Someday My Prince Will Come コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!セッションでワルツやってみたいんだけど、おすすめの曲ある?

ワルツか!それならSomeday My Prince Will Comeが一番の入門曲じゃぞい

え、白雪姫の曲じゃん!あれジャズの曲なの?

もともとはディズニー映画の曲なんじゃが、Miles Davisが1961年にアルバムタイトルにしたことでジャズスタンダードとして定着したのじゃ。それ以来、ジャズワルツの代名詞的な存在でのう
Someday My Prince Will Come の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Someday My Prince Will Come(いつか王子様が) |
| 作曲 | Frank Churchill (1937) |
| キー | Bb |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=140–200 |
| フィール | Jazz Waltz (3/4) |
| セッション頻出度 | ★★★★☆ |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |

Frank Churchillが1937年のディズニー映画「白雪姫」のために書いた曲でのう。ジャズとしてはDave Brubeckが1957年の「Dave Digs Disney」で取り上げたのが最初と言われておるぞい

3拍子って難しそう…

最初はそう感じるかもしれんが、コード進行自体はBbメジャーのシンプルな構造なのじゃ。3拍子に慣れることさえできれば、むしろ弾きやすい部類の曲じゃぞい
Someday My Prince Will Come のコード進行と分析

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Aセクション冒頭のBbmaj7→D7(#5)がこの曲のシグネチャー。D7(#5)はV7/VI(セカンダリードミナント)で、Ebmaj7→G7(b9)→Cm7へ向かうラインを形成。
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5〜8小節目はCm7→G7(b9)→Cm7→F7。BbキーのIIm7を軸にした動きで、G7(b9)はCm7へのセカンダリードミナント(V7/II)で、Aセクション全体の推進力を担う。最後のF7(V7)がBbmaj7への帰還を準備します。

G7(b9)ってよく出てくるね

この曲のAセクションで2回ずつ出てくるキーコードなのじゃ。Cm7に向かう「引力」の役割をしていて、これがAセクションの推進力になっておるのじゃのう
- BセクションはDm7→C#dim7→Cm7→F7の繰り返し。C#dim7はパッシングディミニッシュで、ルートD→C#→Cの半音下降。A7(V7/II)の代理とも解釈可能。

パッシングディミニッシュって?

隣り合うコードを半音の動きでなめらかに接続するディミニッシュコードのことじゃぞい。Dm7→C#dim7→Cm7で、ルートがD→C#→Cと半音ずつ下がるのが聴こえるかのう

ああ、それは聴けばわかるかも!
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最後のAセクション(Cセクション)は冒頭が異なる。Fm7→Bb7→Ebmaj7はEbキーへのII-V-Iで、続くEdim7がパッシングディミニッシュとしてBbmaj7/Fへ半音接続(Eb→E→F)。
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5〜8小節目はBbmaj7/F→G7→Cm7→F7で、通常のAセクションと同じターンバックです。

全体を俯瞰すると、Bbメジャーキーの中でセカンダリードミナントとパッシングディミニッシュが味付けをしている構造じゃのう。転調がないからコード進行としてはかなり親切な曲なのじゃ

転調なしは安心する!
Someday My Prince Will Come のスケールガイド

博士、スケールは何を弾けばいいの?

この曲のいいところは、基本的にBbメジャースケール1発でかなりいけるところじゃぞい

本当に?

転調がないからのう。まずは1スケールで通して、そこからポイントを広げていくのがおすすめじゃ
まずはこれだけ覚える

Someday My Prince Will ComeはBbメジャーキーの曲じゃから、Bbメジャースケール(Bbイオニアン)を基本に弾けば、全32小節を通すことができるぞい

1スケールで全部いけるの!?

