Alice In Wonderland コード解析&セッションガイド

Alice In Wonderland コード解析&セッションガイド スタンダード解析
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Alice In Wonderland コード進行 解析&セッションガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士〜!セッションで「Alice In Wonderland」がコールされたんだけど、ワルツって聞いただけで足がすくんじゃった…

ぽん太博士
ぽん太博士

おお、ディズニー映画から生まれたジャズワルツの定番じゃのう。3拍子ではあるが、コード自体はとても素直な曲じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

でも1カッコとか2カッコとか出てきて、譜面を追うだけで精一杯だったんだよね

ぽん太博士
ぽん太博士

そこがこの曲の唯一のトラップなのじゃ。今日は一緒に道順を整理していくぞい

Alice In Wonderland の基本データ

項目 内容
曲名 Alice In Wonderland(アリス・イン・ワンダーランド)
作曲 Sammy Fain(1951年、ディズニー映画『ふしぎの国のアリス』)
キー C
フォーム A(1カッコ)→ A(2カッコ)→ B / 16小節×3
拍子 3/4(ジャズワルツ)
セッション頻出度 ★★★☆☆
難易度 ★★☆☆☆
ぽん太博士
ぽん太博士

作曲はサミー・フェイン。1951年のディズニー映画『ふしぎの国のアリス』のために書かれた曲じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

映画の曲がジャズのスタンダードになったんだ?

ぽん太博士
ぽん太博士

ビル・エヴァンスが1961年の『Sunday at the Village Vanguard』で取り上げたのが決定的だったと言われておるのじゃ。オスカー・ピーターソンやデイヴ・ブルーベックも録音しておるぞい。インストのセッションではCメジャーでやるのが一般的なのじゃ


Alice In Wonderland のコード進行と分析

Alice In Wonderlandのコード進行表
Alice In Wonderlandのコード進行表
  1. Aセクションの入り口はCメジャーのII-V-Iです。1〜3小節目がDm7→G7→Cmaj7で、4小節目にFmaj7(IV)が続きます。ワルツなので1小節に3拍しかなく、1小節1コードでもコードチェンジが早く感じるのがこの曲の最初の壁です。

  2. 5〜7小節目はAm(VI)への一時的な寄り道です。Bm7(b5)→E7(b9)→Am7という、Amから見たマイナーII-V-Iになっています。Cメジャーの中で一瞬だけ影がさす場所で、この曲の切なさはほぼここが作っています。

  3. 8小節目のEb7(#11)がこの曲のスパイスです。次のDm7に向かうドミナントA7の裏コード(トライトーン・サブスティテューション)で、Amの寄り道からCメジャーの本線へ戻るときにベースが半音(Eb→D)で降りる仕掛けになっています。

ぴょん吉
ぴょん吉

Eb7って、Cメジャーの曲にいきなり出てくるとギョッとするんだけど

ぽん太博士
ぽん太博士

A7の代わりじゃと思えばよいのじゃ。A7→Dm7と同じ役割で、ベースがEb→Dと半音で降りる分だけ滑らかに聞こえるのじゃぞい

  1. 9〜14小節目はDm7-G7とEm7-Am7の繰り返しです。Dm7→G7→Em7→Am7→Dm7→G7と、Cメジャーのダイアトニックコードだけで組まれた穏やかな流れで、ここはほぼ迷いようがありません。

  2. 15〜16小節目が1カッコと2カッコの分かれ道です。1回目はEm7→A7で頭のDm7に戻り(1カッコ)、2回目はCmaj7が2小節続いて(2カッコ)、ようやくトニックに着地してBセクションへ進みます。

ぴょん吉
ぴょん吉

1回目と2回目で最後の2小節だけ違うってことだね

ぽん太博士
ぽん太博士

そのとおりじゃぞい。1回目は「まだ終わらんぞい」とA7で引っ張り、2回目は「ひと区切り」とCmaj7で落ち着く。ここを聴き分けられれば、この曲でロストすることはまずないのじゃ

  1. Bセクションの前半8小節はD7から始まります。D7→G7→Em7→Am7→Dm7→G7→Cmaj7→Fmaj7で、頭のD7だけがダイアトニックの外(IIm7のDm7ではなく、G7に向かうドミナントのD7)ですが、それ以降はAセクションと同じ材料です。

