Round Midnight コード解析&セッションガイド

S023 eyecatch スタンダード解析
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Round Midnight コード進行 解析&セッションガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士〜!Round Midnightっていう曲、セッションで聴いてかっこよかったんだけど、あれ自分でもできる?

ぽん太博士
ぽん太博士

おお、Round Midnightか!Thelonious Monkの代表曲じゃぞい。ジャズミュージシャンが書いた曲の中で、最も録音された曲と言われておるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

そんなにすごい曲なの!?

ぽん太博士
ぽん太博士

Monkが18歳のときに書いたと言われておってのう。1944年にCootie Williamsのオーケストラが初録音して、後にDizzy Gillespieがあの有名なイントロを付けたんじゃ。イントロ込みで「Round Midnight」として定着しておるぞい

Round Midnight の基本データ

項目 内容
曲名 Round Midnight(ラウンド・ミッドナイト)
作曲 Thelonious Monk (1944)
キー Ebm
フォーム AABA / 32小節
テンポ ♩=55–75
フィール Ballad
セッション頻出度 ★★★★☆
難易度 ★★★☆☆
ぽん太博士
ぽん太博士

Monk自身が初めてリーダー録音したのが1947年。Blue Noteの名盤に入っておるぞい。1957年のソロピアノ版『Thelonious Himself』も必聴じゃのう

ぴょん吉
ぴょん吉

マイナーキーのバラードって、なんか暗そう…

ぽん太博士
ぽん太博士

暗いというよりは「深い」というのが正しいのう。真夜中の静けさを音にしたような曲でのう。クロマチックな動きとトライトーン代理が絡み合って独特の色気がある曲じゃぞい


Round Midnight のコード進行と分析

Round Midnight コード進行表
Round Midnight コード進行表
  1. Aセクション冒頭はEbm7から始まるマイナーバラードの王道。ベースが半音で下がり、Cm7(b5)→Abm7→Db7と動きます。Abm7→Db7はGbキーのII-Vですが、Gbに解決せずEbm6に戻るMonk流の偽終止です。

  2. 4小節目がこの曲最大の特徴です。Bm7→E7→Bbm7→Eb7と1小節にII-Vが2つ並ぶクロマチックII-Vになっています。Bm7→E7はAキー、Bbm7→Eb7はAbキーのII-Vで、半音下がりながら連鎖します。最初は「何が起きているかわからない」のが普通です。

ぴょん吉
ぴょん吉

1小節にコード4つ!?しかもII-Vが2つ!?

ぽん太博士
ぽん太博士

バラードだからテンポは遅いぞい。♩=60くらいなら1小節4秒あるから、コード1つにつき1秒。慌てず1コードずつ追いかければ大丈夫じゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

でもBm7→E7ってEbmと全然関係なくない?

ぽん太博士
ぽん太博士

そこがMonkの面白いところでのう。Bm7→E7はEbm7から見ると「半音上のII-V」なんじゃ。つまりEbm7のすぐ外側に一瞬飛び出して、Bbm7→Eb7で半音戻ってくる。クロマチックな「寄り道」と考えるとわかりやすいぞい

  1. 5〜6小節目はサブドミナント領域です。Abm7→Db7(IVm7→bVII7)で安定し、Ebm7→Ab7でトニックに落ち着きます。

  2. 7小節目のCm7(b5)→B7(#11)が絶妙です。B7(#11)はトライトーン代理でBb7への橋渡し。C→B→Bbと半音ずつ下がるベースラインが「夜の雰囲気」を作っています

ぽん太博士
ぽん太博士

Aセクションを一言でまとめると「Ebmのトニックから始まって、クロマチックII-Vで色を付けて、半音下降のターンアラウンドで頭に戻る」。これがRound Midnightの骨格なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

半音の動きがとにかく多いんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。この曲のクロマチックな美しさは、全部「半音」から来ておるぞい

  1. Bセクション(17〜24小節)はCm7(b5)→B7(#11)→Bb7のパターンが繰り返されます。Aセクションと同じ素材でV7(Bb7)への解決を引き延ばす構造です。「Bセクション=半音下降の世界」と覚えると全体の地図が見えます

  2. 21〜24小節目がBセクションの出口です。Abm7→Fm7→Bb7(IVm7→IIm7→V7)でEbmキーに帰還します。Fm7→Bb7のII-Vで最後のAセクションに接続します。

ぴょん吉
ぴょん吉

Bセクション、同じコードの繰り返しが多いから覚えやすいかも

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。BセクションはAセクションほど複雑ではないんじゃ。Cm7(b5)→B7→Bb7の流れを体で覚えてしまえば、半分は攻略完了じゃぞい


