Doxy コード解析&セッションガイド

S029 eyecatch スタンダード解析
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Doxy コード進行 解析&セッションガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士〜!Doxyってどんな曲?名前だけは聞いたことあるんだけど

ぽん太博士
ぽん太博士

Sonny Rollinsが1954年に書いたブルース系のスタンダードじゃぞい。Miles DavisのアルバムBags’ Grooveに収録されたのが初出でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

ブルース系!12小節ブルースとは違うの?

ぽん太博士
ぽん太博士

いい質問じゃのう。Doxyは32小節のAABA形式なんじゃが、サウンドがブルージーなのが特徴でのう。ドミナント7thコードが連続する「ブルース的な語法」で書かれているんじゃぞい

Doxy の基本データ

項目 内容
曲名 Doxy(ドキシー)
作曲 Sonny Rollins (1954)
キー Bb
フォーム AABA / 32小節
テンポ ♩=120–160
フィール Medium Swing
セッション頻出度 ★★★★☆
難易度 ★☆☆☆☆
ぽん太博士
ぽん太博士

テンポはミディアムスウィングで、グルーヴ重視の曲じゃぞい。速すぎず遅すぎず、ノリの良いテンポでやるのが最高なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

セッション頻出度も結構高いんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

インストセッションの定番でのう。ブルース系だから楽器問わず参加しやすいし、テーマのメロディがシンプルで覚えやすいのが人気の理由じゃぞい


Doxy のコード進行と分析

コード進行表
コード進行表
  1. Aセクション冒頭は半音下行のドミナント7thBb7 → Ab7 → G7とドミナント7thがクロマチックに降りていく動きがDoxyのリフの骨格です。その後C7 → F7と続きます。

  2. 全コードがドミナント7th。マイナー7thもメジャー7thもほぼ出てきません。ドミナント7th連続はブルースの語法で、機能和声より「サウンドの色彩」で聴く音楽です。

ぴょん吉
ぴょん吉

全部ドミナント7thって、分析するとどうなるの?

ぽん太博士
ぽん太博士

正直なところ、ローマ数字で分析しようとするとあまり意味がないんじゃぞい。Bb7 → Ab7 → G7は「半音ずつ降りるドミナント」としか言いようがないのでのう。「ブルースのサウンドだ」と受け入れる方が早いのじゃ

  1. Aセクション後半(5〜8小節目)でI-IV進行が登場。Bb7 → Eb7はI7 → IV7で12小節ブルースと同じ動きです。Edim7はパッシングディミニッシュ(Eb7→Bb7間の経過和音)で、ジャズブルースの定番テクニックです。

  2. Bセクション(ブリッジ)もAの後半と同じ進行。つまり実質的に覚えるパターンは1つだけです。

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。AとBがほぼ同じだから、Aセクションを覚えたらBも弾けてしまうぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

32小節あるのに覚えることがほとんどないって、すごいシンプルだね!

ぽん太博士
ぽん太博士

Rollinsは天才的にシンプルなリフを書く人でのう。St. Thomasもそうじゃが、少ない素材で最大限のグルーヴを生み出すのが彼の持ち味なのじゃ


Doxy のスケールガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

全部ドミナント7thだから、スケールもシンプルでいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

ブルースの曲は「スケール」というより「フィーリング」で弾く部分が大きいんじゃが、もちろん整理しておくとソロが楽になるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

ブルースフィーリングで弾く…って具体的にはどうすればいい?

ぽん太博士
ぽん太博士

まずはこれじゃ

まずはこれだけ覚えましょう

ぽん太博士
ぽん太博士

Bbブルーススケール(Bb Db Eb E F Ab Bb)で全編通せるぞい。ドミナント7thの連続だから、ブルーススケールとの相性が抜群なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

またペンタ系1つでいけるパターン!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。ブルーススケールはマイナーペンタにb5(E音、いわゆるブルーノート)を足したものでのう。これ1本でRollinsっぽいサウンドが出せるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

もう少し色を出したくなったら?

ぽん太博士
ぽん太博士

Bbミクソリディアン(Bb C D Eb F G Ab Bb)に切り替えるんじゃ。ブルーススケールが「泥臭いブルース」なら、ミクソリディアンは「洗練されたジャズ」の響きでのう。この2つを混ぜると幅が広がるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

ブルース + ミクソリディアン、2つ覚えればいいんだ

ぽん太博士
ぽん太博士

その通りじゃぞい。まずはブルーススケールでリフっぽく弾いて、慣れたらミクソリディアンでスムーズなラインも入れていくのが上達の近道じゃのう

余裕が出たらコードごとに見てみましょう

ぴょん吉
ぴょん吉

コードが変わるときにスケールも変える方がいい?

ぽん太博士
ぽん太博士

この曲はブルース1発で通せるのが魅力じゃが、コードトーンを意識すると確実にレベルが上がるぞい

Aセクション(1〜8小節):Bbブルースの世界

Aセクションのコード進行
Aセクションのコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

Bb7はBbミクソリディアン。Ab7はAbミクソリディアン。G7はGミクソリディアン。各コードのミクソリディアンを弾くと、コードチェンジに沿ったラインが作れるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

でも半音ずつ降りるんでしょ?追いかけるの大変じゃない?