  2. Bセクションの後半はEmへの寄り道から頭へ戻ります。F#m7(b5)→B7(b9)→Em7というEmのマイナーII-V-Iのあと、A7→Dm7→A7→Dm7→G7と、Dm7とA7を行き来しながら最後はG7で曲の頭へ帰ります。AセクションではAmへ、BセクションではEmへ寄り道するという対比が、この曲の構造の肝です。

ぴょん吉
ぴょん吉

F#m7(b5)からの3小節、Aセクションの5〜7小節目と形が同じだよね

ぽん太博士
ぽん太博士

よく気づいたのじゃ。Bm7(b5)-E7(b9)-Am7を全部完全4度上に移したのがF#m7(b5)-B7(b9)-Em7じゃぞい。ひとつのII-V-Iの形を覚えれば、両方に使い回せるのじゃ


Alice In Wonderland のスケールガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士、3拍子でコードが1小節ずつ変わるのに、スケールまで毎小節変えるのは無理そう…

ぽん太博士
ぽん太博士

焦らんでよいぞい。この曲はほとんどがCメジャーの中で完結しておるから、まずは1本のスケールで乗り切れるのじゃ

まずはこれだけ覚える

ぽん太博士
ぽん太博士

結論から言うと、この曲はCメジャースケール1本でほとんどの小節をカバーできるのじゃ。Dm7・G7・Cmaj7・Fmaj7・Em7・Am7は全部Cメジャーのダイアトニックコードじゃからのう

ぴょん吉
ぴょん吉

じゃあ、外れる音がある小節ってどこ?

ぽん太博士
ぽん太博士

4か所だけじゃぞい。Aセクション5〜7小節目のBm7(b5)-E7(b9)-Am7、8小節目のEb7(#11)、1カッコと後半に出てくるA7、それからBセクション後半のF#m7(b5)-B7(b9)-Em7じゃのう

ぴょん吉
ぴょん吉

その4か所は最初どうすればいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

E7(b9)ではG#、A7ではC#、B7(b9)ではD#、Eb7(#11)ではEbとBb。この「ひとつだけ変わる音」を狙って入れるだけで、あとはCメジャーのままで十分通用するのじゃ。細かい色付けは慣れてからでよいぞい

余裕が出たらコードごとに

ぴょん吉
ぴょん吉

慣れてきたら、次はどこを見ればいい?

ぽん太博士
ぽん太博士

Aセクションの前半・後半、そしてBセクションの3つに分けて、順番に見ていくぞい

Aセクション前半(1〜8小節):II-V-IからAmへの寄り道、そしてEb7(#11)

Aセクション前半のコード進行
Aセクション前半のコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

Dm7はドリアン、G7はミクソリディアン、Cmaj7はイオニアンが基本じゃぞい。4小節目のFmaj7はIVじゃからリディアン。Fメジャースケールではなく、Bをナチュラルのまま弾くのがコツじゃのう

ぴょん吉
ぴょん吉

5〜7小節目のBm7(b5)-E7(b9)-Am7は?

ぽん太博士
ぽん太博士

Bm7(b5)はロクリアン、Am7はエオリアンじゃぞい。E7(b9)はデータ上はミクソリディアンが第一候補になっておるが、b9がついておるからのう。HWディミニッシュかオルタードでG#とFを効かせた方が、Amへ向かう切なさが出るのじゃ。ここは人によって好みが分かれるところじゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Eb7(#11)はどうしよう。Cメジャーにない音だらけに見えるんだけど

ぽん太博士
ぽん太博士

リディアン♭7じゃぞい。Ebミクソリディアンの4度を半音上げたスケールで、#11のAがCメジャーと共通じゃから、意外と繋がりやすいのじゃ。EbとBbさえ外さなければ、1小節だけの通過点として十分じゃぞい

Aセクション後半(9〜16小節):ダイアトニックの反復と1・2カッコ

Aセクション後半のコード進行
Aセクション後半のコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

9〜14小節目はDm7ドリアン、G7ミクソリディアン、Em7フリジアン、Am7エオリアンじゃぞい。全部Cメジャースケールの並べ替えじゃから、実質1本で通せるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

Em7がフリジアンって書いてあると難しく見えるけど、要はCメジャーをEから弾くってことだよね?

