Cherokee コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!この前セッションで「Cherokee知ってる?」って聞かれて、「知ってる」って言っちゃったんだけど…

おお、Cherokeeか。で、実際弾けたのかい?

…64小節あるって聞いて固まった。しかもテンポ280って何?

はっはっは。Cherokeeは「腕試し」の曲として有名じゃからのう。Charlie Parkerがこの曲のブリッジを高速で吹きまくったことで伝説になった曲なのじゃ
Cherokee の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Cherokee(チェロキー) |
| 作曲 | Ray Noble (1938) |
| キー | Bb |
| フォーム | AABA / 64小節 |
| テンポ | ♩=200–320 |
| フィール | Up-tempo Swing |
| セッション頻出度 | ★★★☆☆ |
| 難易度 | ★★★☆☆ |

1938年にイギリスのバンドリーダーRay Nobleが「Indian Suite」の第1楽章として書いた曲でのう。翌年Charlie Barnet楽団がヒットさせて、その後ビバップ勢が超高速で演奏するようになったのじゃ

64小節って普通の曲の倍だよね?

そうじゃのう。AABAの各セクションが16小節ある。ただ、Aセクションは基本的にBbメジャーの中で動くから、実はブリッジさえ攻略すれば曲の75%はクリアなんじゃぞい
Cherokee のコード進行と分析

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Aセクションは16小節で、Bbメジャーの中をゆったり動く構造です。Bb6が2小節続いた後、Fm7→Bb7→Ebmaj7はEbキーへのII-V-Iです。Ab7はBbに戻るbVII7で裏コード的な響きがあります。
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9〜10小節目で再びBb6に戻り、11〜12小節目のC7がセカンダリードミナントです。C7はV7/Vで、13小節目のCm7→F7(BbキーのII-V)を呼び込みます。

Aセクションって意外とシンプルだね?

そうなのじゃ。AセクションはBbメジャーの世界の中での動きで、一瞬Ebに寄り道するくらい。16小節と長いけれど、やっていること自体は複雑じゃないぞい
- Bセクション(ブリッジ)がこの曲の核心です。C#m7→F#7→Bmaj7(B)、Bm7→E7→Amaj7(A)、Am7→D7→Gmaj7(G)と全音(長2度)ずつ下降しながらII-V-Iが3連続します。Gm7→C7→Cm7→F7でBbキーに帰還します。

B→A→G→Bbって、何の規則性があるの?

BからAは全音(長2度)下、AからGも全音(長2度)下じゃのう。2回とも同じ「全音下降」のパターンなのじゃ。GからBbへの戻りだけは短3度上がる形になるが、ここはCm7→F7というBbのII-Vで自然に着地するぞい

全音下降って、[Confirmation](/confirmation-analysis/)のブリッジの動きとは違う?

ConfirmationのブリッジはBb→Dbと動くが、Cherokeeはもっと大胆にB→A→Gと3段階で落ちていく。規模が大きい分、迷子になりやすいのじゃ
- ラストAは最初のAと同じ進行です。Cm7→F7がターンバックでBb6に戻ります。
Cherokee のスケールガイド

博士、64小節もあるのにスケールまで覚えるの?

まずは大きなキーセンターだけ覚えればいいぞい。コードごとにスケールを変えるのは、この曲のテンポだと物理的に無理じゃからのう

それは助かる…

2つのルールだけ覚えるんじゃ
まずはこれだけ覚える

AセクションはBbメジャースケール1発。ブリッジはII-V-Iが3回出てくるから、それぞれのキーのメジャースケールを当てる。つまりBメジャー、Aメジャー、Gメジャー。最後の4小節でBbメジャーに戻る

4つのメジャースケールだけ?

そうじゃぞい。Aセクション48小節分はBbメジャー1発、ブリッジ16小節だけBメジャー→Aメジャー→Gメジャー→Bbメジャーと切り替える。これでまず1コーラス通してみるんじゃ

ブリッジの切り替えタイミングが不安…

ブリッジは「4小節ごとにキーが変わる」と覚えるのが一番じゃぞい。4小節ずつ区切って練習すれば体が覚えるからのう。テンポが速い分、考える暇がないから、むしろ体で覚えてしまった方が早いぞい
余裕が出たらコードごとに

メジャースケール1発で弾けるようになったら、次は何を意識すればいい?

よし、セクションごとに見ていこうかのう
Aセクション(1〜16小節):Bbメジャーの世界


Bb6はBbイオニアン。Bbリディアンの#4(E音)を使うとモダンな浮遊感が出るぞい

Fm7→Bb7のところは?

Fm7はFドリアン、Bb7はBbミクソリディアン。EbキーのII-Vじゃが、Bbメジャースケールの中の音ばかりだから、ここは深く考えなくてもBbメジャー1発で乗り切れるぞい

Ab7が独特な響きだよね

Ab7はBbキーのbVII7で、Abミクソリディアンが基本じゃのう。ただしAb7→Bb6の動きはAbリディアンb7(メロディックマイナーの4番目のモード)を使うとジャズっぽくなるぞい。Abミクソで十分だが、余裕があれば試してみるといいぞい

C7はどう処理する?

C7はCミクソリディアンが基本じゃが、V7/Vとしての解決感を出すならCオルタードも有効じゃぞい。b9のDbとb13のAbを使うとCm7への解決が滑らかになるのじゃ
Bセクション(33〜48小節):全音下降転調


ブリッジのC#m7→F#7→Bmaj7は?