Round Midnight のスケールガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士、コード進行はなんとなくわかった。でもスケールは何を弾けばいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

この曲はコードチェンジが多いから、全コードにスケールを当てるのは上級者の仕事じゃぞい。まずはシンプルにいこうかのう

ぴょん吉
ぴょん吉

お願いします…

まずはこれだけ覚える

ぽん太博士
ぽん太博士

Aセクション全体はEbマイナーペンタトニック(Eb-Gb-Ab-Bb-Db)で乗り切れるぞい。ペンタトニックはこの曲のキーのど真ん中の音だけで構成されているから、4小節目のクロマチックII-Vのところでも大きくは外れないのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

え、あの難しそうな4小節目もペンタで大丈夫なの?

ぽん太博士
ぽん太博士

「完璧に合う」とは言わんが、「致命的に外れない」のがペンタの強みなのじゃ。バラードだから音数を絞って、コードチェンジのタイミングではロングトーンで逃げるのもアリじゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

BセクションもEbマイナーペンタでいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

BセクションもEbmキーの中にいるから、Ebマイナーペンタで基本は対応できるぞい。Bb7に解決するところだけBbオルタードの響きを意識できるとなおいいが、最初はペンタ1発で通して曲の形を覚えることが先じゃ

余裕が出たらコードごとに

ぴょん吉
ぴょん吉

ペンタで1コーラス通せるようになったら、次は何を意識すればいい?

ぽん太博士
ぽん太博士

よし、ポイントになるところだけ押さえていこうかのう

Aセクション(1〜8小節):Ebmキー

Aセクションのコード進行
Aセクションのコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

Ebm7はEbドリアンが基本じゃのう。Cb(=B)音がドリアンの特性音で、エオリアンとの違いはここだけ。3小節目のEbm6ではメロディックマイナーも使えるぞい。6度のC音がm6の響きと合うんじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

4小節目のBm7→E7→Bbm7→Eb7はどうすればいいの?

ぽん太博士
ぽん太博士

ここが一番の難所でのう。Bm7→E7にはBドリアン→Eミクソリディアン、Bbm7→Eb7にはBbドリアン→Ebミクソリディアン。ただし最初のうちは各II-Vのルートだけ追いかけて、あとはEbマイナーペンタで繋ぐ方がバラードらしく聞こえるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

ルートだけ追いかけるって、どういうこと?

ぽん太博士
ぽん太博士

コードが変わるタイミングでそのコードのルート音を弾く。B→E→Bb→Eb。たったこれだけで「コードについていっている」感じが出るんじゃ。バラードだから、全部のコードにスケールを合わせなくても音楽として成立するぞい

ぽん太博士
ぽん太博士

5小節目のAbm7→Db7はAbドリアン→Dbミクソリディアン。GbキーのII-V-Iの響きで、Gbメジャースケールの音でカバーできるぞい。6小節目のEbm7→Ab7はEbドリアン→Abミクソリディアン。ここはホームキーの音なのでリラックスして弾けるはずじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

7小節目のCm7(b5)→B7(#11)は?

ぽん太博士
ぽん太博士

Cm7(b5)はCロクリアンじゃが、Db音(b9)がルートCの半音上で濁りやすいから経過音として使うのが無難じゃ。B7(#11)はBリディアンb7が合うぞい。ただし、ここは半音下降のラインを意識する方が大事で、C→B→Bbとルートを追うだけでもかなり様になるぞい

Bセクション(17〜24小節):V7への解決

Bセクションのコード進行
Bセクションのコード進行
ぴょん吉
ぴょん吉

Bセクションは同じパターンの繰り返しだから、スケールもシンプル?

ぽん太博士
ぽん太博士

1〜4小節目のCm7(b5)→B7(#11)→Bb7はAセクションのターンアラウンドと同じ素材じゃから、さっき覚えたスケールがそのまま使えるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

5〜8小節目は?

ぽん太博士
ぽん太博士

Abm7はAbドリアン、Fm7はFドリアン、Bb7はBbオルタード。21〜22小節目のAbm7→Fm7→Bb7はEbmキーに帰るII-V系の進行で、Ebマイナーペンタで通すこともできるぞい。Bb7のところだけオルタードの響きを入れられると「戻ってきた感」が出るのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

Bbオルタードってどの音?

