Summertime コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!Summertimeってジャズの曲なの?クラシックの曲なの?

いい質問じゃのう。元はGershwinがオペラ『Porgy and Bess』のために1935年に書いた曲なんじゃが、今やジャズスタンダードの代名詞みたいな存在になっておるぞい

オペラ発なんだ!でもセッションでよく聴くよね

おそらくジャズ史上最も多くカバーされた曲のひとつじゃぞい。超スローバラードからアップテンポまで、何でもアリの懐の深い曲なのじゃ
Summertime の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Summertime(サマータイム) |
| 作曲 | George Gershwin (1935) |
| キー | Gm(Am, Dmも多い) |
| フォーム | AB / 16小節 |
| テンポ | ♩=60–180 |
| フィール | Ballad / Swing |
| セッション頻出度 | ★★★★★ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |

セッション頻出度は最高じゃぞい。楽器問わず、ボーカルセッションでもインストセッションでも定番でのう。キーはGm、Am、Dmあたりが多いんじゃが、ボーカルの人が入ると別のキーになることもよくあるぞい

テンポ幅すごいね!60から180って…

そこがこの曲の面白さでのう。バラードでしっとりやっても成立するし、アップテンポでガンガン飛ばしても成立する。セッションでは♩=80〜120くらいが一番多い印象じゃが、何でもアリなのじゃ
Summertime のコード進行と分析

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16小節のAB構成で、A8小節+B8小節で1コーラスです。Am7(b5) → D7(b9) → Gm7のマイナーII-V-Iが曲全体の骨格で、マイナーキーの練習台として最適です。
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Aセクション冒頭はGm7が2小節です。2小節目後半でAm7(b5) → D7(b9)のマイナーII-Vが入り、この形が繰り返し登場します。体に染み込ませるのが最優先です。

マイナーII-Vばっかりだね!

その通りなのじゃ。Am7(b5) → D7(b9) → Gm7のマイナーII-V-Iが骨格でのう。これさえ押さえれば、あとは装飾みたいなものじゃぞい
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Aセクション後半(5〜8小節目)で一瞬広がります。Cm7(IVm7)とEb7(bVI7)で色彩が変化します。Cm7はGmのサブドミナント、Eb7はブルーノートを含む色彩和音です。
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Bセクション(9〜16小節目)はAセクションの変形です。最初の4小節はAとほぼ同じです。12小節目あたりでF7 → Bb7がBbmaj7に一瞬解決してからGm7に戻る流れが聴きどころです。最後の2小節はターンアラウンドで頭に戻します。

要するに全体を通じてGmの世界から大きく逸脱しないのじゃ。転調がないぶん、マイナーキーの響きにじっくり浸れる曲じゃぞい

Blue Bossaみたいに転調で焦ることはないんだね

そうなのじゃ。その代わり、コード進行が似た形の繰り返しだから、ソロで単調にならない工夫が必要になるんじゃのう
Summertime のスケールガイド

博士、スケールは何を使えばいい?転調ないならシンプル?

基本的にGマイナー系1本でいけるから、かなりシンプルじゃぞい

やった!

だが「シンプル=簡単」とは限らんのがこの曲の奥深さでのう
まずはこれだけ覚える

全編Gマイナーペンタトニック(G Bb C D F)で通せるぞい。これだけで8割はカバーできるのじゃ

ペンタ1つで全部いけるの!?

うむ。マイナーペンタは音数が少ないから外れにくいんじゃのう。ブルースフィーリングも出せるし、最初のうちはこれで十分じゃぞい

もうちょっと色を出したくなったら?

Gドリアンスケール(G A Bb C D E F G)に拡張するんじゃ。ペンタにE音とA音を足したもの。特にE音(長6度)がドリアンの特徴音で、これを入れるとジャズっぽい明るさが出るぞい

ペンタ → ドリアン、段階的にいけばいいんだね

その通りじゃぞい。まずはペンタで1コーラス通せるようになって、慣れたらドリアンに格上げしていけばいいのじゃ
余裕が出たらコードごとに

もっと突っ込んだスケール使いを知りたくなったら?

よし、コード別に見ていこうかのう
Aセクション(1〜8小節):Gmキー


Gm7はGドリアンが基本じゃのう。E音(長6度)を意識的に使うとドリアンらしい明るさが出るぞい

Am7(b5)とD7(b9)のマイナーII-Vは?

Am7(b5)はAロクリアンなんじゃが、正直ここはGドリアンのまま弾いても大きく外れないぞい。D7(b9)はDコンディミが定番じゃのう。b9のEb音を意識するとGm7への解決感が強まるのじゃ

コンディミってどう使うの?

D Eb F F# A Bb C C#…半音・全音の繰り返しじゃぞい。難しく聞こえるが、まずはD7のコードトーン(D F# A C)にb9のEbを足すだけで雰囲気が出るんじゃのう。無理にスケールを全部弾く必要はないぞい

Cm7のところはどうすればいい?

