Watermelon Man コード進行 解析&セッションガイド

博士〜!Watermelon Manってファンクっぽいジャズって聞いたけど、どんな曲?

Herbie Hancockが1962年に書いた曲じゃぞい。ジャズとファンクの橋渡しをした歴史的な1曲でのう。デビューアルバム『Takin’ Off』に収録されておるぞい

1962年にもうファンクやってたんだ!

ファンクという言葉が定着する前から、ファンキーなグルーヴをジャズに持ち込んだのがHancockの凄さなのじゃ。この曲はポップチャートでもヒットして、ジャズの枠を超えた人気を得たぞい
Watermelon Man の基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 曲名 | Watermelon Man(ウォーターメロン・マン) |
| 作曲 | Herbie Hancock (1962) |
| キー | F |
| フォーム | Blues / 16小節 |
| テンポ | ♩=120–150 |
| フィール | Funk / Blues |
| セッション頻出度 | ★★★★☆ |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |

16小節の変形ブルースじゃぞい。通常の12小節ブルースを16小節に引き伸ばした構造でのう。Fキーのファンクブルースじゃ

12小節ブルースとどう違うの?

I7が4小節、IV7が2小節、I7が2小節…ここまでは12小節ブルースと同じ。その後のV7 → IV7の繰り返しが4小節追加されていて、計16小節になるのが特徴じゃぞい
Watermelon Man のコード進行と分析

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最初の4小節はF7一発。F7(#9を含むことも多い)のワンコードでグルーヴを確立するリフセクションです。
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5〜6小節目でBb7(IV7)に移動。12小節ブルースと同じI→IV の動きです。7〜8小節目でF7に戻ります。

ここまでは普通のブルースっぽいんだね

そうなのじゃ。ここまでは12小節ブルースの前半8小節とほぼ同じでのう
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9〜14小節目がこの曲独自のセクション。C7(V7)→ Bb7(IV7)の往復を3回繰り返して6小節に拡大しています。12小節ブルースなら2小節で済む部分を引き伸ばしたこの繰り返しが、ファンクのグルーヴを生んでいます。
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15〜16小節目でF7に戻ります。ターンアラウンドなしでF7着地、そのまま次のコーラスへ進みます。

要するにI7 → IV7 → I7 → V7-IV7の繰り返し → I7。ブルースの骨格を16小節に引き伸ばしただけなのじゃ

シンプル!全部ドミナント7thだし、Doxyに似てるかも

いいところに気づいたのう。Doxyと同じく全てドミナント7thの世界で、ブルーススケール1発でいける構造なのじゃぞい
Watermelon Man のスケールガイド

博士、F7が基本のファンクブルースってことは、Fブルーススケールで全部いけるの?

ほぼ正解じゃぞい。この曲はブルーススケールの独壇場なのじゃ

やった!

ただし、ファンクならではのアプローチもあるから、それも教えるぞい
まずはこれだけ覚えましょう

Fブルーススケール(F Ab Bb B C Eb F)で全編通せるぞい。16小節ずっとこれ1本でOKじゃ

Doxyと同じパターンだ!

そうなのじゃ。ブルースの曲はブルーススケールが最強でのう。特にWatermelon Manはファンクのグルーヴが大事だから、スケールの種類より「リズムの切れ味」の方がよっぽど重要なんじゃぞい

リズム重視ってことは、音数少なくても全然OK?

むしろ少ない方がカッコいいぞい。ファンクは「隙間」がグルーヴを生む音楽でのう。James Brownのギターを想像してみい。音は少ないがリズムが超タイトじゃろう?同じ発想じゃぞい

なるほど、ファンクの間の取り方か!

もうひとつ。Fマイナーペンタトニック(F Ab Bb C Eb)もほぼ同じ音で使えるぞい。ブルーススケールからB音(ブルーノート)を抜いただけでのう。ペンタとブルーススケールを行き来するのが実践的じゃぞい
余裕が出たらコードごとに見てみましょう

もう少し色を出したくなったら?

よし、コードごとに見ていこうかのう
Aセクション(1〜8小節):Fブルースの基盤


F7にはFミクソリディアン(F G A Bb C D Eb F)が使えるぞい。ブルーススケールと混ぜると、泥臭さと洗練のバランスが取れるのじゃ

ブルーススケールとミクソリディアンの使い分けのコツは?

フレーズの「頭」はミクソリディアンで始めて、「締め」でブルーススケールのブルーノートを入れる…という流れが自然じゃのう。A音(メジャー3rd)からAb音(マイナー3rd)への半音の動きがファンクブルースの核でのう

メジャー3rdとマイナー3rdの往復!