ぽん太博士
ぽん太博士

Bb-B-Db-D-E-Gb-Ab。半音階的な音が多いスケールでのう。最初はBb7の上でb9(B=Cb)とb13(Gb)だけ意識するといいぞい。この2音がEbmに解決する「引力」を生むのじゃ


演奏時のポイント

イントロ: Dizzy Gillespieが付けた有名なイントロが暗黙の了解です。Am7(b5)→D7(#9)→Gm7(b5)→C7(#9)→Fm7(b5)→Bb7(#9)→Ebm7と半音ずつ下降するii-V連鎖がその正体です。ピアノがルバートで弾き始め、テーマ頭からインテンポに入るパターンが多いです。

ぴょん吉
ぴょん吉

イントロを覚えないとダメなの?

ぽん太博士
ぽん太博士

テーマを弾く人(フロント楽器)は覚えた方がいいぞい。リズムセクションはコード進行を見ながら合わせればいいが、テーマのメロディとイントロは一体化しているから、イントロなしだと「あれ?」となる人が多いのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

ルバートで始まるのが怖い…

ぽん太博士
ぽん太博士

ルバートはテンポを自由にできるということじゃから、逆に言えば間違えても目立ちにくいぞい。フロントの歌い方にドラムとベースが合わせてくれるから、堂々とやればいいのじゃ

テンポとフィール: ♩=55〜65のスローバラードがほぼ固定です。ドラムはブラシ、ベースは2ビートか4ビート。フレーズを詰め込みすぎるとこの曲の静謐な雰囲気が壊れます。

アウトロ: Ebmaj7(#11)で止まるのが一般的です。ピカルディ終止(マイナーキーをメジャーで終わる)で独特の余韻が残ります。


実践で使えるTips

ソロの回し方: バラードなので1〜2コーラスが標準です。少ない音で歌う方がこの曲に合います。マイルスの録音を聴くと驚くほど音数が少ないことに気づくはずです。

4小節目のクロマチックII-Vの乗り越え方: 対処法は3つあります。(1)各コードのルートだけ追う、(2)Ebマイナーペンタで通す、(3)弾かずに休む。バラードでは「弾かない」も立派な選択肢です。

ぴょん吉
ぴょん吉

弾かないのもアリなの?

ぽん太博士
ぽん太博士

Milesがこの曲を演奏するとき、4小節目で音を減らすか完全に間を空けることが多いのじゃ。コードが忙しい小節で無理にフレーズを入れるより、潔く空白を作る方がバラードとしては格段に美しいぞい

コール方法: 「Round Midnight」で通じます。キーは99% Ebマイナーです。「イントロ付きで」と確認すればスムーズです。中級者向けの認識があるので、MistyBody and Soulでバラードに慣れてから挑むのがおすすめです。


名演・参考音源

ぽん太博士
ぽん太博士

この曲は録音が膨大にあるから、まず3つだけ聴いてみるといいぞい

Thelonious Monk — Thelonious Himself (1957)

作曲者本人によるソロピアノ版。Monk独特の「間」が堪能できる原点です。テーマの歌い方を覚えるならまずこれです。

Miles Davis — Round About Midnight (1957)

Milesのミュート・トランペットとColtraneのテナーの共演です。Gillespieイントロが定着したのはこの録音の影響が大きく、セッションの「原型」と言えます。

Wes Montgomery — The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery (1960)

ギターで聴くならこれです。Wesのオクターブ奏法とシングルノートの使い分けがバラードの温かみを引き出す名演です。テンポ感がちょうどよく、コピー入門に最適です。

ぴょん吉
ぴょん吉

Miles版を聴いてみるよ!あのイントロも覚えたいし

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。Miles版のイントロがセッションの「標準」になっておるから、まずあれを何度も聴いて体に入れるんじゃぞい。Monk版はその後に聴くと、原曲の骨格がよくわかるぞい


関連曲ガイド


まとめ

ぴょん吉
ぴょん吉

Ebmのマイナーバラードで、クロマチックII-Vと半音下降がポイント…覚えた!

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。4小節目のクロマチックII-Vは最初は捨てていい。Ebマイナーペンタで全体を通して、曲の形を体に覚えさせることが先じゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

イントロも覚えなきゃ!

ぽん太博士
ぽん太博士

イントロは半音下降のii-V連鎖じゃから、パターンを覚えれば弾ける。まずMiles版を10回聴いて、テーマとイントロを耳で覚えてからセッションに臨むんじゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

よし、やってみる!

ぽん太博士
ぽん太博士

…ただしのう、この曲はバラードの中でも「聴かせる力」が問われる曲じゃ。テクニックより音楽性が大事だぞい。一音一音を大切に弾くんじゃぞい

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