Cm7はCドリアンじゃが、ここもGドリアンのまま弾いて問題ないのじゃ。Eb7はEbミクソリディアンが教科書的じゃが、Gマイナーペンタのまま押し通してもサウンドするぞい。この曲はペンタの守備範囲が本当に広いのじゃ

ペンタ最強説!

この曲に限ってはかなり最強じゃぞい。だがD7(b9)だけは少し意識を変えると劇的に良くなるから、そこだけ練習するのがコスパいいのじゃ
Bセクション(9〜16小節):Gmキーのまま


BセクションもGドリアンでいけるの?

基本的にいけるぞい。12小節目あたりのF7 → Bb7は一瞬Bbメジャーの香りがするんじゃが、Gマイナーペンタでそのまま弾いても外れないのじゃ。余裕があればBb7のところでBbメジャーペンタを混ぜると、一瞬明るくなって面白いぞい

やっぱりこの曲、ペンタで全部いけちゃうんだね

だからこそ初心者がペンタの使い方を磨くのに最適な曲なのじゃ。ペンタの中でどう音を選ぶか、リズムをどう変えるか。そこに表現力の全てが詰まっているぞい
演奏時のポイント
イントロ: ベースやピアノがGm7のペダルを4〜8小節弾いてテーマに入るのが最もシンプルです。凝ったイントロより雰囲気の提示がセッション向き。

バラードっぽく入る感じ?

テンポ次第じゃのう。スローなら静かに入って、アップテンポならリズムを先に出す方がいいぞい
テンポとフィール: セッションでは♩=80〜120が多い印象です。
スローバラードならルバートで始めてテンポを出すパターンもあり、アップテンポだとかなりエネルギッシュに変化します。コール時にテンポを明示すること。
アウトロ: Am7(b5) → D7(b9) → Gm7で着地が定番。バラードならGm9でフェルマータ、アップテンポならマイナーII-V-Iを繰り返してフェードアウトもあり。
実践で使えるTips
ソロの回し方: 16小節と短いので、バラード2コーラス、アップテンポ3〜4コーラスが目安です。AとBが似ているため「今どこにいるか」を常に意識するのが最重要です。
ボーカルセッションでの注意: ボーカルのコール率が非常に高い曲です。キーがGm以外になることも多いので必ず確認しましょう。Am、Dm、Gmが主流ですが、声域次第でBmやEmもあり得ます。

キー変わるとスケールも変わるよね?

形は同じじゃぞい。Gmで覚えたパターンをそのまま別のキーにずらすだけでのう。マイナーペンタの指の形はどのキーでも同じだから、ペンタで弾ける人ならキー変更も怖くないのじゃ
コール方法: 「Summertime」で通じますが、テンポとキーは必ず伝えること。「Gマイナーでスローに」「Aマイナーでミディアム」など。
Autumn Leavesと並ぶセッション最頻出曲で、Softly As in a Morning Sunriseと同じくマイナーキーの定番です。
名演・参考音源

この曲はカバーが膨大にあるから、まず3つに絞って紹介するぞい
Miles Davis & Gil Evans — Porgy and Bess (1958)
Gil Evansのオーケストラ編曲でオペラの世界観をジャズに昇華した名盤です。Milesのミュートトランペットが切なく美しいです。Summertimeの「原点」を知るならこの1枚です。
John Coltrane — My Favorite Things (1961)
Coltraneのソプラノサックスによるモーダルなアプローチです。原曲の枠を超えた即興の到達点で、「ペンタの先」を知りたくなったときに聴くべき1枚です。
Ella Fitzgerald & Louis Armstrong (1957)
ジャズボーカルの最高峰によるデュエットです。楽器奏者にとってもフレージングの教科書になります。この曲を「歌モノ」として理解するための必聴盤です。

まずMiles版から聴いてみる!

うむ。あの音色を聴いたら、この曲が特別な曲だとわかるはずじゃぞい
関連曲ガイド
- Autumn Leaves コード解析&セッションガイド — セッション最頻出。メジャー/マイナーII-V-Iが交互に出てくる構造で、Summertimeで覚えたマイナーII-Vの知識が活きます。
- Softly As in a Morning Sunrise コード解析&セッションガイド — マイナーキーの定番曲。Summertimeより少しコード進行が複雑で、次のステップに最適。
まとめ

ペンタ1つで16小節を乗り切れる、最強の入門曲だね!

そうじゃのう。じゃが「簡単だから深くない」わけではないぞい。Miles Davisのあの数音だけのソロを聴けばわかるように、少ない音でどれだけ表現できるかがこの曲の本質なのじゃ

まずはペンタで弾いてみて、そこから広げていく!

うむ、いい心がけじゃぞい。テンポとキーだけはしっかり決めてからセッションに臨むんじゃのう

了解!「Gマイナーでスロー」って言えばいいんだよね

それで十分じゃぞい。あとは雰囲気を楽しむんじゃのう


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