Now’s The Time コード解析&セッションガイド

S025 eyecatch スタンダード解析
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Now’s The Time コード進行 解析&セッションガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士〜!セッションで「ブルースやろう」って言われて、Now’s The Timeってリクエストされたんだけど…

ぽん太博士
ぽん太博士

おお、Now’s The Timeか!Charlie Parkerが1945年に書いたブルースで、バップの超基本曲じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Billie’s Bounceと同じ年に録音されたんだ?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。同じSavoyセッションで録音されておる。ただこの曲はBillie’s Bounceよりテーマメロディがキャッチーでのう。ブルースフレーズのお手本みたいな曲なのじゃ

Now’s The Time の基本データ

項目 内容
曲名 Now’s The Time(ナウズ・ザ・タイム)
作曲 Charlie Parker (1945)
キー F
フォーム 12-bar Blues
テンポ ♩=130–180
フィール Medium Swing
セッション頻出度 ★★★★★
難易度 ★☆☆☆☆
ぽん太博士
ぽん太博士

1945年11月26日、Savoyスタジオでのセッションがオリジナルでのう。Miles Davis(tp)、Dizzy Gillespie(p)、Curley Russell(b)、Max Roach(ds)という編成じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Billie’s Bounceと同じメンバーだね!

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。実はこの曲のメロディ、1950年代にR&Bのヒット曲「The Huckle-Buck」にそのまま流用されてのう。パーカーは印税をほとんどもらえなかったという逸話があるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

えっ…それはひどい!

ぽん太博士
ぽん太博士

まあ当時はそういう時代じゃったのう。ただそれだけキャッチーなメロディだったということでもあるぞい


Now’s The Time のコード進行と分析

Now's The Time chord chart
Now’s The Time chord chart
  1. 1〜4小節目はブルースの基本骨格です。F7(I7)→Bb7(IV7)→F7の流れは普通のブルースと同じです。4小節目のCm7→F7はBb7に向かうII-Vで、バップブルースらしい装飾です。

  2. 5〜6小節目がバップブルースの色が出るところです。6小節目のBdim7はBb7→F7間の半音上行パッシングディミニッシュで、ベースがBb→B→Cと滑らかに上昇します。

ぴょん吉
ぴょん吉

Billie’s Bounceとコード進行同じじゃない?

ぽん太博士
ぽん太博士

いいところに気づいたのう。実際、Now’s The TimeとBillie’s Bounceのコード進行はほぼ同じなのじゃ。違うのはテーマのメロディとテンポ感。同じ器に違う料理が盛られているようなもんじゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

じゃあBillie’s Bounceで覚えたことがそのまま使えるんだ!

ぽん太博士
ぽん太博士

その通りなのじゃ。だからこそ、コード進行を知っているだけでなく、テーマのメロディを大事にすることが両方の曲を弾き分けるコツじゃぞい

  1. 7〜8小節目でターンアラウンドに向かう準備です。F7に戻った後、8小節目のAm7→D7はGm7に向かうセカンダリーII-Vです。この仕掛けで9小節目のGm7への進行が強力になります。

  2. 9〜12小節目はターンアラウンドです。Gm7→C7(II-V)でF7に着地します。11小節後半のD7が再びGm7を呼び、12小節目のGm7→C7が次のコーラス頭へ繋ぎます。

ぽん太博士
ぽん太博士

構造としては典型的なバップブルースなのじゃ。4小節目のII-V、6小節目のディミニッシュ、8小節目のIII-VI、ターンアラウンドのII-V。この4つの「バップ的な装飾」を覚えれば、Fのバップブルースは全部同じ感覚で弾けるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Fのブルースをちゃんとやれば、いろんな曲に使い回せるんだね


Now’s The Time のスケールガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士、コード進行はBillie’s Bounceで覚えたよ!スケールも同じでいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

基本はまったく同じじゃぞい。ただ、Now’s The Timeはテンポがやや落ち着いている分、コードトーンをじっくり狙う余裕があるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

速い曲よりゆっくりの方が楽かと思ったけど、逆に間が持たなかったりしない?