ぽん太博士
ぽん太博士

そのとおりじゃぞい。名前に惑わされんでよいのじゃ。ただしEm7でF(b9)を長く伸ばすと濁るから、Fは通過音にとどめるのが無難じゃのう

ぴょん吉
ぴょん吉

1カッコのA7はどうすればいい?

ぽん太博士
ぽん太博士

基本はAミクソリディアンじゃぞい。C#を入れて「Dm7へ戻るぞい」と宣言する音なのじゃ。慣れたらオルタードやHWディミニッシュでBbやC(#9)を混ぜても面白いが、まずはC#を1音ちゃんと出すことが先じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

2カッコのCmaj7が2小節続くところは?

ぽん太博士
ぽん太博士

イオニアンで素直に着地するのじゃ。ここは2小節あるから、Fを避けてBやEを響かせるか、Cリディアンで#11のF#を混ぜて浮遊感を出すのも定番じゃぞい

Bセクション(17〜32小節):D7の入り口とEmへの寄り道

Bセクションのコード進行
Bセクションのコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

頭のD7はミクソリディアンじゃぞい。Cメジャーとの違いはF#の1音だけじゃから、ここでF#をはっきり出すとBセクションに入った感じが伝わるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

そのあとのG7〜Fmaj7はAセクションと同じ扱いでいいんだよね?

ぽん太博士
ぽん太博士

同じでよいぞい。問題は9小節目からのF#m7(b5)-B7(b9)-Em7なのじゃ。F#m7(b5)はロクリアン、Em7はドリアンかフリジアンじゃのう。B7(b9)はデータ上リディアン♭7が第一候補になっておるが、Em7へ解決するV7でb9がついておるから、オルタードかHWディミニッシュの方が自然じゃと思うぞい。ここは諸説あるところじゃのう

ぴょん吉
ぴょん吉

最後のA7とDm7の行き来は?

ぽん太博士
ぽん太博士

A7はミクソリディアンでC#を、Dm7はドリアンでBナチュラルを。この2音を交互に出すだけで、A7-Dm7の往復がくっきり聞こえるのじゃ。最後のG7はミクソリディアンで、次のコーラス頭のDm7へつなぐぞい


演奏時のポイント

イントロ: クロールした資料には定番イントロの記載がなく、バンドによって扱いが分かれます。無難なのは、Bセクション最後の4小節(Dm7→A7→Dm7→G7)をヴァンプしてからテーマに入る形です。ピアノがいる場合はワルツのフィールを4〜8小節出してから始めると、全員が3拍子に乗りやすくなります。

テンポとフィール: データ上は明確なテンポレンジが決まっていませんが、ジャズワルツとして演奏されるのが基本です。有名な演奏はゆったりめのものから軽快なものまで幅があるので、コールする側が最初に希望のテンポを示すと迷いがありません。

3拍子のコンピング: 1小節1コードが基本なので、ピアノ・ギターは毎小節頭で打つよりも、2拍目や3拍目の裏に置く方がワルツらしい浮遊感が出ます。ベースは1拍目をしっかり出しつつ、2・3拍目を歩くか休むかで表情をつけると、ソロイストが乗りやすくなります。

アウトロ: 特別な決まりはありません。Bセクション最後のDm7→G7をCmaj7に解決させて終わるか、2カッコのCmaj7を伸ばしてリタルダンドで締めるのが分かりやすい形です。

ぴょん吉
ぴょん吉

3拍子だと、コンピングのタイミングがいつも迷子になるんだよね

ぽん太博士
ぽん太博士

最初は1拍目だけ打って、あとは休む。それでも十分ワルツになるのじゃ。慣れてきたら2拍目や3拍目の裏に少しずつ増やしていけばよいぞい


実践で使えるTips

ロスト対策: 目印は15〜16小節目です。Em7→A7が来れば1回目(頭に戻る)、Cmaj7が2小節続けば2回目(Bセクションへ進む)です。14小節目までは1回目も2回目もまったく同じ響きなので、周りの音をよく聴いて「A7の緊張感」か「Cmaj7の安心感」かを判断するクセをつけると迷いません。

