Take The A Train コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!セッションで「A Train」やろうって言われたんだけど、やったことなくて!

おお、Take The A Trainか。セッションの超定番中の定番じゃぞい

「A列車で行こう」ってやつだよね。名前は知ってるけど弾いたことない…

Cメジャーの曲で、コード進行もシンプル。ただし3-4小節目のD7(#11)がこの曲のミソでのう。そこさえ押さえれば怖くないぞい
Take The A Train の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Take The A Train(A列車で行こう) |
| 作曲 | Billy Strayhorn (1941) |
| キー | C |
| フォーム | AABA / 32小節 |
| テンポ | ♩=140–200 |
| フィール | Medium-Up Swing |
| セッション頻出度 | ★★★★★ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |

1941年、Billy StrayhornがDuke Ellingtonのバンドのために書いた曲でのう。タイトルはニューヨーク地下鉄のA線のことで、StrayhornがEllingtonの家に行くための道案内がそのまま曲名になったんじゃぞい

地下鉄の路線名が曲名って面白いね!

実はStrayhornはこの曲を一度ゴミ箱に捨てたんじゃぞい。「Fletcher Hendersonの曲に似すぎてる」と言って。それをEllingtonの息子Mercerが拾ったおかげで、世界一有名なジャズテーマ曲が生まれたというわけじゃのう

危なかった…!
Take The A Train のコード進行と分析

-
Aセクション冒頭はC6が2小節続くCメジャーの明るい進行。Real BookではCmaj7表記もありますが、セッションではどちらも同じ扱いです。
-
3-4小節目のD7(#11)がこの曲の最大の特徴。ダイアトニック外のコードで、#IVdim7(F#dim7)をD7(#11)に置き換えたクロマティックアプローチ。#11の音(G#=Ab)が独特の浮遊感を生んでいます。

D7(#11)って何者なの?Cメジャーの曲にDドミナント7thが出てくるのが不思議なんだけど

いい質問じゃのう。元をたどるとF#dim7(#IVdim7)なのじゃ。CメジャーのダイアトニックにはないF#が含まれていて、半音上からDm7にアプローチする効果があるんじゃぞい

半音上からアプローチ…パッシングディミニッシュみたいなもの?

近い感覚じゃのう。D7(#11)はそのdim7をドミナント7thに置き換えたもので、#11(G#)がdim7のルートF#のエンハーモニック的な名残りなのじゃ。理屈はともかく、「この2小節は独特の響きがする場所」と耳で覚えるのが一番早いぞい
-
5-6小節目はDm7→G7、CメジャーのII-V。定番中の定番で迷う要素はありません。
-
7-8小節目はエンディング違いが2パターン。1番カッコはC6→Dm7 G7でトップに戻し、2番カッコはC6→Gm7 C7で、Bセクション(Fmaj7)へ向かうセカンダリーII-Vを作ります。

2番カッコのGm7→C7は、次のFmaj7に向かうためのセカンダリードミナントじゃぞい。FキーのII-Vになっているのじゃ

なるほど、ブリッジへの橋渡しなんだね
-
Bセクションは4小節間Fmaj7(IV)が続き、後半のD7→Dm7→G7で解決に向かいます。
-
Bセクション後半のD7→D7→Dm7→G7がラストAへの助走。このD7はAセクションのD7(#11)と同じルートだが、ここではV7/V(ドッペルドミナント)としてDm7→G7を呼び込む役割。

AセクションのD7(#11)とBセクションのD7って、同じD7なのに役割が違うの?

そうなのじゃ。Aセクションでは#IVdim7の代理で半音アプローチ、Bセクションではドッペルドミナント(V/V)。同じルートでも文脈が変わると機能が変わるのが面白いところじゃぞい

コードって奥が深いね…

まあ、弾く分にはどっちもDミクソリディアンで問題ないから、まずは弾けるようになってから理屈を深めればいいぞい
Take The A Train のスケールガイド

博士、スケールは何を弾けばいいの?

この曲はCメジャーが基本じゃから、実はかなりシンプルじゃぞい

Cメジャースケール1つでいけるの?

9割はそれでいける。ただしD7(#11)のところだけ、ちょっと工夫が要るのじゃ
まずはこれだけ覚える

いいかい、Aセクション全体はCメジャースケール(Cイオニアン)1発で弾ける。D7(#11)のところも、最初はCメジャースケールのまま弾いてしまって構わんぞい

え、D7(#11)のところもCメジャーでいいの?

厳密にはG#(#11)が入るから外れる音はあるんじゃが、初心者のうちはCメジャーで通して問題ないぞい。そもそもこのD7(#11)は2小節しかないから、流してしまえばそこまで目立たんのじゃ

BセクションのFmaj7は?

FmajだからFリディアンが理想だけど、CメジャースケールとFリディアンは構成音が全く同じなのじゃ。つまりBセクションもCメジャースケールで弾ける

え、じゃあ全部Cメジャーでいけるってこと!?

ほぼそうじゃぞい。だからこの曲は初心者に人気があるのじゃ。Cメジャー1発で32小節通せる曲なんて、そうそうないからのう
余裕が出たらコードごとに

Cメジャー1発で弾けるようになったら、次は何を試せばいい?

よし、コードごとのスケールを見ていこうかのう
Aセクション(1〜8小節):Cメジャーキー


C6はCイオニアン。これはCメジャースケールそのものじゃのう。リディアンの#4(F#)を混ぜるとちょっと洒落た響きになるぞい

D7(#11)のところは?ここが気になるんだけど

D7(#11)にはDリディアンb7(Dミクソリディアン#4)がぴったりなのじゃ。CメジャースケールにG#を1音足すだけでのう

1音足すだけ!?

