
ぽん太博士、セッションに何回か行ったんだけど、いまだにアウェー感がすごくて……

ふむ。周りが全員知り合い同士で、自分だけ外側にいる感じかの?

そう! 常連さんたちが楽しそうに話してて、ぼくはすみっこで順番待ちしてるだけ……

ワシもな、最初の2ヶ月くらいはずっとそうだったぞい。でも通い続けたら、気づいたら自分がその「常連さん」側になっておったんじゃ
セッションに数回足を運んで、演奏自体はなんとかこなせるようになった。でも、常連さん同士が「お疲れー」「今日あの曲やろうよ」と盛り上がっている輪には入れない。自分だけ部外者のような気がして、帰り道にちょっとへこむ――自分にもそういう時期がありました。
ただ、あとから振り返ると「常連になる」のに特別なスキルは要らなくて、ある程度の期間、同じ場所に通い続けただけでした。この記事では、音楽面と人間関係の両方から「常連になるまでの道筋」を書いていきます。
「常連」になると何が変わるか
自分が「ああ、馴染めたな」と感じたのは通い始めて3ヶ月くらいのタイミングでした。
ホストに顔を覚えてもらえる。これが一番大きいです。ホストが自分のレベルを把握してくれるので、「○○さん、この曲いける?」と事前に聞いてくれたりする。最初の頃、いきなり知らない曲を振られてフリーズしていたのが嘘みたいに楽になります。
周りが合わせてくれるようになる。常連同士だとお互いの得意曲やレベルがわかっているので、ソロ回しやコンピングが自然と噛み合います。自分が詰まったときにさりげなくフォローしてくれるのも、顔見知りだからこそです。
セッション以外の情報が入ってくる。「来週あっちの店でイベントあるよ」「練習会やるけど来る?」――こういう口コミは常連のネットワークで回ります。自分も、今メインで通っている別のお店は常連さんに教えてもらって知りました。

なんか、常連になれたら音楽以外のところでも得することが多いんだね

そうじゃ。セッションは音楽の場であると同時に、人の繋がりの場でもあるんじゃぞい
通い方のコツ
週5で通う必要はありません。自分のペースで、ただし意識的に通い方を工夫するとだいぶ違います。
最初は1つのお店に絞る。あちこちのお店に1回ずつ行くと、どこでも「初めまして」が続いて消耗します。まずは1つのお店に隔週〜週1ペースで通い続けるのが、常連への最短ルートです。3回行けば顔見知り、10回通えばだいたい常連として認識されます。
同じ曜日に行く。多くのセッションバーは曜日ごとにホストやメンバーが変わります。同じ曜日に通えば同じ顔ぶれと繰り返し会うことになるので、距離が縮まるスピードが全然違います。
早めに到着する。15〜20分前に着くと、まだ準備中でホストや常連さんとゆっくり話せる時間があります。自分の場合、演奏中よりもこの「セッション前の雑談」で距離が縮まったことが多かったです。
自分の出番が終わっても残る。演奏が終わったらさっと帰ってしまう人が実は少なくないのですが、最後まで他の人の演奏を聴いていると、それだけで覚えてもらえます。「ちゃんと聴いてくれる人だな」という印象は、地味ですが大きいです。

隔週くらいなら行けそう。でも毎回同じお店だと飽きない?