練習の順番: いきなり通しで練習するより、まずはAセクション1〜8小節だけをループして、Amへの寄り道とEb7(#11)の通過に慣れるのがおすすめです。次に15〜16小節目の1・2カッコだけを取り出して、A7とCmaj7の違いを体に入れる。最後にBセクション後半のF#m7(b5)-B7(b9)-Em7を、Aセクションの5〜7小節目と並べて練習すると、同じ形の使い回しだと実感できます。

ぴょん吉
ぴょん吉

3拍子のフレーズって、4拍子のクセで小節をまたいじゃうんだよね

ぽん太博士
ぽん太博士

最初は2小節ごと(6拍)でフレーズを区切る練習がおすすめじゃぞい。Dm7-G7、Cmaj7-Fmaj7と2小節単位でコードがまとまっておるから、フレーズの区切りとコードの区切りが揃うのじゃ

コール方法: 「アリス」で通じることが多いです。キーはCが標準で、テンポの好みを一言添えるとスムーズです。ワルツに慣れていないメンバーがいる場合は、イントロでピアノにフィールを出してもらうよう頼んでおくと安心です。


名演・参考音源

ぽん太博士
ぽん太博士

参考音源じゃぞい。この曲をスタンダードにした決定版、ディズニー曲集の名盤、そしてトリオの快演を選んだのじゃ

Bill Evans Trio — Sunday at the Village Vanguard (1961)

この曲をジャズ・スタンダードに押し上げた演奏です。Bill Evans(p)、Scott LaFaro(b)、Paul Motian(ds)による1961年6月25日のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音で、ベースが単なる伴奏を超えてピアノと対話するトリオの形はここで完成しています。ワルツのフィールとAmへの寄り道の切なさは、まずこの演奏で耳に入れておくのが近道です。

The Dave Brubeck Quartet — Dave Digs Disney (1957)

エヴァンス以前の1957年に、ディズニー曲だけを集めたアルバムの1曲目として録音されたバージョンです。Dave Brubeck(p)、Paul Desmond(as)、Norman Bates(b)、Joe Morello(ds)のカルテットで、デズモンドのアルトが歌うテーマは原曲の可愛らしさをそのまま残しています。エヴァンス版と聴き比べると、同じ曲でも解釈でこれだけ変わるのかと驚きます。

Oscar Peterson Trio — Exclusively for My Friends: The Way I Really Play (1968)

Oscar Peterson(p)、Sam Jones(b)、Bobby Durham(ds)によるトリオ演奏です。ワルツのフィールを軽やかに保ちながらも、ピーターソンらしい推進力のあるスウィングでぐいぐい進むので、「ワルツ=静かな曲」というイメージが良い意味で壊れます。セッションで速めのテンポでコールされたときの参考になります。

ぴょん吉
ぴょん吉

同じワルツなのに、エヴァンスとピーターソンで全然雰囲気が違うんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

3拍子の乗り方が違うのじゃ。1拍目を重く取るか、3拍をひとまとまりに流すか。聴き比べると、自分がどっちで演奏したいかが見えてくるぞい


関連曲ガイド


まとめ

ぴょん吉
ぴょん吉

Aセクションは基本Cメジャーで、5〜7小節目でAmに寄り道、8小節目のEb7(#11)で本線に戻る。1カッコはA7で頭へ、2カッコはCmaj7でBへ。Bセクションは前半がD7から始まって、後半はEmに寄り道してから頭に戻る。整理するとこれだけなんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

完璧なまとめじゃぞい。スケールもCメジャー1本を軸に、E7(b9)のG#・A7のC#・B7(b9)のD#・Eb7(#11)のEbとBb、この「1音ずつ変わる場所」だけ押さえれば十分なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

迷子になったら、15〜16小節目がA7かCmaj7かを聴く!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。それから3拍子に慣れるまでは、フレーズを2小節ごとに区切る練習から始めるのじゃ。コードの区切りとフレーズの区切りが揃えば、この曲はぐっと弾きやすくなるぞい

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