そうじゃぞい。CメジャースケールのGをG#に上げるだけで、Dリディアンb7になるんじゃのう。D-E-F#-G#-A-B-Cという並びじゃぞい。このG#が#11の正体なのじゃ

それなら覚えやすいね!

Dm7→G7のII-Vは、DドリアンとGミクソリディアン。どちらもCメジャースケールの構成音と同じじゃから、ここも特に考えなくて大丈夫じゃぞい
Bセクション(17〜24小節):Fmaj7の世界


Bセクションは?Fmaj7が4小節続くんだよね

Fmaj7にはFリディアンが最適じゃぞい。さっき言った通り、CメジャースケールとFリディアンは同じ音の並びじゃから、Cメジャーで弾いていれば自動的にFリディアンになっているのじゃ

便利すぎない?

CメジャーキーのIVmaj7だから当然なんじゃが、この「同じスケールで違うコードの上を弾く」感覚は大事じゃぞい。同じCメジャースケールでも、Fmaj7の上で弾くとリディアンの響きになるのじゃ

後半のD7→Dm7→G7は?

D7はDミクソリディアン。ここのD7はAセクションのD7(#11)と違って#11がないから、普通のミクソリディアンでいいぞい。Dm7→G7はAセクションと同じII-Vじゃから、DドリアンとGミクソで問題ないのじゃ
ラストA(25〜32小節)


ラストAはAセクションと同じ進行じゃから、スケールも全く同じでいけるぞい

AABA形式って、Aを覚えれば75%カバーできるんだよね

その通りじゃぞい。しかもこの曲はBセクションもCメジャーの範囲内じゃから、実質100%同じスケールでいけるのじゃ。初心者にとってこれ以上ありがたい曲はないぞい
演奏時のポイント
イントロ: Dm7→G7→C6を2小節ずつ繰り返す4〜8小節のイントロが定番。Ellingtonバンドの録音ではホーンリフから入りますが、セッションではシンプルにII-Vで始めるのが安全です。

イントロ、シンプルでいいんだ!

この曲はテーマのメロディ自体が有名だから、サクッとイントロを済ませてテーマに入る方がカッコいいぞい
テンポとフィール: セッションでは♩=160〜180が多く、Medium-Upの4ビートスウィングが基本。コール時に「ミディアムで」と添えると♩=150前後に落ち着くことが多いです。
アウトロ: C6→Dm7→G7を繰り返してフェードアウトするか、Cmaj9でバシッと止めるかの二択。
実践で使えるTips
ソロの回し方: AABA32小節で2〜3コーラスが標準。Medium-Upだとあっという間に回るので、スペースを大事にした方がスウィング感が出ます。
D7(#11)攻略: D7(#11)の上でG#を意識的に使うと一気にこの曲らしさが出る。最初はここで休符を入れて5小節目のDm7から弾き直すのも立派な戦略です。

休符を入れていいんだ!

むしろスウィングでは休符の使い方が重要じゃぞい。ずっと吹きっぱなしより、「間」がある方がジャズらしく聴こえるのじゃ
コール方法: 「A Train」で通じます。100%Cメジャーなのでキー指定は不要。テンポだけ「ミディアムアップで」と伝えれば十分です。Satin Dollと並ぶEllington関連の超定番で、レパートリーに入れておくと安心です。
名演・参考音源

最後に参考になる音源を紹介するぞい。この曲はとにかく名演が多いからのう
Duke Ellington & His Orchestra (1941)
オリジナル録音。Ray Nanceのトランペットソロが有名で、スウィングの雰囲気を掴むなら最初に聴くべき1曲です。
Ella Fitzgerald — Ella at Duke’s Place (1965)
ボーカル版ならこれ。Ellingtonバンドをバックにした録音で、Ellaのスキャットが圧巻。歌モノとしてのA Trainを知るのに最適です。
Oscar Peterson Trio — We Get Requests (1964)
ピアノトリオの決定版。Petersonの驚異的なテクニックとスウィング感が堪能でき、フレーズのアイデアが詰まっているので必聴。テンポが速めなので0.75倍速で聴くのもアリです。

まずEllington版から聴いてみる!

うむ、これが原点じゃからのう。あのイントロのリフが流れた瞬間、「A Trainだ!」とわかるようになったら一人前じゃぞい
関連曲ガイド
Take The A Trainを練習したら、次の曲もチェックしてみてください。
- Satin Doll コード解析&セッションガイド — 同じEllington関連の超定番。II-V連続のコード進行で、別角度のアプローチ練習になります。
- Fly Me To The Moon コード解析&セッションガイド — Cメジャーの定番曲。A Trainで覚えたスケールをそのまま活用できます。
まとめ

Cメジャースケールでほぼ全部いけるって、すごく気が楽だね!

そうじゃろう。この曲の難しさはコードやスケールにあるんじゃなくて、テンポとスウィングのフィールにあるんじゃぞい

テンポが速いと指が追いつかないかも…

最初は♩=140くらいのゆっくりめで練習して、徐々に上げていけばいいのじゃ。フレーズは短くてもいいから、リズムが正確でスウィングしていることの方がずっと大事じゃぞい

よし、まずはCメジャーでA Train弾けるようにする!

うむ。D7(#11)のG#だけ忘れるなよ…忘れても大事故にはならんがのう


コメント