D7(#5)やG7(b9)のところで少し音が外れる可能性はあるんじゃが、テンポが速めのワルツだから1音が一瞬で過ぎるのでのう。最初のうちはBbメジャースケールで堂々と弾いた方が、リズムに集中できて結果的にいい演奏になるぞい

リズムに集中って大事だよね。特にワルツだと

その通りじゃぞい。3拍子に慣れないうちにスケールも変えようとすると、両方中途半端になるからのう。まずは3拍子のフィールをしっかり出すことが先決じゃ

よし、まずBbメジャー1発で練習する!

ペンタトニックも使えるぞい。Bbメジャーペンタトニック(Bb C D F G)は外れる音がないから、ワルツのフィールに慣れる練習にはもってこいなのじゃ
余裕が出たらコードごとに

Bbメジャー1発に慣れたら、次は何を覚えればいい?

よし、セクションごとに見ていこうかのう
Aセクション(1〜8小節):Bbメジャーキー


Bbmaj7はBbイオニアンが基本じゃのう。リディアン(E音を使う)も響きが綺麗じゃが、メロディとぶつかる箇所があるから注意じゃぞい

D7(#5)のところは?

D7(#5)はDオルタードスケールが定番じゃのう。Eb、F、Gb、Ab、Bb、Cという音が入るから、実はBbメジャースケールとかなり音が重なるのじゃ。だからBbメジャー1発でもそこまで外れないんじゃぞい

なるほど、だから1スケールで通せるのか

Ebmaj7はEbリディアン(A音を使う)がおすすめじゃのう。EbイオニアンだとBbmaj7と全く同じ音になるから、リディアンで少し色を変えると面白いぞい

G7(b9)はどうすればいい?

G7(b9)はGコンビネーション・オブ・ディミニッシュ(Gコンディミ)がおすすめじゃぞい。G Ab Bb B C# D E Fという半音-全音の繰り返しで、b9のAbを自然に含む。Gオルタードでもいいんじゃが、Cm7への解決感はコンディミの方が強く出るぞい

Cm7は?

CドリアンじゃのぅCドリアンはBbメジャースケールと同じ音(モードが違うだけ)じゃから、Bbメジャーで弾いてる感覚のままCをルートにするだけで自然にフィットするぞい

ワルツでモードとか考える余裕あるかな…

最初はなくて当然じゃぞい。まずコードトーンのC Eb G Bbを意識して弾くだけで十分サマになる。スケールは後からでいいのじゃ
Bセクション(17〜24小節):パッシングディミニッシュ


Bセクションのディミニッシュはどう弾けばいいの?

C#dim7にはC#ディミニッシュスケール(半音-全音の繰り返し)を当てるのが教科書的なんじゃが、実用的にはDm7からCm7への経過としてBbメジャースケールのままクロマチックに下がるフレーズで十分じゃぞい

クロマチックでいいの?

ディミニッシュコードは1拍しかないからのう。スケールを意識するより、D→C#→Cとルートの半音下行を意識した方が音楽的に自然なのじゃ

Dm7はDドリアンでいいの?

Dフリジアンが教科書的にはIIIm7に対応するスケールなんじゃが、フリジアンはb2(Eb音)が暗くなりすぎるから、実際にはDドリアンで弾くプレイヤーが多いぞい。BbメジャースケールのままD音から弾き始めても問題ないのじゃ
最後のAセクション(25〜32小節):Ebへの借用


最後のAセクションだけちょっと違うんだよね?

そうじゃのう。Fm7→Bb7→Ebmaj7の部分はEbキーへのII-V-Iになっておるのじゃ。FドリアンからBbミクソリディアン、そしてEbリディアンという流れじゃが…

また覚えること増えるの?

安心せい。FドリアンもBbミクソリディアンもEbリディアンも、全部Bbメジャースケールと同じ音なのじゃ。BbメジャースケールはEbメジャーの第5音から始めたものと同じじゃからのう

えっ、じゃあ結局Bbメジャースケールのままでいいの?

