Watermelon Man コード解析&セッションガイド

S030 eyecatch スタンダード解析
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Watermelon Man コード進行 解析&セッションガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士〜!Watermelon Manってファンクっぽいジャズって聞いたけど、どんな曲?

ぽん太博士
ぽん太博士

Herbie Hancockが1962年に書いた曲じゃぞい。ジャズとファンクの橋渡しをした歴史的な1曲でのう。デビューアルバム『Takin’ Off』に収録されておるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

1962年にもうファンクやってたんだ!

ぽん太博士
ぽん太博士

ファンクという言葉が定着する前から、ファンキーなグルーヴをジャズに持ち込んだのがHancockの凄さなのじゃ。この曲はポップチャートでもヒットして、ジャズの枠を超えた人気を得たぞい

Watermelon Man の基本データ

項目 内容
曲名 Watermelon Man(ウォーターメロン・マン)
作曲 Herbie Hancock (1962)
キー F
フォーム Blues / 16小節
テンポ ♩=120–150
フィール Funk / Blues
セッション頻出度 ★★★★☆
難易度 ★☆☆☆☆
ぽん太博士
ぽん太博士

16小節の変形ブルースじゃぞい。通常の12小節ブルースを16小節に引き伸ばした構造でのう。Fキーのファンクブルースじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

12小節ブルースとどう違うの?

ぽん太博士
ぽん太博士

I7が4小節、IV7が2小節、I7が2小節…ここまでは12小節ブルースと同じ。その後のV7 → IV7の繰り返しが4小節追加されていて、計16小節になるのが特徴じゃぞい


Watermelon Man のコード進行と分析

コード進行表
コード進行表
  1. 最初の4小節はF7一発F7(#9を含むことも多い)のワンコードでグルーヴを確立するリフセクションです。

  2. 5〜6小節目でBb7(IV7)に移動。12小節ブルースと同じI→IV の動きです。7〜8小節目でF7に戻ります。

ぴょん吉
ぴょん吉

ここまでは普通のブルースっぽいんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。ここまでは12小節ブルースの前半8小節とほぼ同じでのう

  1. 9〜14小節目がこの曲独自のセクションC7(V7)→ Bb7(IV7)の往復を3回繰り返して6小節に拡大しています。12小節ブルースなら2小節で済む部分を引き伸ばしたこの繰り返しが、ファンクのグルーヴを生んでいます。

  2. 15〜16小節目でF7に戻ります。ターンアラウンドなしでF7着地、そのまま次のコーラスへ進みます。

ぽん太博士
ぽん太博士

要するにI7 → IV7 → I7 → V7-IV7の繰り返し → I7。ブルースの骨格を16小節に引き伸ばしただけなのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

シンプル!全部ドミナント7thだし、Doxyに似てるかも

ぽん太博士
ぽん太博士

いいところに気づいたのう。Doxyと同じく全てドミナント7thの世界で、ブルーススケール1発でいける構造なのじゃぞい


Watermelon Man のスケールガイド

ぴょん吉
ぴょん吉

博士、F7が基本のファンクブルースってことは、Fブルーススケールで全部いけるの?

ぽん太博士
ぽん太博士

ほぼ正解じゃぞい。この曲はブルーススケールの独壇場なのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

やった!

ぽん太博士
ぽん太博士

ただし、ファンクならではのアプローチもあるから、それも教えるぞい

まずはこれだけ覚えましょう

ぽん太博士
ぽん太博士

Fブルーススケール(F Ab Bb B C Eb F)で全編通せるぞい。16小節ずっとこれ1本でOKじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

Doxyと同じパターンだ!

ぽん太博士
ぽん太博士

そうなのじゃ。ブルースの曲はブルーススケールが最強でのう。特にWatermelon Manはファンクのグルーヴが大事だから、スケールの種類より「リズムの切れ味」の方がよっぽど重要なんじゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

リズム重視ってことは、音数少なくても全然OK?

ぽん太博士
ぽん太博士

むしろ少ない方がカッコいいぞい。ファンクは「隙間」がグルーヴを生む音楽でのう。James Brownのギターを想像してみい。音は少ないがリズムが超タイトじゃろう?同じ発想じゃぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

なるほど、ファンクの間の取り方か!

ぽん太博士
ぽん太博士

もうひとつ。Fマイナーペンタトニック(F Ab Bb C Eb)もほぼ同じ音で使えるぞい。ブルーススケールからB音(ブルーノート)を抜いただけでのう。ペンタとブルーススケールを行き来するのが実践的じゃぞい

余裕が出たらコードごとに見てみましょう

ぴょん吉
ぴょん吉

もう少し色を出したくなったら?

ぽん太博士
ぽん太博士

よし、コードごとに見ていこうかのう

Aセクション(1〜8小節):Fブルースの基盤

Aセクションのコード進行
Aセクションのコード進行
ぽん太博士
ぽん太博士

F7にはFミクソリディアン(F G A Bb C D Eb F)が使えるぞい。ブルーススケールと混ぜると、泥臭さと洗練のバランスが取れるのじゃ

ぴょん吉
ぴょん吉

ブルーススケールとミクソリディアンの使い分けのコツは?

ぽん太博士
ぽん太博士

フレーズの「頭」はミクソリディアンで始めて、「締め」でブルーススケールのブルーノートを入れる…という流れが自然じゃのう。A音(メジャー3rd)からAb音(マイナー3rd)への半音の動きがファンクブルースの核でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

メジャー3rdとマイナー3rdの往復!

