人はいません。プロでもミスります。コードを見失う、テーマのメロディを間違える、エンディングの合図を見逃す――全部日常茶飯事です。そして、失敗しても曲は止まりません。周りが合わせてくれて、なんとなく終わります。

分解してみると、全部がぼんやり混ざって「怖い」になってた感じがする

そうじゃろ。ひとかたまりの「怖い」は手が出せんが、バラしてしまえば一個ずつ潰せるんじゃ
「怖い」を具体的な不安に変換できれば、それぞれ個別に対処できます。漠然とした恐怖のまま抱えているのが一番もったいない状態です。
方法1: 初心者歓迎セッションを選ぶ
いきなりガチのセッションバーに突撃する必要はありません。日本のジャムセッションには「初心者歓迎」を明記しているお店がけっこうあります。自分が最初に入れたのも、ネットで「初心者OK」と書いてあるお店でした。
初心者歓迎セッションには共通する特徴があります。
- ホストが曲を選んでくれる、または「この中からどれがいい?」と候補を出してくれる
- テンポがゆっくりめに設定されている
- ソロのコーラス数もホストが調整してくれる(「1コーラスでいいよ」と言ってくれたりする)
- 参加者同士の会話が多くて、雰囲気が柔らかい
探し方としては、「ジャムセッション 初心者歓迎 ○○(地域名)」で検索するのが手っ取り早いです。X(Twitter)でセッション情報を発信しているお店も多いので、SNSも使えます。

初心者歓迎じゃないセッションに間違えて行っちゃったらどうしよう……

まあ、行ってしまっても追い返されることはないぞい。でも最初の1回は、事前に「初心者でも大丈夫ですか」とお店に聞いてから行くのが安心じゃ
もうひとつ、現場で効くのが「初めてなんです」と伝えることです。受付のときでも、ホストに声をかけられたときでも、この一言を言うだけで周りがかなり気を使ってくれます。曲を選んでくれたり、テンポを落としてくれたり、ソロの長さを短くしてくれたり。遠慮せず言ってしまったほうがお互いにやりやすいです。
いきなり上級者の集まるセッションに行かない。初心者歓迎の場所で「セッションってこんな感じか」を掴むのが先です。
方法2: 1曲だけ完璧にして行く
「たくさん曲を覚えないとセッションには行けない」と思いがちですが、最初は1曲で十分です。1曲だけでいいから、本当に仕上げてから行く。
おすすめの1曲目はBlue Bossaです。16小節と短く、ボサノバなのでテンポも落ち着いていて、コード進行がシンプル。セッションでの知名度も抜群で、「Blue Bossaできます」と言って「知らない」と返されることはまずありません。
ブルースが好きならBillie’s Bounceもいい選択肢です。12小節の循環なので、形を覚えてしまえば迷いにくいです。
「完璧にする」の基準はこのあたりです。
- コード進行を暗記している(譜面を見なくても弾ける)
- テーマ(メロディ)が弾ける
- 簡単なアドリブのフレーズを2〜3個持っている
- iReal Proで一人で通して練習している

1曲だけでいいの? 物足りなくない?

逆じゃ。1曲を本当にモノにしてあるのは、めちゃくちゃ心強いぞい。「少なくともこの曲なら戦える」という支えがあると、緊張のレベルがだいぶ違うんじゃ
100曲うっすら知っているより、1曲完璧のほうがセッションでは強いです。「この曲なら弾ける」という確信が1つあるだけで、お店のドアを開ける勇気が出ます。
方法3: 聴き専で場に慣れる
実は、ほとんどのセッションバーは「聴くだけ」でも入れます。楽器を持っていなくても、ドリンクだけ頼んで他の人の演奏を聴いているだけでOK。お店にとってはお客さんですし、演奏する側も聴いてくれる人がいると嬉しいものです。
聴き専で行くメリットは意外と多いです。
- お店の雰囲気がわかる。ガチ系なのか、ゆるい系なのか。自分に合いそうか
- セッションの流れを目で見て学べる。カウントの出し方、ソロの回し方、エンディングの合図――文章で読むのと実際に見るのでは理解度が全然違います
- 常連さんと顔見知りになれる。2回目に行ったとき「あ、この前も来てた人だ」と覚えてもらえる。これが地味に大きい
- 「次は弾いてみない?」と声をかけてもらえることもある。自然な流れで参加できるきっかけになります

聴いてるだけで浮かない? 「弾かないの?」ってプレッシャーかけられたりしない?

普通はそんなことないぞい。お店の人も心得ておるから、無理に弾かせるようなことはせんよ。ただ、居心地が良くなってきたら「やってみます」と言ってみるのも一つじゃぞい
1〜2回聴き専で通ってから参加すると、初回のハードルがかなり下がります。「あのお店はこういう雰囲気で、あの人がホストで、セッションの流れはこんな感じ」と把握してから弾くのと、何も知らない状態で飛び込むのでは、緊張度がまるで違います。
まとめ ― 最も安全なルート

3つの方法、全部やらなくても大丈夫?

もちろんじゃ。どれか1つでいいし、組み合わせてもいい。自分に合うやり方を選べばいいんじゃぞい
「セッションが怖い」のは誰もが通った道です。自分の経験から言うと、一番ハードルが低いルートはこれでした。
- 聴き専で1回行ってみる → お店の空気を掴む
- 1曲を完璧に仕上げる → Blue Bossaあたりがおすすめ
- 初心者歓迎セッションに参加する → 「初めてです」と伝える
3回通えば「あ、セッションってこういう感じか」とわかってきます。自分もそうでした。怖いまま何もしないのが一番もったいない。まずはお店のドアの前に立つところからで十分です。

よし……今度の週末、まずは聴きに行ってみようかな

それでいいんじゃ。聴きに行くだけでも立派な一歩じゃぞい


コメント