Afternoon In Paris コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!セッションで「Afternoon In Paris」をやったんだけど、Aセクションでどんどん景色が変わって、途中で迷子になっちゃった…

おお、MJQのピアニストJohn Lewisが書いた名曲じゃのう。AセクションはC→Bb→Abと、キーが全音ずつ降りていくのじゃ

1つのセクションに3つもキーがあるの!?

そう聞くと難しそうじゃがのう、中身は同じII-Vの繰り返しなのじゃ。種明かしを知れば怖くないぞい。今日は一緒に攻略するのじゃ
Afternoon In Paris の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Afternoon In Paris(アフタヌーン・イン・パリ) |
| 作曲 | John Lewis (1949) |
| キー | C(Cメジャー開始) |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=120–160目安 |
| フィール | Medium Swing |
| セッション頻出度 | ★★★☆☆ |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |

作曲はModern Jazz Quartetの音楽監督としても知られるピアニスト、John Lewisじゃぞい。初録音は1949年、トロンボーンのJ.J. Johnsonのバンドによるものなのじゃ

パリの午後かぁ。タイトルどおり、おしゃれな響きがする曲だよね

その「おしゃれさ」の正体が、これから見ていくキーの下降なのじゃ。仕掛けが分かると聴こえ方も変わるぞい
Afternoon In Paris のコード進行と分析

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1小節目のCmaj7がトニックです。ところが次の瞬間、2小節目でCmaj7と同じルートのままCm7に変わり、F7とセットでBbメジャーへのII-Vが始まります。ルートが動かないので自然に聞こえるのに、キーはもう次へ動き出しています。
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3小節目のBbmaj7で1つ目の着地です。そして4小節目のBbm7→Eb7がまったく同じ仕掛けで、Bbをマイナー化してAbメジャーへのII-Vに変換します。C→Bb→Abと、キーが全音ずつ階段を降りていく構造です。
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5小節目のAbmaj7が階段の底です。ここから6小節目のDm7→G7(#9)で一気にCメジャーへ帰ります。G7に#9が付いているのがポイントで、明るいAbの世界からCへ戻る瞬間にぐっとダークな色が差します。
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7〜8小節目は1番と2番で分かれます。1番カッコはCmaj7→Dm7-G7でAセクションの頭へ戻り、2番カッコはCmaj7が2小節続いてサビ(B)へ向かいます。

「メジャーコードを同じルートのマイナーにして、次のキーのII-Vにする」って、どこかで見た気がする!

よく気づいたのじゃ。Solarでも出てきた仕掛けじゃぞい。この曲はそれを2連発して、キーを2段降りるのじゃ
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サビ(B)はCメジャーに腰を落ち着けます。Dm7→G7→Cmaj7/E→A7→Dm7→G7と、II-VとIの往復にA7(V7/II)を挟んだ循環です。Cmaj7/EはベースがE音になる第1転回形で、D→G→E→Aとベースラインが滑らかにつながります。
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サビ7小節目のCmaj7には、C#m7→F#7を挟むバージョンもあります。譜面によってはカッコ書きで併記される経過的なII-Vで、半音上からDm7へ滑り込む彩りです。最後はDm7→G7でラストAへ戻ります。
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ラストAは1番カッコと同じ流れで、末尾のDm7→G7がそのまま次コーラスへのターンアラウンドになります。

Aセクションは転調の連続で、サビは逆にCメジャーでゆったり。メリハリがはっきりしてるんだね

そうじゃのう。Aで旅をしてBで家に帰る、と覚えるとフォームを見失いにくいぞい
Afternoon In Paris のスケールガイド

博士、キーが3つも出てくるってことは、スケールもたくさん覚えないとダメ?

安心するのじゃ。実はメジャースケール3本で、この曲のほとんどをカバーできるのじゃ
まずはこれだけ覚える

整理するとこうじゃぞい。Aセクションは、1小節目のCmaj7がCメジャースケール。2〜3小節のCm7、F7、Bbmaj7はぜんぶBbメジャースケール。4〜5小節のBbm7、Eb7、Abmaj7はぜんぶAbメジャースケール。6小節目以降のDm7、G7、Cmaj7はCメジャースケールに帰るのじゃ

II-Vと着地先のIって、着地するキーのメジャースケール1本でまとめられるんだよね?

その通りじゃぞい。じゃからAセクションは「C→Bb→Ab→C」と、およそ2小節ごとにメジャースケールを持ち替えるだけでいいのじゃ

サビはどうするの?

サビはほぼCメジャースケール1本で通せるのじゃ。注意するのはA7が出てくる1小節だけじゃのう。ここだけC#の音を通ると、コードの響きにピタッとハマるぞい

メジャースケール3本+A7の1小節だけ注意、か。それなら手が届きそう!
余裕が出たらコードごとに

慣れてきたら、次は何をすればいい?

コードごとの色付けじゃのう。AセクションとBセクションに分けて見ていくぞい
Aセクション(1〜8小節):C → Bb → Ab → C


Cm7はCドリアン、F7はFミクソリディアン。どちらもBbメジャースケールと同じ音じゃから、実質は持ち替えなしじゃぞい。同じ理屈で、Bbm7はBbドリアン、Eb7はEbミクソリディアン、Abmaj7はAbイオニアンなのじゃ

6小節目のG7(#9)は?普通のGミクソリディアンでいいの?

#9が書いてあるからのう、ここはGオルタードが第一候補じゃぞい。Bb(#9)やAb(b9)の音を混ぜると、Abの世界からCへ帰る瞬間のダークな色が出せるのじゃ。もっとも、最初はミクソリディアンで通しても間違いではないぞい。このあたりの使い分けは諸説あるがのう

Cmaj7とCm7が隣り合ってるところ、弾き分けのコツはある?