ぽん太博士
ぽん太博士

するどいのう。ミディアムテンポのブルースはフレーズの「間」が大事になるんじゃ。まずはスケールを確認しよう

12小節ブルースのコード進行
12小節ブルースのコード進行

まずはこれだけ覚える

ぽん太博士
ぽん太博士

Billie’s Bounceと同じで、Fブルーススケール1発でまず全体を通すのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

F – Ab – Bb – B – C – Ebの6音だよね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。Now’s The Timeのテーマメロディ自体がFブルーススケールの音でできておるから、スケールとメロディが自然につながるのが面白いところなのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

メロディ弾いてるだけでブルーススケールの練習になるってこと?

ぽん太博士
ぽん太博士

まさにそこが、この曲がブルース入門として優れている理由じゃぞい。テーマを覚えて、そこからスケールの音を使ってバリエーションを作る。これが一番自然なソロの始め方なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

Fブルーススケール+Fミクソリディアンの2つでまずは勝負?

ぽん太博士
ぽん太博士

その通りじゃぞい。ブルーススケールでブルージーに、ミクソリディアンで明るく。この2つの切り替えだけで十分サマになるぞい

余裕が出たらコードごとに

ぴょん吉
ぴょん吉

2スケールで通せるようになったら、次はコードごとに?

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。[Billie’s Bounce](/billies-bounce-analysis/)で解説した通り、コードごとのスケールはそのまま当てはまるぞい。おさらいしておこう

1〜3小節目:F7(I7)

ぽん太博士
ぽん太博士

Fミクソリディアンが基本じゃぞい。F – G – A – Bb – C – D – Ebの7音でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

メジャースケールの7度がEbになるだけだよね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。Now’s The Timeはテンポに余裕がある分、ミクソリディアンの各音をじっくり味わいながら弾けるぞい

4小節目:Cm7 → F7

ぽん太博士
ぽん太博士

Cm7はCドリアン。C – D – Eb – F – G – A – Bbの7音じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Bb7に向かうII-Vだから、ここを意識して弾くとコード感が出るんだよね

ぽん太博士
ぽん太博士

その通りなのじゃ。ただ最初はFブルーススケールで通して構わんぞい

5〜6小節目:Bb7 → Bdim7

ぽん太博士
ぽん太博士

Bb7はBbミクソリディアン。6小節目のBdim7はコードトーンB – D – F – Abを経過的に使えばそれだけで十分じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

ディミニッシュスケールまで覚えなくてもいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

この1小節のためにディミニッシュスケールを仕込むのは効率が悪いのじゃ。コードトーンで十分、あるいはFブルーススケールで突っ切っても大事故にはならんぞい

8小節目:Am7 → D7

ぽん太博士
ぽん太博士

バップブルースの肝じゃぞい。Am7はAフリジアンが理論上の正解じゃが、Aドリアンで弾く方が実践的でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

D7は?

ぽん太博士
ぽん太博士

Dミクソリディアンが基本じゃが、D7(b9)で弾くならDコンディミが効果的なのじゃ。Gm7への解決感がぐっと強まるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Am7 → D7 → Gm7 → C7の連続II-Vが弾けたらバッパーの仲間入りだね!

9〜12小節目:Gm7 → C7 → F7 → ターンアラウンド

ぽん太博士
ぽん太博士

Gm7はGドリアン、C7はCミクソリディアン。FキーのII-Vで最も基本的な形じゃのう

ぴょん吉
ぴょん吉

ターンアラウンドも同じII-Vの繰り返しだから、1つ覚えればいろんなところで使い回せるんだよね

ぽん太博士
ぽん太博士

そこがブルースの美味しいところなのじゃ


演奏時のポイント

イントロ: ラスト4小節(Gm7→C7→F7→Gm7 C7)が定番です。F7一発でリズムを出してからテーマに入るパターンもあります。ブルースなのでテンポとフィールが伝わればOKです。