その通りじゃぞい。この曲が「1スケールで通せる」と言われる理由がまさにこれなのじゃ。Edim7のところだけE音をルートにしたディミニッシュを意識すればいいが、ここも一瞬なのでBbメジャーのまま通過しても問題ないぞい
演奏時のポイント
イントロ: Cm7→F7の2小節繰り返し、またはラスト4小節をそのままイントロにするのが定番。ワルツのリズムを2〜4小節提示してテーマに入ります。

イントロからもう3拍子なんだよね?

そうじゃぞい。イントロでしっかりワルツのフィールを出すことで、テーマに入った瞬間からバンド全体が3拍子に乗れるのじゃ。最初の「ズン・チャッ・チャッ」が肝心じゃぞい
テンポとフィール: セッションでは♩=160前後が多く、速いと♩=200のスウィングワルツ、遅いと♩=140のリリカルな雰囲気に。慣れてくると「大きい1拍」で感じた方が自然にスウィングします。
アウトロ: Cm7→F7→Bbmaj7で着地し、Bbmaj9の響きで終わるのが一般的。繰り返す場合はCm7→F7でターンバックします。
実践で使えるTips
ソロの回し方: AABA32小節で2〜3コーラスが標準。ワルツはコーラスの体感が速いため、フォーム暗記は4拍子の曲以上に重要です。
3拍子に慣れるには: MilesやEvansの音源で体に入れるのが近道。メトロノームを「1拍目だけ」鳴らす練習で大きなビート感が身につきます。

3拍子って最初すごくぎこちなくなるんだけど…

4拍子の癖が抜けないうちは誰でもそうなるぞい。ウォーキングベースも3拍子だと「ブン・ブン・ブン」と3つ歩くから、ベーシストと一緒に練習するのが効果的じゃのう
コール方法: 「Prince」の略称で通じます。キーは99%がBb。コール時に「ワルツで」と添えると親切。「ワルツ枠」としてレパートリーに入れておくと便利です。
名演・参考音源

最後に参考音源を紹介するぞい。この曲はワルツの「ノリ」を耳で覚えることが何より大事じゃからのう
Miles Davis — Someday My Prince Will Come (1961)
この曲をジャズスタンダードとして確立した決定的録音。Milesのリリカルなトランペットがワルツの優雅さを引き出しています。最初に聴くならこれ。
Bill Evans — Portrait in Jazz (1959)
Evansのピアノトリオ版。Scott LaFaroとの対話的インタープレイが素晴らしく、ワルツでの自由な表現を学べます。コンピングの参考にもなる名演。
Dave Brubeck — Dave Digs Disney (1957)
ジャズとして最初にこの曲を取り上げた録音。Brubeck独特の力強いピアノと4拍子への切り替えを含む自由なアレンジが面白い。

まずMiles Davis版から聴いてみる!

うむ、Milesの版はテンポもちょうどよくてフォームがわかりやすい。10回は聴いてから体で3拍子を覚えるんじゃぞい
関連曲ガイド
Someday My Prince Will Comeを練習したら、次の曲もチェックしてみてください。
- Autumn Leaves コード解析&セッションガイド — セッション定番中の定番。ワルツアレンジで演奏されることもあり、比較練習に最適。
- Stella by Starlight コード解析&セッションガイド — セカンダリードミナントとII-V連鎖が多い曲。コード感覚をさらに発展させたい場合に。
まとめ

転調なし、Bbメジャースケール1発でいける、コード進行もシンプル…ワルツ入門にぴったりだね!

そうじゃのう。この曲の本当の課題は理論よりも「3拍子のフィール」を体に染み込ませることじゃぞい

まずはMilesの版を聴きまくって、3拍子で体が揺れるようになってからセッション行く!

それが一番確実な準備じゃのう。ワルツが弾けるとセッションのレパートリーがぐっと広がるから、この曲は押さえておいて損はないぞい

よーし、今日からワルツの練習だ!

…まず白雪姫を観てからでも遅くはないぞい

そっちからか!


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