E音とEb音の違いを意識するのじゃ。Cmaj7ではE(長3度)、Cm7ではEb(短3度)。この半音1個をはっきり通ると、転調が「聞こえる」ソロになるぞい
Bセクション(サビ):Cメジャーの循環


Dm7はDドリアン、G7はGミクソリディアン、Cmaj7/EはCイオニアン。つまりCメジャースケール1本じゃのう

A7のところは、余裕が出たら何を使うの?

基本はAミクソリディアンじゃぞい。C#の音がA7らしさの核じゃからのう、まずはこの1音を確実に通すのじゃ。行き先がDm7というマイナーコードじゃから、b9(Bb音)を混ぜて彩る手もあるがのう、これは好みの範囲じゃぞい

7小節目にC#m7→F#7を挟むバージョンのときは?

無理に追いかけんでもええんじゃぞい。1拍ずつの経過コードじゃから、Cメジャーのフレーズを休符でかわすのも立派な選択なのじゃ。挑戦するなら、C#とF#の音を短く触るだけでも雰囲気は出るぞい
演奏時のポイント
イントロ: これといった定番は決まっていません。ラスト2小節相当のDm7→G7から入るか、Cmaj7を軽くヴァンプしてからテーマに入るのが無難です(このあたりはバンド次第で、諸説あります)。
テンポとフィール: ミディアムスウィングが標準です。速すぎるとAセクションの転調が慌ただしくなるので、まずは♩=130前後で「C→Bb→Ab→C」の景色の変化を味わいながら演奏するのがおすすめです。
サビのGペダル: テーマ(ヘッド)のあいだ、サビではベースがG音のペダルポイントで支えるアレンジがよく使われます。ただしサビ最後の2小節のターンアラウンドではペダルを解除して通常のウォーキングに戻るのが通例です。ソロに入ったら普通にコードを回します。
アウトロ: ラストのDm7→G7を繰り返してからCmaj7で終わるのが分かりやすい形です。エンディングの合図はアイコンタクトで確認しましょう。

サビでベースがずっと同じ音を弾いてる録音、聴いたことある!あれがGペダルだったんだ

そうなのじゃ。ペダルの浮遊感とAセクションの転調ラッシュの対比が、この曲の聴かせどころじゃぞい
実践で使えるTips
ロスト対策: 目印は5小節目のAbmaj7です。キーの階段を降りきった「底」なので、響きで場所が分かります。ここさえ聴き取れれば「あとは帰るだけ」と現在地を取り戻せます。サビはA7の1小節だけ響きが変わるので、そこも耳の目印になります。
練習の順番: いきなりフルコーラスを回すより、まずAセクション8小節だけをループして「メジャースケール3本の持ち替え」を体に入れるのが近道です。この8小節はII-Vの持ち替え練習としてそのまま教材になります。

ぼく、転調のたびに考え込んじゃって、フレーズが止まっちゃうんだよね…

みんな通る道じゃぞい。コツは「次のキーの3度の音」を先に決めておくことじゃのう。Bbに行くならD音、Abに行くならC音。着地の1音だけ準備しておけば、あとは耳がつないでくれるのじゃ
コール方法: 「Afternoon In Paris(アフタヌーン・イン・パリ)」で通じます。キーはCが標準です。いろいろな録音でサビのペダルの扱いが違うので、複数の演奏を聴き比べてから臨むと安心です。
名演・参考音源

参考音源じゃぞい。作曲者自身の演奏を軸に、初録音と豪快なテナーの名演を選んだのじゃ
John Lewis & Sacha Distel — Afternoon In Paris (1957)
作曲者John Lewis自身がパリで録音した、その名もずばりのアルバムです。フランスのギタリストSacha Distel、テナーのBarney Wilenとの共演で、曲の持つ上品な佇まいがいちばん素直に出ています。まずはこの演奏で曲の原型を覚えるのが近道です。
J.J. Johnson’s Boppers — Afternoon In Paris (1949)
1949年の初録音です。トロンボーンのJ.J. JohnsonのバンドにSonny Stittが参加したセッションで、後年の洗練された演奏と比べると、ビバップ真っ只中の勢いで駆け抜けるのが新鮮です。テンポ速めでもこの曲は成立する、という実例でもあります。
Sonny Rollins — Now’s The Time (1964)
Herbie Hancock(p)、Ron Carter(b)を含むカルテットでの録音です。上品にまとまりがちなこの曲を、Rollinsの野太いテナーが豪快に泳ぎ回ります。同じ進行でもアプローチ次第でここまで表情が変わる、という好例です。

同じ曲なのに、3つとも空気が全然違うね!

それがスタンダードの面白さじゃのう。進行という地図は同じでも、歩き方は人それぞれなのじゃ
関連曲ガイド
- Solar コード解析&セッションガイド — 「メジャーコードを同じルートのマイナーに変えて次のキーへ降りる」仕掛けの兄弟分です。Solarで12小節版を、この曲でAABA版を体に入れると相互に効きます。
- All The Things You Are コード解析&セッションガイド — キーが次々に移り変わる曲の代表格です。II-Vでキーを旅する感覚を鍛えるなら、この2曲はセットで練習する価値があります。
まとめ

AセクションはC→Bb→Abって全音ずつキーが降りて、最後にCへ帰る。スケールはメジャー3本の持ち替えでOK!

完璧なまとめじゃぞい。サビはCメジャー1本+A7の1小節注意、ヘッドではGペダルが定番、というのも忘れんようにのう

迷子になったら、階段の底のAbmaj7を耳の目印にする!

うむ。まずはAセクション8小節のループ練習からじゃぞい。この8小節を攻略すれば、II-Vの持ち替え力が一段上がって、他の曲でも必ず効いてくるのじゃ


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