ぽん太博士
ぽん太博士

そこなのじゃ。A → Ab → A みたいなベンド(チョーキング)が最高にファンキーなのじゃぞい。ギターやサックスだとこの半音ベンドが特に映えるぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

Bb7のところは?

ぽん太博士
ぽん太博士

Bb7にはBbミクソリディアン…じゃが、Fブルーススケールのまま弾いても全然OKなのじゃ。IV7に移動しても基本的にI7のブルーススケールで押し通すのがブルースの伝統でのう

Bセクション(9〜16小節):V-IV の繰り返し

Bセクションのコード進行
Bセクションのコード進行
ぴょん吉
ぴょん吉

C7 → Bb7の繰り返しのところは?

ぽん太博士
ぽん太博士

ここもFブルーススケール1発で問題ないぞい。C7のときにC音(5度)やE音(メジャー7th of F…ではなくC7の3rd)を狙うとコード感が出るが、最初はブルーススケールで十分じゃのう

ぴょん吉
ぴょん吉

この曲、本当にブルーススケールだけでいけちゃうんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

だからこそ初心者が「ブルーススケールでアドリブする」練習に最適なのじゃぞい。16小節、ブルーススケール、ファンクのリズム。これだけの要素で最高にカッコいいソロが弾けるぞい


演奏時のポイント

イントロ: テーマのリフ(F7のファンクリフ)をそのままイントロにします。ドラムのファンクビートにリフが乗る形です。8thノートはイーブン(均等)で弾くこと――スウィングしたらファンクになりません

ぴょん吉
ぴょん吉

イーブン8thが大事なんだね。ボサノバと同じ?

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。ファンクもボサノバもイーブン8th。「跳ねない」ことが生命線でのう。ストレートに、タイトに弾くのがファンクの鉄則じゃぞい

テンポとフィール: ♩=120〜140が最もグルーヴが出ます。Hancockのオリジナルは♩=130前後です。速すぎるとファンク感が薄れます。

アウトロ: F7着地からリフを繰り返してフェードアウト、またはキメで全員一斉ストップです。


実践で使えるTips

ソロの回し方: 16小節、ソロは2〜4コーラスです。ファンクでは長いソロより短くパンチのある2コーラスが映えます

リズムセクションの重要性: リズムセクションがソロイスト以上に重要です。ファンクのグルーヴが崩れると曲の魅力が半減しますので、コンピングはリズムをタイトに刻むことに集中しましょう。

ぴょん吉
ぴょん吉

バッキングの人もグルーヴ第一なんだね

ぽん太博士
ぽん太博士

ファンクは全員がドラマーだと思って弾くのじゃぞい。全員でリズムを作る。それがファンクの本質でのう

1973年版との違い: 『Head Hunters』の再録はアフリカンパーカッション入りの完全ファンク版です。セッションで指定されることは稀ですが、曲の進化を知る上で一聴の価値があります。

コール方法: 「Watermelon Man」キーF固定です。「ファンクで」と添えるとフィールが明確になります。
Billie’s Bounceと同じくブルース系スタンダードで、Now’s The Timeと並ぶ「ブルーススケールで勝負する曲」の代表格です。


名演・参考音源

ぽん太博士
ぽん太博士

この曲は2つのバージョンが有名でのう。両方聴いてほしいのじゃ

Herbie Hancock — Takin’ Off (1962)

オリジナル録音です。Dexter Gordon、Freddie Hubbard参加のハードバップ寄り演奏で、セッションで演奏されるのは基本このバージョンのイメージです。

Herbie Hancock — Head Hunters (1973)

11年後の再録です。完全にファンクに振り切った冒頭のアフリカンパーカッションが印象的な、ジャズファンクの金字塔です。

Mongo Santamaria — Watermelon Man (Single, 1963)

ラテンパーカッショニストMongo Santamariaのポップチャートヒットです。ラテンジャズアレンジでこの曲の汎用性を証明した録音です。

ぴょん吉
ぴょん吉

まずオリジナルのTakin’ Off版から聴くね!

ぽん太博士
ぽん太博士

うむ。その後にHead Hunters版を聴くと、同じ曲がここまで変わるのかと驚くはずじゃぞい。Hancockの音楽的冒険心が凄まじいのじゃ


関連曲ガイド


まとめ

ぴょん吉
ぴょん吉

16小節のファンクブルース、Fブルーススケール1本で勝負!シンプルで最高だね

ぽん太博士
ぽん太博士

そうじゃぞい。この曲の教えは「グルーヴが全て」ということなのじゃ。難しいフレーズを弾くより、タイトなリズムでブルーススケールを弾く方がよっぽどカッコいいぞい

ぴょん吉
ぴょん吉

イーブン8th、ファンクのリズム、ブルーススケール。3つ覚えた!

ぽん太博士
ぽん太博士

あとは体で覚えるだけじゃぞい。Hancockのオリジナルを聴きながら一緒に弾くのが一番の練習でのう

ぴょん吉
ぴょん吉

よし、リフ練習してからセッション行く!

ぽん太博士
ぽん太博士

リフは完璧に弾けるようにしておくんじゃぞい。テーマがカッコよく弾ければ、それだけでこの曲は成立するからのう

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