そこなのじゃ。A → Ab → A みたいなベンド(チョーキング)が最高にファンキーなのじゃぞい。ギターやサックスだとこの半音ベンドが特に映えるぞい

Bb7のところは?

Bb7にはBbミクソリディアン…じゃが、Fブルーススケールのまま弾いても全然OKなのじゃ。IV7に移動しても基本的にI7のブルーススケールで押し通すのがブルースの伝統でのう
Bセクション(9〜16小節):V-IV の繰り返し


C7 → Bb7の繰り返しのところは?

ここもFブルーススケール1発で問題ないぞい。C7のときにC音(5度)やE音(メジャー7th of F…ではなくC7の3rd)を狙うとコード感が出るが、最初はブルーススケールで十分じゃのう

この曲、本当にブルーススケールだけでいけちゃうんだね

だからこそ初心者が「ブルーススケールでアドリブする」練習に最適なのじゃぞい。16小節、ブルーススケール、ファンクのリズム。これだけの要素で最高にカッコいいソロが弾けるぞい
演奏時のポイント
イントロ: テーマのリフ(F7のファンクリフ)をそのままイントロにします。ドラムのファンクビートにリフが乗る形です。8thノートはイーブン(均等)で弾くこと――スウィングしたらファンクになりません。

イーブン8thが大事なんだね。ボサノバと同じ?

そうじゃぞい。ファンクもボサノバもイーブン8th。「跳ねない」ことが生命線でのう。ストレートに、タイトに弾くのがファンクの鉄則じゃぞい
テンポとフィール: ♩=120〜140が最もグルーヴが出ます。Hancockのオリジナルは♩=130前後です。速すぎるとファンク感が薄れます。
アウトロ: F7着地からリフを繰り返してフェードアウト、またはキメで全員一斉ストップです。
実践で使えるTips
ソロの回し方: 16小節、ソロは2〜4コーラスです。ファンクでは長いソロより短くパンチのある2コーラスが映えます。
リズムセクションの重要性: リズムセクションがソロイスト以上に重要です。ファンクのグルーヴが崩れると曲の魅力が半減しますので、コンピングはリズムをタイトに刻むことに集中しましょう。

バッキングの人もグルーヴ第一なんだね

ファンクは全員がドラマーだと思って弾くのじゃぞい。全員でリズムを作る。それがファンクの本質でのう
1973年版との違い: 『Head Hunters』の再録はアフリカンパーカッション入りの完全ファンク版です。セッションで指定されることは稀ですが、曲の進化を知る上で一聴の価値があります。
コール方法: 「Watermelon Man」キーF固定です。「ファンクで」と添えるとフィールが明確になります。
Billie’s Bounceと同じくブルース系スタンダードで、Now’s The Timeと並ぶ「ブルーススケールで勝負する曲」の代表格です。
名演・参考音源

この曲は2つのバージョンが有名でのう。両方聴いてほしいのじゃ
Herbie Hancock — Takin’ Off (1962)
オリジナル録音です。Dexter Gordon、Freddie Hubbard参加のハードバップ寄り演奏で、セッションで演奏されるのは基本このバージョンのイメージです。
Herbie Hancock — Head Hunters (1973)
11年後の再録です。完全にファンクに振り切った冒頭のアフリカンパーカッションが印象的な、ジャズファンクの金字塔です。
Mongo Santamaria — Watermelon Man (Single, 1963)
ラテンパーカッショニストMongo Santamariaのポップチャートヒットです。ラテンジャズアレンジでこの曲の汎用性を証明した録音です。

まずオリジナルのTakin’ Off版から聴くね!

うむ。その後にHead Hunters版を聴くと、同じ曲がここまで変わるのかと驚くはずじゃぞい。Hancockの音楽的冒険心が凄まじいのじゃ
関連曲ガイド
- Billie’s Bounce コード解析&セッションガイド — Parkerの12小節ブルース。ビバップ語法のブルースでWatermelon Manとは異なる側面を学べます。
- Now’s The Time コード解析&セッションガイド — 同じくParkerのFキーブルース。ブルーススケールの知識がそのまま活きます。
まとめ

16小節のファンクブルース、Fブルーススケール1本で勝負!シンプルで最高だね

そうじゃぞい。この曲の教えは「グルーヴが全て」ということなのじゃ。難しいフレーズを弾くより、タイトなリズムでブルーススケールを弾く方がよっぽどカッコいいぞい

イーブン8th、ファンクのリズム、ブルーススケール。3つ覚えた!

あとは体で覚えるだけじゃぞい。Hancockのオリジナルを聴きながら一緒に弾くのが一番の練習でのう

よし、リフ練習してからセッション行く!

リフは完璧に弾けるようにしておくんじゃぞい。テーマがカッコよく弾ければ、それだけでこの曲は成立するからのう


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