ぽん太博士
ぽん太博士

だからこそブルーススケール1発が便利なのじゃ。コードの動きが速いところはブルーススケールで乗り切って、Bb7が何小節か続くところでミクソリディアンを使う、というハイブリッドが実践的じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

なるほど、使い分けるんだ

ぽん太博士
ぽん太博士

それとC7 → F7のII-Vの部分。ここはCミクソリディアン → Fミクソリディアンと弾くと、Bb7への解決感が強まるぞい。ただし最初のうちはブルーススケールで押し通してまったく問題ないのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

Eb7とEdim7のところは?

ぽん太博士
ぽん太博士

Eb7はBbブルーススケールがそのまま使えるぞい。Edim7はパッシングだから、半音アプローチ(Edim7の上でE音からBb7のBb音に半音で繋ぐ)で処理するとスムーズじゃのう。最初は意識しなくていいぞい

Bセクション:Aの後半と同じ

Bセクションのコード進行
Bセクションのコード進行
ぴょん吉
ぴょん吉

BセクションはAと同じって言ってたよね?

ぽん太博士
ぽん太博士

その通りなのじゃ。Aセクションの5〜8小節と同じ進行がBセクションの1〜4小節にも出てくるぞい。だから新しいスケールを覚える必要はまったくないのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

この曲、本当に覚えること少ないなあ

ぽん太博士
ぽん太博士

そのぶん「グルーヴ」と「ブルースフィーリング」に全集中できるのが、この曲の美点なのじゃぞい


演奏時のポイント

イントロ: テーマのリフ(Bb7 → Ab7 → G7のクロマチック下行)をそのままイントロにするのが最も多いパターンです。ドラムのカウントからすぐテーマに入ることもあります。

ぴょん吉
ぴょん吉

リフがそのままイントロになるって、わかりやすくていいね

ぽん太博士
ぽん太博士

Rollinsの曲はリフが強力だから、それを活かすのが正解なのじゃ

テンポとフィール: ♩=130〜150のミディアムスウィングが最適。速すぎるとグルーヴが出にくく、遅すぎると曲のキャラクターが変わります。

アウトロ: Aセクションのリフ(Bb7 → Ab7 → G7 → C7 → F7 → Bb7)を2回繰り返してエンディングです。最後はBb7一発で全員止めが定番です。


実践で使えるTips

ソロの回し方: 32小節のAABA、ソロは2〜3コーラスが一般的です。「歌うように弾く」のがこの曲のソロの鍵です。Rollinsのオリジナル音源のメロディックかつリズミカルな展開が手本になります。

リフを活用する: テーマのリフ(半音下行パターン)をソロ中に引用すると、音楽的な一体感が生まれます。Rollins自身もテーマのモチーフをソロ内で発展させる名人です。

ぴょん吉
ぴょん吉

テーマのリフをソロに入れるのかっこいいよね

ぽん太博士
ぽん太博士

「モチーフ・ディベロップメント」というやつじゃぞい。Rollinsの十八番でのう。最初は元のリフをそのまま弾いて、次に少し変形させて、さらに発展させる…という手法じゃのう

コール方法: 「Doxy」で通じます。キーはBb固定です。テンポは「ミディアムで」で十分です。
Billie’s Bounceと同じくブルース系定番で、Satin Dollと並ぶスウィング系セッション頻出曲です。


名演・参考音源

ぽん太博士
ぽん太博士

Rollinsの曲はRollins自身の演奏が最高の教科書じゃぞい

Sonny Rollins — Bags’ Groove (Miles Davis) (1954)

オリジナル録音です。Miles Davis、Monk、Horace Silver参加。Rollinsのテナーが太く歌い上げるソロはこの曲のお手本です。グルーヴ感が凄まじい演奏です。

Sonny Rollins — Saxophone Colossus (1956)

St. Thomasと同じアルバムに収録されています。よりリラックスした演奏で、バンド全体のグルーヴを楽しめます。

Dexter Gordon — Go! (1962)

Dexter Gordonのレイドバックしたテナーによる解釈です。Rollinsとは対照的にルーズでスウィンギーな演奏で、聴き比べると面白いです。

ぴょん吉
ぴょん吉

まずSaxophone Colossusから聴いてみる!St. Thomasと一緒に覚えられるし

ぽん太博士
ぽん太博士

いい選択じゃぞい。あのアルバムはジャズ史に残る名盤だから、全曲通しで聴くんじゃのう


関連曲ガイド


まとめ

ぴょん吉
ぴょん吉

ドミナント7th連続のブルース曲って、分析するより弾いた方が早い感じだね

ぽん太博士
ぽん太博士

まさにその通りじゃぞい。理屈より先に体がグルーヴを覚えるタイプの曲でのう。Bbブルーススケールを握りしめてセッションに行けば、間違いなく楽しめるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

ブルーススケール1本で挑戦してみる!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。ただしグルーヴだけは手を抜くなよ。この曲はノリが全てじゃぞい。リズムが気持ちよければ、1音だけでもカッコよく聞こえるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

リズム第一、了解!

ぽん太博士
ぽん太博士

よし、Rollinsのソロを10回聴いてからセッションに行くんじゃぞい

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