ぴょん吉
ぴょん吉

Billie’s Bounceと同じイントロでいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。同じFのブルースじゃから、イントロの型は共通なのじゃ。テーマのメロディで「あ、Now’s The Timeだ」とわかる仕組みじゃからのう

テンポとフィール: ♩=140〜160のミディアムスウィングが多いです。パーカーのオリジナルも♩=130程度です。ゆったりしている分フレーズの「間」がよく聴こえるので、「弾きすぎない」ことがこの曲のソロでは最重要です。

アウトロ: 最後のF7でリタルダンドして終わるのが最もシンプルです。エンディングで悩むことはほぼない曲です。


実践で使えるTips

ソロの回し方: 12小節なので2〜3コーラス以上が標準です。終わりたいときはラストコーラス頭でテーマのモチーフを引用すると周りが察してくれます。

テーマのメロディを活かしたソロ: テーマのモチーフをソロ中に引用して展開するのはパーカー自身もやっている手法です。リズムパターンを借りて別の音で弾いたり、断片をソロ冒頭に使って発展させたりします。メロディックなソロの練習に最適です。

ぴょん吉
ぴょん吉

テーマのフレーズをソロに混ぜていいんだ!

ぽん太博士
ぽん太博士

むしろ積極的にやるべきなのじゃ。テーマとソロがつながっている方が音楽として自然でのう。パーカーの録音を聴くと、ソロの中にテーマの断片がさりげなく入っておるぞい

コール方法: 「Now’s The Time」で通じます。キーはほぼFです。「Fのブルース」だとBillie’s Bounceと被るので曲名を明確にしましょう。

ぴょん吉
ぴょん吉

「Fのブルース」だけだとBillie’s Bounceとかぶるんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。テーマが違うから「Now’s The Timeで」と曲名を言うのが大事じゃぞい。あるいは逆に「Fのブルースならなんでもいい」という場面もあって、そのときはどちらでも対応できるようにしておくのがセッションプレイヤーの嗜みなのじゃ


名演・参考音源

ぽん太博士
ぽん太博士

最後に参考音源を紹介しておくぞい。Now’s The Timeはパーカーの録音がまず必聴じゃからのう

Charlie Parker — Now’s The Time (1945, Savoy)

オリジナル録音です。パーカーのソロはブルースフレーズの教科書です。ソロでのメロディックな展開が見事で、若きMiles Davisのソロも聴きどころです。

Sonny Rollins — Now’s the Time! (1964)

Rollinsがテナーの太い音でブルースを歌い上げます。Herbie Hancockとの共演で、フレーズコピーに取り組みやすい音源です。

Dexter Gordon — Live at Jazzhus Montmartre (1967)

コペンハーゲンのJazzhus Montmartreでのライブ録音です。Dexter Gordonのテナーがゆったりとブルースを歌い上げ、ミディアムテンポでフレーズの間の取り方が参考になります。

ぴょん吉
ぴょん吉

まずはパーカーのオリジナルから聴いてみる!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。テーマのメロディを口ずさめるくらいまで聴き込むのじゃぞい。ブルーススケールの音がどう使われているか、耳で確認するのが一番の近道じゃからのう


関連曲ガイド


まとめ

ぴょん吉
ぴょん吉

Now’s The Timeって、コード進行はBillie’s Bounceと同じなのにテーマが全然違うんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。だからこそ「メロディが曲を決める」ということがよくわかる教材なのじゃ。コード進行を覚えたら、次はテーマのメロディをしっかり歌えるようにすることが大事じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Fブルーススケール1発で通して、余裕が出たらコードごとにスケールを使い分ける…と

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ、それでいいぞい。ミディアムテンポだから焦る必要はない。間を大事にして、テーマのモチーフを活かしたソロを目指すのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

よし、まずテーマのメロディ覚えてくる!

ぽん太博士
ぽん太博士

よし、いい心がけじゃぞい。パーカーの録音を10回聴いて、口ずさめるようになってからセッションに行くのじゃぞい

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