飽きる前に常連になるんじゃ。同じお店でも毎回メンバーが微妙に違うし、同じ曲でも展開が変わるからの。まずは「ホームのお店」を1つ作るところからじゃぞい
レパートリーの広げ方
最初の持ちネタ3曲の選び方はジャムセッション初心者の選曲術に書きましたが、常連を目指すなら少しずつ曲を増やしていく段階です。
月1曲ペースで十分。焦って大量に覚えようとすると、どの曲も中途半端になります。1曲をコード暗記・テーマ演奏・簡単なアドリブまでしっかり仕上げてから、次の曲に進む。半年で6曲、1年で12曲。このペースでも十分セッションは回ります。
セッションで出た曲をメモする。帰ったら「今日やった曲/聴いた曲」を書き出して、気になった曲をiReal Proの使い方を参考にして次回までに練習する。このサイクルが一番自然にレパートリーが広がります。
常連さんがよくやる曲を覚える。「ホームのお店」で頻繁に出る曲を優先的に覚えると、一緒に演奏する機会が増えます。自分の場合、常連のギターの人がAutumn Leavesをよくやっていたので、それを練習して次に行ったら一緒にできた。あの瞬間の「仲間に入れた」感は今でも覚えています。
ジャンルを段階的に広げる。Blue Bossaでボサノバに慣れたらスウィングを足し、次にバラードへ。足場を固めてから次のエリアに進むイメージです。

月1曲って少なくない? もっとガンガン覚えたほうが……

気持ちはわかるが、「できる曲リスト」に入れた曲をセッションで出して撃沈するのが一番ダメージでかいぞい。しっかり仕上がった1曲のほうが、うっすら覚えた5曲より価値があるんじゃ
人間関係のつくり方
人間関係もセッションの居心地を左右します。ただ、社交的でなければダメということではないです。自分もそんなに喋るタイプではありません。
演奏後にひとこと声をかける。同じステージで演奏した人に「楽しかったです」「○○の曲のソロ、かっこよかったです」と伝える。たったこれだけで印象が変わります。自分が言われる側になってみるとわかりますが、演奏を褒められて嫌な人はいません。
アドバイスをもらったら感謝を伝える。先輩プレイヤーが「ここはこうすると良いよ」と教えてくれることがあります。全部を取り入れる必要はないですが、まず「ありがとうございます」と受け取る。取捨選択は家に帰ってからで大丈夫です。
無理に話しかけなくても大丈夫。通い続けていれば、向こうから話しかけてくれるようになります。「前も来てたよね? 楽器なに?」「今度あの曲一緒にやらない?」――こういう瞬間は、通い続けた人にしか訪れません。

SNSで繋がるのもひとつの手じゃぞい。セッション後にXで感想を書いたら、常連さんがリアクションくれて、次に会ったとき話のきっかけになることがあるんじゃ

ぼく、口下手だからSNSのほうが気楽かも……
「ホーム」を持ちつつ冒険する
1つのお店に通い続けて常連になったら、少しずつ行動範囲を広げてみるのもおすすめです。
別のお店に行くと、雰囲気もメンバーもガラッと変わります。自分が初めて「アウェーのお店」に行ったとき、テンポ感が全然違ってかなり面食らいましたが、それが良い刺激になりました。
「ホームのお店」を1つ持ちつつ、月1くらいで違うお店に顔を出すバランスがちょうどいいと感じています。ホームで安心感を保ちつつ、アウェーで成長する。アウェーに行く前に初セッションで恥をかかない暗黙ルールに目を通しておくと安心です。
まとめ ― 通い続けることが最大のスキル

なんか、特別なことをしなくてもいいんだね。通えばいいんだ

そうじゃ。セッションの常連に「なる」というより、通っていたら「なっている」もんなんじゃ。3回行けば顔見知り、10回行けば常連。シンプルじゃぞい
- 同じお店に、同じ曜日で、まずは隔週から通い続ける
- レパートリーは月1曲ペースで着実に。セッションで聴いた曲をメモして次に繋げる
- 演奏後のひとことで人間関係は自然と広がる。無理に社交的になる必要はない
- 慣れてきたら別のお店にも足を運ぶ。ホームとアウェーのバランスで成長する
「常連」って遠い存在に感じるかもしれませんが、実態は「同じ場所に何回か来た人」です。自分もそうでしたし、今の常連さんもみんなそうやって始まっています。次のセッション、まずは早めに着くところから試してみてください。

よし、来週はいつもの店に15分早く行ってみるよ

いい心がけじゃ。顔なじみが増えてくると、セッションの楽しさは倍になるぞい


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