BキーのII-V-Iじゃから、C#ドリアン→F#ミクソリディアン→Bイオニアン。全部Bメジャースケールの音じゃぞい。ここはBメジャーペンタトニックで乗り切るのもアリじゃのう

次のBm7→E7→Amaj7は?

AキーのII-V-I。Bドリアン→Eミクソリディアン→Aイオニアン。同じくAメジャースケール1発でいけるぞい。ポイントは、Bmaj7からBm7への切り替えじゃのう。同じB音がルートだから指の位置は近いんじゃが、メジャーからマイナーに変わる瞬間にD#がDナチュラルになる。この半音の変化を耳で捉えられると、転調に自然についていけるぞい

Am7→D7→Gmaj7は?

GキーのII-V-I。Aドリアン→Dミクソリディアン→Gイオニアン。同じパターンの繰り返しじゃぞい。3回とも「IIm7→V7→Imaj7」という同じ構造なのじゃ。キーが全音(長2度)ずつ下がっていくだけで、やっていることは毎回同じ

パターンが同じなら、フレーズもトランスポーズすればいいの?

まさにその通りじゃぞい。Bキーで使ったフレーズを全音下げればAキーで使えるし、さらに全音下げればGキーで使える。Parker自身もそのアプローチをよく使っておったぞい
ラストAセクション(49〜64小節)

ラストAは最初のAセクションと同じスケール選択でいけるぞい。テンポが速いので、終わりたいコーラスのAセクション冒頭で音を減らしていけば、バンドに「ここで終わる」という合図になるぞい
演奏時のポイント
イントロ: ラスト4小節(C7→C7→Cm7→F7)か、ドラム4カウントが一般的です。テンポが速いので凝ったイントロよりテンポ感の提示が優先されます。

イントロなしでいきなり始めることもある?

バップ系のセッションだとカウントだけで入ることも普通にあるぞい。「ワン、ツー、ワンツースリーフォー」のテンポ出しだけで十分なのじゃ
テンポとフィール: ♩=220〜260が多く、上級者セッションでは300超えも普通です。テンポが速いとドラムは2フィール気味で、ソロが盛り上がると4ビートに切り替わります。
アウトロ: Bb6ユニゾンで決めるのが一番スッキリします。
実践で使えるTips
ソロの回し方: 64小節なので1〜2コーラスが標準です。テンポが速いと1コーラスでも相当長いです。終わりたいコーラスのラストAで音を減らしてバンドに合図します。
ブリッジで迷子にならないために: 「4小節ずつキーが変わる」と割り切り、C#m7=B、Bm7=A、Am7=Gとルートを意識します。バッキングトラックで繰り返すのが確実です。

テンポが速いと考える暇がないんだけど…

だからこそ体で覚えるんじゃぞい。ブリッジの4小節×4ブロックを、それぞれのキーのメジャースケールで上下するだけの練習を100回やる。そうすれば指が勝手に動くようになるぞい
コール方法: 「Cherokee」で通じます。ほぼBbです。「テンポいくつ?」が最初の交渉になりがちで、中級〜上級者の腕試し曲です。
名演・参考音源

最後に参考音源を紹介するぞい。Cherokeeは歴史的に重要な録音が多い曲じゃからのう
Charlie Parker — Ko-Ko (1945)
Cherokeeのチェンジを使ったParkerの代表曲です。ブリッジのソロは伝説的で、テンポ約300は当時異次元でした。
Clifford Brown & Max Roach — Study in Brown (1955)
Clifford Brownのトランペットが駆け抜けるCherokeeです。テンポ280前後でフレーズの明瞭さが際立ちます。ブリッジの転調処理が美しく、コピー第一候補です。
Bud Powell — The Amazing Bud Powell (1949)
ビバップピアノの巨人Bud Powellによる高速Cherokeeです。右手のホーンライクなラインとブリッジの転調処理が鮮やかです。全楽器奏者にとってフレージングの教科書になります。

Ko-Koってそういう曲だったんだ!

そうじゃぞい。Parkerは著作権の問題を避けるために新しいテーマを乗せたんじゃが、コード進行はCherokeeそのもの。Cherokeeを知っていると、Ko-Koのソロがどれだけ凄いか実感できるぞい
関連曲ガイド
- Confirmation コード解析&セッションガイド — II-V連鎖が特徴のバップ曲。ブリッジで鍛えた転調処理がそのまま活きます。
- I Got Rhythm コード解析&セッションガイド — 同じBbキーのAABA形式。Aセクションの構造に共通点があります。
まとめ

Aセクションは意外とシンプルで、ブリッジの「B→A→G→Bb」が勝負どころ…メモした!

うむ。64小節は長いが、Aセクションは全部Bbメジャーの世界。ブリッジの16小節だけ集中して練習すれば、思ったより早く弾けるようになるぞい

まずはゆっくりのテンポでブリッジだけ100回やってみる!

それが正解じゃぞい。テンポ120くらいから始めて、ブリッジの4小節×4ブロックを体に染み込ませるんじゃ。指が勝手に動くようになったらテンポを上げていけばいい

Parker聴いてからやる気出す!

Ko-Ko聴いて打ちのめされてから練習するのが、ジャズの正しい順序じゃぞい


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